桃太郎

浅野浩二

桃太郎

日本の、ある村でのことです。

何事でも、格差の大きい日本の社会です。

その村も、過疎で、若者は、みんな、都会に出で行ってしまい、村は、老人だけ、でした。

その村に、ある、おじいさん、と、おばあさん、が住んでいました。

おじいさんと、おばあさん、は、兼業農家をしていました。

ですが、台風、地震、豪雨災害、などの、自然災害の激しい日本です。

老夫婦の田畑は、豪雨災害で、目茶目茶になってしまいました。

なので、仕方なく、おじいさんと、おばあさん、は、仕事を無くしてしまいました。

ある時、おじいさん、は、野良仕事に行き、おばあさん、は、洗濯機が壊れてしまったので、仕方なく、川に、洗濯に行きました。

おばあさん、は、いい歳をして、いるのに、密かに、20代の若い女が履くような、セクシーな、ブラジャーを着け、パンティーを履いていました。

それで、一人で、ナルシズムに浸っていました。

(私だって、歳をとってしまったから、ばあさんに、なってしまったけれど、若い時は、村で一番の美人だったんだから)

と、愚痴を言いながら。

それが、ばあさん、が、自分のグロテスクな趣味を正当化する口実でした。

その口実が、本当に事実なのか、どうかは、定かでは、ありません。

ともかく、そう愚痴を言いながら、ばあさんは、川の清流で、洗濯をしていました。

すると、川の川上から、どんぶらこ、どんぶらこ、と、大きな桃が流れてきました。

ばあさんは、びっくりしました。

重さ30kgは、ありそうな、大きな桃です。

「うわっ。すごい桃じゃな」

そう言って、ばあさんは、急いで、川に入って、流れてくる桃を、拾い上げました。

もしかすると、その桃は、上流で、誰かが、落としてしまった桃かもしれず、こういう場合、本来は、拾い物は警察に届けるのが、スジであるべきなのですが、ばあさんは、根が性悪なので、拾得物横領することにしました。

それで、桃を持ち上げて、「重い。重い」、と、ウンウン唸りながら、桃を、家に持って帰りました。

重いけれども、不思議な、貴重な、もしかしたら世界に二つと無いかもしれない桃なので、インターネット、オークションにかけたら、もしかすると、100万円、くらいの値段がつくかもしれない、と思うと、その喜びで、胸が躍って、重さ、は、苦になりませんでした。

家では、じいさん、が、ばあさん、の帰りを待っていました。

「じいさんや。戸をあけてくれ」

ばあさんは、桃を、胸の前に抱えながら、足で、戸を蹴りながら言いました。

「どうしたんじゃ。ばあさん?」

じいさんは、すぐに、玄関に、行って、戸を開けました。

はあさんが、大きな桃を抱えていました。

「どうしたんじゃ。その、大きな桃は?」

爺さんが聞きました。

「いやね。今日、川で洗濯をしていたら、こんな大きな桃が、流れてきてね。拾って持ってきたんじゃ」

と、言いました。

「おお。物凄くでっかい桃じゃのう」

そう言って、爺さんも手伝って、桃を、囲炉裏の前に置きました。

「どうしたもんかのう。この桃?」

二人は、大きな桃を前に、腕組みをして迷いました。

「何でも鑑定団の人に来てもらって、この桃の価値を聞いてみては、どうじゃろうか?」

婆さんが、言いました。

「いや。それは、いかん」

爺さんが、厳しく否定しました。

「どうしてじゃな?」

ばあさん、が聞きました。

「だって、考えてみろ。何でも鑑定団の人に来てもらって、この桃の価値を聞いてもらうと、すると、この桃は、どこで手に入れた、ということを聞かれるじゃろ。そうすると、取得物横領の罪がバレてしまうじゃないか」

