第2話
「おい、イヴァンもう朝だぞ。いい加減起きろ。」
そんな掛け声とともに俺は心地良い夢の世界からたたき起こされる。
あ~あ、もう少し寝ていたかったのにな。
まぁ、今日は大事な用事があるからな。
しょうがない。
「おい、何独り語りしてんだ。いい加減起きろっての。」
「ちっ、くそ。せっかくいい夢見てたのに何なんだよ」
俺を夢の世界から引っ張り出したのはノアだ。
こいつは顔が……やばいほどイケメンである。
うん。もうね、超イケメン。
男である俺が見てもほれぼれする。
まぁ、顔を見るとイケメン過ぎてイラつくが……
ほんとに不細工な俺とは大違いだ。
「よ、おはよう。相変わらずのイケメンぶりだな」
俺がそういうとノアは少しあきれたような感じでため息をついた。
なんだ、自分の顔がイケメンのは周知の事実だってか?
けっ、いいなイケメンは
「はぁ、君にそれを言われると嫌味にしか聞こえないよ」
は、何言ってんだこいつ?
「ああ、そうだったね。君は自覚してないんだったね。はぁ、ほんとに僕の数倍たちが悪い」
何を言っているんだこいつは?
鏡を見たらどうなんだ。
こんな顔に生まれたら今頃バラ色の人生なのに……
まぁ、今はどうでもいい、今日は大事な用事がある。
そう。
それはこの俺らのパーティがでかい任務をこなす日なのだ。
でかいといってもそこまでいつもと変わらないのだが。
そう思いながら俺は冒険者ギルドに向かった。
「じゃぁ、いってらっしゃい!」
そう言ってノアは俺のことを宿の入り口から見送ってくれた。
本当にあいつはいいやつだよ。
でもあいつと俺じゃ、雲泥の差なんだよ。
あいつはこの世界でトップに入る実力者、かたや俺はそこらへんの初心者に毛が生えたくらいの実力なのだ。
でもあいつとは子供の頃からの腐れ縁で、ずっと一緒にいた。
本当にあいつは顔も性格も完璧だ。
俺と一緒にいるのが不思議なくらいだ。
まぁ、あいつがいいならんいんだけど。
そんなことを考えているとあっという間に冒険者ギルドについた。
中に入ると騒がしかった室内が急に静かになった。
はぁ、いまだにこの空気にはなれないな。
俺はそう言いながら自分のパーティがいる席に向かった。
物音ひとつ立てない。
普段のこの場所を知るものからすればこの光景は異常だと思うだろう。
俺が席に座ろうとした瞬間
「待った!お前はもう座るな!お前はもうパーティメンバーではない。お前は追放だ。」
は?
こいつ今なんて言った?
俺の耳が悪いのか?
『追放』って言ったのか?
この俺が?
確かに俺が初心者に毛が生えたぐらいの実力だってのはわかるが、恐らくこのパーティが成り立っているのは俺がいるからだ。
俺がいなければこのパーティは初心者にすら負けるだろう。
だって全員脳筋だし。
索敵や、罠感知は全部俺がやっているんだぞ。
それを踏まえたうえで俺のことを解雇するのか……
よっしゃー!
これであのクソみたいなパーティから抜け出せるぞ!
これでようやく自由に過ごせる。
念のためもう一度確認しとくか。
「なぁ、その解雇って俺のこと?」
「当たり前だろ?何馬鹿なこと言ってんだ。それすらわからねぇのかこの役立たずのイヴァンが!」
うん。
どうやら俺のことらしい。
間違いなく俺のことらしい。
これ重要。
テストに出るよ。
まぁ、そんなことは置いといて。
俺が追放らしい。
やったね!
ってことで挨拶だけはしとくか。
多少なりとも世話になったもんな。
「ああ、わかった。今までありがとな。そしてこの決断してくれてサンキューな。イヤッホー、やったぜ、これでおさらばだ」
そんなことをつい声に出してしまった。
まぁ、いいや。
だって俺追放だもん。
そんなことをしてたらあいつは少し戸惑った様子でうなずいていた。
まぁ、関係のないことだ。
さぁ、このままさっさと去ってしまおう。
思い立ったが吉日だ。
そのまま俺はスキップでギルドをでた。
周りの冒険者が啞然として声が出ず、しばらく仕事にならなかったのはまた別の話だ。
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チートあり異世界転生(みんな俺より強い)~えっ、俺が追放? 喜んで!~ (Hollow) @kk_s_
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