僕の音
ヤマブキ
第1話
今日も僕は天井を見つめる
なにもない白い天井を
音はない
僕の1日が始まった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー12:42
そう表示された時計に目をやってから、
ゆっくり布団から這い出す。
頭はぼーっとして思考らしい思考はない。
たっぷりと時間をかけて、2階の自室から1階のリビングに降りる。覚束ない足取りで木でできた階段を下るため、ガランとした家に音が響く。
どすっ どすっ どんどん どすっ
半ば手すりにもたれかかるようにして
1階に降りた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リビングのソファーに倒れ込む。
階段で力を使い果たした僕はそのまま10分を過ごす。少しずつ頭が動き出して音、匂い、光などが感じられるようになる。
車の音と鳥の鳴き声が
無音の家をゆらしていく
鳥の鳴き声は好きだ。僕を優しく励ましてくれている気がするから。車とか飛行機の音のような大きな音を聴くと、またしんどくなって動けなくなるのだけどね。
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