爺さんが言いました。

「なるほど。そうじゃのう」

ばあさん、が、肯きました。

「桃は、傷みやすい。ともかく、桃を切ってみよう」

しばし、思案した後に、じいさんが言いました。

爺さんは、高校時代、剣道部で、剣道三段の腕前で、居合い、も、出来て、居合い、は、四段の腕前でした。

それで、桃をスパッと切ってみたい、という欲求が強くなっていったのです。

爺さんは、家宝の、備前長船、を、上段に構えると、「やっ」、という掛け声と、同時に、白刃を勢いよく、桃めがけて、振り下ろしました。

桃に刀が入った、その瞬間です。

桃の中から、小さな幼児が、現れて、「やっ」、という、掛け声と共に、爺さんの、白刃をピタリと両手で、挟み押さえました。

真剣白刃取り、です。

「危ねーじゃねえか。オレが、真剣白刃取り、が、出来たからいいが、もし出来なかったら、今頃、血まみれになって、死んでたぞ」

と、子供は、生意気な口調で、爺さんに言いました。

「それにだ。ねこばば、するのは、いいけど、もしかすると、爆弾とか、危険物かもしれないじゃねえか。最近は、テロも巧妙になっているだろ。慎重に、切ってみるべきだ、ということくらい、頭が働かないのか?」

と、子供が生意気な口調で言いました。

じいさんと、ばあさんは、呆気にとられて、子供を見ました。

「お前は誰じゃ?」

爺さんが聞きました。

「まあ、そんなことは、どうでも、いいじゃんか。摩訶不思議な、謎の子供だよ。だけど、失われた20年で、長引くデフレ不況のため、養育費が工面できなくなって、親に捨てられた子供じゃないぜ」

と、子供は、また、生意気な口調で言いました。

「本当かな。それを証明できるか?」

爺さんが、訝しそうな目で見ながら聞きました。

「バカな爺さんだな。オレはちゃんと、言葉を話せるじゃねえか。捨子ってのは、まだ言葉の話せない、乳幼児だけだぜ。言葉が話せるんなら、住所も、自分の名前も、親の名前も言えるじゃねえか。そうしたら、警察に引き渡せば、すぐに親元に帰されちゃうだろ。そのくらい、わかんないのかよ」

と、生意気なガキは言いました。

言われて、爺さんは、なるほど、もっともだ、と思いました。

「ともかく、オレは真剣白刃取り、が、出来るほどだから、特殊な能力をもってるんだよ。だから、オレを、あんたらが、育てた方が、きっと、あんたらに良い事があるぞ」

と、桃から出てきた、生意気なガキは言いました。

爺さんは、しばし、思案に暮れていましたが、この幼い歳で、真剣白刃取り、が、出来るほどなのですから、運動神経が、ズバ抜けて、優れているのだろうと、確信しました。

なので、大切に育てれば、将来、プロ野球選手とか、Jリーグ、とか、相撲取り、とかになって、年俸3億かせぐ、スター選手になれるかもしれない、と、爺さんは、思いました。

