第2話

14:36

彼女たちに会うために学校に向かう

こんな僕をいつも励ましてくれるから


僕が勉強への意欲も失っているなんて知らないから「頑張って勉強しててすごいね」なんて言ってくれる。少し的外れだけどそうやって僕に声をかけてくれることが、気にかけてくれることが、何より嬉しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

電車で三十分学校に着いた

そこそこの進学校のそこはまだ授業中だ


ガラガラガラ


自分の頭を刺激する音を鳴らしながら、教室のドアを開ける。当然音を聞いたクラスメイト達はこちらを向く。


「お、ヤス。今日も頑張ったな!」


そう声をかけてくるのは水輝。

先日まで所属していたバスケ部の仲間で、

数少ない仲の良い友達。僕が会いたかったうちの1人だ。


「遅れてすみません」


授業中なので水希の言葉を無視して、先生に謝っておく。僕のようなイレギュラーな生徒は先生との関係がとても重要だ。


「ああヤスか、出席付けとくな」


仲の良い先生はこうして出席を付けてくれる。しかし僕をよく思わない先生は途中からなのでと言って出席を付けてくれない。


全日制の学校には進級にあたり出席日数が重視されている。赤点なんかはなんだかんだ再テストなどでフォローしてくれるが、欠席はたった1つ規定数に届かないだけで留年が決定する。


ほとんどの人にとっては精々「皆勤賞が消えた~」程度の話が、病気でとても休みの多い僕にとっては死活問題なのだ。






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僕の音 ヤマブキ @sadaijin

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