幼なじみの女子大生と4日間の同居生活
早蕨琢斗
第1話 突然の連絡
季節は秋というには寒すぎるのではないかと思うほど気温が低い日が続く、そんな平日に部屋で俺はパソコンと戦っていた。
カチカチ…。
無音の部屋にパソコンのタイピング音だけが鳴り響いている。
パソコンをなれない手つきで使いながら、大学の課題を終わらせていた。今回はなかなかにやっかいな課題を出されて苦戦していた。大学生になって半年が経つというのになかなかパソコンになれない。
「はぁ、ただでさえタイピングがゴミレベルだってのに、終わる未来がみえない…。」
ただ単に内容をまとめて打ち込むなら簡単だったが、考察したことなど文字数の中でどう構成するか悩んでいた。
一回頭の中をリセットするためにパソコンから一旦距離を置き、キッチンへ向かう。一人暮らしなので、かなりの狭さでありしかも昨日のおかずの残りがおいてあり、さらに窮屈さを感じた。とりあえず、ポッドを手に取り水を入れる。
大体目分量で水を止め、ポッドをセットする。それほど、時間が立たない内にポコポコと音が聞こえてきた。それを横目に、テーブルで粉末状のインスタントコーヒーをお気に入りのコップに入れる。
カチッ
お湯が沸いた音がしたので取りに行こうとすると同時に、テーブルの上に置かれた携帯の着信音が鳴り出した。
(息抜きをしようとしてたのに誰だよ)
携帯を手に取ると、見慣れた名前が表示されていた。何の用かと電話に出る。
一旦コーヒーはお預けの用だ。
「もしもし、どうした?」
「もしもし、あのさ急なんだけど今日…。」
少し間を空けて
「今日泊めてくれない?」
いきなりのことに反応が出来ず、理解をしようと止まった思考を必死に働かせる。
「えっと、別に明日何かあるわけじゃないからいいけど。理由をきいてもいい?」
そう今日は平日の木曜日である。一人の女子が泊まらせてほしいと男子の俺に言ってくるのだから何か深い理由があるのかも知れない。だが、幼なじみの俺らの仲だからそっちに用事があるから泊まらせてほしいと頼んで来ている可能性も考えられる。と無駄な思考を巡らせていると。
「あの、ね…。私ね、ストーカーの被害にあってて脅迫とかされちゃって怖くてさ…。」
「それで、俺に頼ってきたのか。警察には行ったのか?被害を受ける前に早く準備してこいよ。全然迷惑じゃないからさ。」
ここで迷惑じゃないと言わなければ、申し訳ない気持ちで余計な心労をかけてしまうから付け加えるように言った。
「警察にはもう行ってきて、信用出来る人の家に避難してた方がいいって言われたの。出来る限り対応はしてくれるみたい。」
「そっか。まぁ、早く警察動いてくれるといいな。」
「うん。じゃ、今から準備していくけどいい?三十分後には着く感じだと思う。」
「了解。あ、一様駅に着いたら連絡もらっていい?」
「りょーかい。駅に着いた時にするね。」
普通は少しためらうか断ったりするとこだろうが、十数年も仲がいいとここまですんなり承諾する流れになる。さすがに見ず知らずの女子だったら俺だって断る。
さてと、一様部屋の片付けだけでもしておくか。課題の資料で散らかった部屋をみて、片付けを始める。
電話を終えて二十分が経過しようとしていた。
荷物どのくらいもって来るんだろう?女子だから結構持ってくるよなたぶん。そう思った時には、鍵を持ってアパートを出ていた。
家をでてすこししたくらいにピコンと通知音が鳴る。
(あと五分くらいで着くね。)
了解とスタンプで返信を送る。それと同時に少し歩く速さを早める。
少し急ぎ足できたおかげで、連絡が来るよりも先に駅に着いた。この肌寒い季節に部屋着で飛び出してきたのは失敗だったなと思いつつ、改札から離れた場所で連絡と彼女を待つ。
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