「おい。腹が減ったよ。メシくれよ」

と、生意気なガキが言いました。

「わかった。わかった。お前を育ててやるよ」

そう言って、爺さんは、大盛りの、牛丼を、生意気なガキに与えました。

ガキは、貪るように、ガツガツと、牛丼を食いました。

ご飯を食べ終わると、ガキは、横になって、グーグー寝てしまいました。

こうして、爺さんと、ばあさんは、生意気なガキを育てることにしました。

名前は、桃から、出てきたので、「桃太郎」、と名づけました。

桃太郎は、すくすくと育っていきました。

一年もすると、もう、体重は、90kgを越しました。

桃太郎は、毎日、寝転がって、漫画を読んでいるだけでした。

これでは、年俸3億の、プロスポーツ選手になれないんじゃないか、と、爺さんは心配しました。

しかし、桃太郎は、腕力は強く、牛を一撃で殺し、10円硬貨を、指三本で、折りたたむことが、出来ました。

それを見て、爺さんは、安心しました。

その村は、海辺に面した村でした。

海から、10kmくらい離れた所に、小さな島があって、そこには、鬼が住んでいました。

島の名前は、鬼が島、と言いました。

爺さんは、この、将来性があるのか、どうか、わからない、桃太郎に、一つの提案を思いつきました。

そして、ごろ寝して、漫画を読んでいる桃太郎に、言いました。

「桃太郎や。お前は強い。どうか、悪い鬼を退治しておくれ」

と、婆さんは言いました。

桃太郎は、

「わかった。オレは鬼退治に行くぜ」

と、二つ返事で答えました。

婆さんは、キビだんごを、作って、桃太郎に、持たせました。

「悪い鬼を退治してくる」

そう言って、桃太郎は、必勝と書いた、日の丸の、鉢巻をして、颯爽と家を出ました。

途中で、犬と、猿と、雉が、出て来ました。

「桃太郎さん。どこへ行くのですか?」

犬と、猿と、雉が、聞きました。

「鬼が島に、悪い鬼を退治しに行くんだ。お前たちも来るか?」

桃太郎は、聞きました。

「ええ。行きます」

犬と、猿と、雉は、すぐに、答えました。

「そうか。それなら、これをやる。キビ団子だ。腹が減っては、戦が出来んというからな」

そう言って、桃太郎は、犬と、猿と、雉に、キビ団子を、与えました。

犬と、猿と、雉は、キビ団子を、一口で、ペロリと食べてしまうと、桃太郎に、ついて行きました。

さて。

こちらは、鬼が島の、鬼たちです。

やたら腕力のある、桃太郎の噂は、鬼が島の鬼たちにも、伝わっていました。

鬼が島で、鬼たちは、平和に暮らしていました。

鬼たちは、皆、心が優しいので、民主的に、リーダーを決めていました。

そもそも犯罪というものがないので、法律も、なければ、治安を守る警察組織のようなものも、裁判制度も、必要がないので、警察も軍隊も、裁判官もいませんでした。

鬼の女は、人間とは、比べものにならないほど、綺麗で、「うる生やつら」の、「ラム」のような、美鬼ばかりでした。

桃太郎が、鬼退治に、やって来る、という噂を、聞いた鬼たちは、焦りに焦りました。

「どうしましょう。桃太郎さまが、私達を退治しに来るらしいわ」

「私達は、決して、悪いことはしていない、ということを、丁寧に説明しましょう」

「でも、桃太郎さまは、私達を悪い生き物だと思っておられるわ」

「ともかく、ホールドアップして、笑顔で、出迎えましょう。美味しい料理を差し出して、丁重に、迎えましょう」

そんな会話が鬼たちの間で交わされました。

さて。桃太郎が、船で、海原を分けて、鬼が島に、やって来ました。

猿、犬、雉、を連れて。

桃太郎は、鬼が島に着きました。

すると、鬼が島、の鬼たちは、全員、総出で、浜辺に出て来ました。

「やっ。いきなり、総がかりで、応戦しようって、わけだな。卑怯なヤツラだ」

桃太郎は、鬼が島に、上陸すると、鬼たちに、向かって、そう、怒鳴りつけました。

「ち、違います。桃太郎さん。どうか、私達を殺さないで下さい。ここに居る者が、鬼が島の、全員です。私たちに、桃太郎さんと、戦う意志は、全くないことを示すため、投降のような、意味で、全員、出て来たんです」

そう、一番、手前にいる、女の鬼が言いました。

「あ、あの。桃太郎さん。私は、我々、鬼の、代表者です。名前をラムと申します」

その鬼は、恭しく、そう言いました。

代表者と自称しましたが、ラムは、鬼たちが、敬愛し、崇拝する、鬼たちの女王でした。

「桃太郎さん。私達が、人間さまに対して、どんな悪い事をしたというのですか?」

ラムが、悲しそうな顔で言いました。

「ふん。悲しそうな顔をして、オレを油断させて、その隙に、襲いかかろうって、わけだな。ほとほと、小汚いヤツラだ」

桃太郎は、居丈高に言いました。

「桃太郎さん。今日、桃太郎さん、が、お越しになると聞いて、腕によりをかけて、料理を作って、待っていました。私達は桃太郎さん、の誤解を解いて、桃太郎さん、と、友達になりたいのです。どうぞ、お召し上がり下さい」

そう言って、ラムは、膳に乗せた、料理を、桃太郎に差し出しました。

そこには、美味そうな料理と、酒が、乗っていました。

「お前らは、ほとほと、小汚いヤツラだな。そんな、見え透いた、騙し、に、なんか、乗るものか。その料理と酒には、毒が含まれていることくらい、バカでもわかるわ」

そう言って、桃太郎は、料理と酒の乗った、膳を蹴とばしました。

きれいに盛りつけられた料理は、地面に散らばりました。

「ああっ」

ラムは、それを見て、ポロポロと涙を流しました。

「男の鬼は、全員、前に出ろ」

桃太郎は、厳しい口調で、鬼たちに向かって、言いました。

言われて、何人もの男の鬼たちが、前に出ました。

「よし。全員、手を後ろに回せ」

桃太郎は、言いました。

男の鬼たちは、桃太郎に言われて、手を背中に回しました。

「犬。猿。雉。こいつらを、後ろ手に縛り上げろ」

桃太郎が、三匹の、家来に命じました。

「かってん。承知しやした」

犬、猿、雉、は、嬉しそうに、急いで、男の鬼たちの所に行き、縄で、男の鬼たちを、後ろ手に縛りました。

「お前らは、戦力になるからな」

桃太郎は、男の鬼たちを、ジロリと見ながら言いました。

「犬、猿、雉。次は、こいつらの首を、縄で縛って、それを数珠つなぎ、に、つなぎ合わせろ」

と、桃太郎は、命じました。

「へい。わかりやした」

犬、猿、雉、は、男の鬼たちを、一列に並ばせ、首を、縄で巻いて、固結びにし、それを、一本の縄で、数珠つなぎに、つなぎ合わせました。

「お前らは戦闘員に成りうるからな」

桃太郎は、厳しい目つきで、男の鬼たちを、ジロリと見ました。

しかし、男の鬼たちは、ジャニーズ事務所の俳優のようで、体つきも、弱々しく、表情も、おとなしそく、弱々しそうで、男といえど、とても、屈強な戦力になれるようには、見えませんでした。

桃太郎は、男の鬼の一匹、を、ボクッ、と、殴りました。

「お前らは、オレについて来い」

そう言って、桃太郎は、歩き出しました。

数珠つなぎにされた男の鬼たちは、桃太郎の命令に従って、桃太郎の後について行きました。

「あ。あの。桃太郎さま。私たちを、どこへ連れていくのでしょうか?」

気の小さそうな、男の鬼が、弱々しい口調で、桃太郎に聞きました。

しかし、桃太郎は、振り返ることもなく、

「うるさい。お前らは、オレの言う事を聞いてりゃいいんだ」

と、高飛車に叱りつけました。

鬼たちは、どこへ連れていかれるんだろうと、不安げな様子で、桃太郎の後について行きました。

桃太郎は、浜辺の、すぐ上にある、切り立った絶壁に、鬼たちを、連れて行きました。

真下の、女の鬼たちがいる、浜辺から、50mくらいの高さの、切り立った絶壁です。

「よし。それじゃあ、お前たちは、崖の縁の前に、一列に並べ」

桃太郎は、そう命じました。

「な、何をするんですか?」

男の鬼たちは、不安そうに、しかし、桃太郎の命令には、逆らえないので、崖の前の、縁に一列に並びました。

真下の、浜辺では、女の鬼たちが、絶壁の前に立たされている、男の鬼たち、を、不安げに見つめています。

桃太郎は、一瞬、ニヤリと、笑ったかとおもうと、端っこの、鬼の一匹を、思い切り、ドン、と、蹴とばしました。

「ああー」

鬼たちは、叫びました。

鬼たちは、首を、縄で、数珠つなぎ、に、つながれているので、一匹が、崖から、落とされると、その引力に引っ張られて、連鎖的に、どんどん、崖から、落ちて行き、ついに、全員が、崖から、落ちてしまいました。

そして、崖の下の、岩にぶつかって、即死したり、頚椎を損傷したり、と、回復不能な重症になってしまいました。

まだ、息のある鬼は、「ああー」、と血を流しながら、息も絶え絶えに、かろうじて、断末魔のか細い、声を、あげました。

女の鬼たちは、急いで、男の鬼たちの所に駆けつけました。

「ああ。あなた。死なないで」

女の鬼たちは、それぞれ、自分の夫や、彼氏や、婚約者の、男の鬼たちに、涙を流しながら、もう、助かる見込みのない、臨終を見届けようと、しっかりと、手を握りしめました。

「ああ。オレはもうダメだ。しかし、お前に、看取られて死んでいくのは、幸せだよ。しかし、人間さまを怨んではいけないよ。暴力に暴力で、対抗していたら、人間さまの世界も、我々、鬼たちの世界も、滅んでしまうからね」

男の鬼たちは、そう、言いながら、死んでいきました。

男の鬼たちが、息をひきとる時、女の鬼たちは、「わーん」、と、大粒の涙を流しながら、叫びました。

最愛の、夫、や、婚約者、や、彼氏が、死んでいくのですから、女の鬼たちの、悲しみは、筆舌に尽くせません。

さらに、鬼が島の、鬼たちは、みな、家族のように、仲良く暮らしているので、自分の、夫でない、男の鬼たちの、死、も、胸が張り裂けるような、悲しみなのです。

「これで、確実に戦力になるヤツらは、退治できたな」

桃太郎は、勝ち誇ったように言いました。

夫を殺されて、泣いていた、ラムは、桃太郎の方に、振り向きました。

「桃太郎さま。あんまりです。私たちか、一体、どんな悪い事をしたというでしょう?」

ラムが泣きながら、言いました。

「おー。まだ、反抗的な口調。まだ、反省していないな」

と、桃太郎は、厳しく言いました。

その時、犬、猿、雉、が戻ってきました。

大きな金塊を口に咥えて。

「桃太郎さま。島の中に、大量の金塊が見つかりました。その一部を持って来ました」

と、犬、猿、雉、は、口に咥えていた、金塊を、吐き出して、言いました。

「やっぱりな。お前らは、それを資金にして、イランか、シリアか、ウクライナか、どこかの国からか、核兵器を購入する気だったんだな」

と、桃太郎が、言いました。

「ち、違います。ここでは、金がとれるのです。出来たら、私たちは、日本と、国交を結んで、日本と貿易したいと思っているのです。でも、日本の人たちは、私達を怖がって、気味悪がって、つき合ってくれません。なので、仕方なく、いつか、国交が結べる時のために、保存しているだけなのです」

ラムは必死に訴えました。

「ふん。見え透いたウソを言うな。これらの軍資金は没収する」

桃太郎は、厳しく言いました。

「は、はい。差し上げます。ですから、もう、これ以上の、お咎めは、お許し下さい」

ラムが、土下座して言いました。

「ダメだ。お前たちは、軍資金を、こっそり、貯め込んでいて、いつか、日本を、征服しようと、思っているような、とんでもない、極悪人だからな。悪い芽は、全部、潰すにかぎる。お前たちは、全員、殺す」

鬼たちの顔が真っ青になりました。

「桃太郎さま。そんなことだけは、お許し下さい。私が、この島の代表者です。私は、どんな、酷い罰でも、受けます。ですから、他の鬼たちは、どうか、殺さないで下さい」

ラムは泣きながら、訴えました。

桃太郎は、しばし、思案げな顔で、鬼たちを見ていました。

「そうか。オレも一応、武士だからな。武士の情け、というものは、持っている。だから、お前たちを、殺すのは、勘弁してやる」

桃太郎は、居丈高に言いました。

「あ、有難うございます。桃太郎さま」

ラムは、土下座して、ペコペコ何度も、頭を下げながら言いました。

「しかし、無罪放免というわけには、いかないぞ」

桃太郎は、厳しく、釘刺しました。

「は、はい。何なりと、罰は受けます」

ラムは、すぐに答えました。

「よし。じゃあ、全員、着てる物を全部、脱いで裸になれ。服の中に武器を隠しているかもしれないからな」

桃太郎が厳しい口調で命じました。

「わ、わかりました」

女の鬼たちは、シクシク泣きながら、着ている物を脱いで、皆、裸になりました。

「犬、猿、雉。こいつらを、全員、縄で後ろ手に縛り上げろ」

桃太郎は、そう命じました。

犬、猿、雉、の三匹は、

「へい。わかりやした」

と、言って、裸になった、女の鬼たちを、いやらしそうな目で、見ながら、嬉しそうに、女の鬼たちを、全員、後ろ手に、縛り上げました。

「犬、猿、雉。裸になっても、女の体には、まだ武器を隠す所があるからな。徹底的に、調べろ」

桃太郎は、そう命じました。

「へい。わかりやした」

そう言って、犬、猿、雉、は、裸になって、後ろ手に縛り上げられている、女の鬼たちに、襲いかかりました。

そして、「おい。足を大きく開け」、と言って、女の鬼たちに、股を大きく開かせました。

犬、猿、雉、は、女の股間の、恥ずかしい所を、念入りに、調べました。

女の鬼たちは、悲しそうな顔を虚空に向けて涙を流しながら、犬、猿、雉、に、されるがままに、なっていました。

桃太郎は、裸になったラムを、ドンと押し倒しました。

「これが、お前の罰だ」

桃太郎は、そう言って、ズボンとパンツを脱ぎ、下半身を露出しました。

桃太郎は、体重100kg以上ある巨漢なので、マラも人並みはすれて大きく、そして、そのマラは、天狗の鼻のように、激しく怒張していました。

桃太郎は、TBSの山口敬之が詩織さんに襲いかかるように、ラムに襲いかかりました。

桃太郎は、ラムに馬乗りになると、ハアハアと、息を荒くしながら、ラムの胸を、わし掴みにして、荒々しく揉みました。

「ほれ。しゃぶれ」

そう言って、桃太郎は、ラムの口に、激しく怒張したマラをつきつけました。

ラムは、悲しそうな顔をしながら、桃太郎の、激しく怒張したマラを、ハラハラと涙を流しながら、口に含みました。

「お姉ちゃんをいじめないで」

岩陰に隠れていた、ラムの弟が、泣き叫んで、言いました。

「うぬ。男の鬼は、みんな出てくるよう、言ったはずなのに、お前は、出てこなかったんだな。やっぱり、鬼はウソつきの悪いヤツらだ」

「桃太郎さま。許してあげて下さい。あの子は、ロムという名前で、まだ、物心のつかない、幼い、私の弟なのです」

ラムは、必死に訴えましたが、桃太郎は、ラムの訴えなど、無視して、そして、太く怒張した、マラをラムの股間の女の割れ目に挿入しました。

そして、ハアハアと、喘ぎながら、

「ああー。出る―」

と、叫び、ラムの膣内に、大量の、ザーメンを放出しました。

桃太郎は、若くて、性欲旺盛なので、つづけて、もう二回、ラムの膣内に、ザーメンを放出しました。

コトが済むと、桃太郎は、

「はあ。スッキリした」

と、言って、すっくと、立ち上がり、服を着ました。

ラムは、TBSの山口敬之に犯された詩織さんのように、シクシク泣いていました。

犬、猿、雉、は、まだ、女の鬼たちを、弄んでいます。

「お前たち。もう、そろそろ、鬼たちから、離れろ。また、いつでも、やらせてやるから」

桃太郎は、そう言いました。

桃太郎に言われて、犬、猿、雉、は、女の鬼たちから、離れました。

少し、残念そうな様子です。

「犬、猿、雉。おい。お前たちは、さっき、男の鬼たち、に、したように、こいつらの首を、縄で縛って、それを数珠つなぎ、に、つなぎ合わせろ」

桃太郎は、命じました。

「へい。わかりやした」

犬、猿、雉、は、女の鬼たちを、一列に並ばせ、首を、縄で巻いて、固結びにし、それを、一本の縄で、つなぎ合わせました。

女の鬼たちは、後ろ手に縛られているので、胸も恥部も、隠しようがありません。

「さて。お前たちの、今後の処分だが・・・。お前たちは、放っておくと、金を資金源にして、核兵器をシリアから、購入して、日本を征服するからな。お前たちが、悪さをしないように、全員、日本に、連行する」

と、桃太郎は、厳しく言いました。

桃太郎は、女の鬼たちを、船の方に、連れて行きました。

「さあ。お前たち。船に乗れ」

桃太郎は、そう命じました。

犬、猿、雉、も、吠えたり、つついたりして、女の鬼たちを、船に乗るよう急かしました。

「こ、こわいわ」

「わたし。行きたくない」

女の鬼たちは、日本という、未知の国に連れていかれる恐怖に、みな、脅えていました。

「みんな。抵抗しないで。桃太郎さまに従いましょう。殺さないで、生かして、くださるだけで、幸せと、思いましょう。私たちは、一心同体よ」

ラムが、みなを励ましました。

「はい。ラムさま」

怖がっていた、女の鬼たちは、ラムの言葉に、励まされて、少し、ほっとした様子で、船に乗り込みました。

桃太郎の、乗ってきた船は、大型で、女の鬼たちを、全員、船に乗せることが、出来ました。

ラムの弟も、船に乗せました。

そして、桃太郎は、犬、猿、雉、に命じて、島にあるだけの、金塊を、全部、持ってこさせ、船に積み込みました。

「鬼が島の地中に埋まっている、金は、後日、日本政府に知らせて、全部、採掘させよう」

桃太郎は、そう言って、船に乗り込みました。

犬、猿、雉、も、船に乗り込みました。

桃太郎と、犬、猿、雉、と、女の鬼たちを、乗せた、船は、鬼が島を出て、日本に向かいました。

女の鬼たちは、船の中で、身を寄せ合って、一塊になって、ブルブル震えています。

船は、風を切って、一途、日本に、進みました。

やがて、日本が見えてきました。

桃太郎は、捕縛した、女の鬼たちと、金塊の山を、どっさり、持って、爺さんと、婆さん、の家にもどりました。

「おーい。爺さん。婆さん。帰ってきたぜ」

桃太郎は、玄関で、大声で、言いました。

すると、すぐに、パタパタと、足音が聞こえ、爺さんと、婆さん、が、玄関を開けました。

「爺さん。婆さん。鬼が島に行って、見事、鬼を退治してきたぜ」

桃太郎は、得意満面で、言いました。

「おお。桃太郎。よくやってくれた。お前は立派だよ。これでもう、村人は、悪い鬼どもの、恐怖に悩まされなくてすむ。本当に有難うよ」

そう言って、爺さんと、婆さん、は、桃太郎の活躍を褒め讃えました。

「いやあ。悪人を退治するのは、人間として、当然のことさ。それより、腹が減っているんだ。鬼が島の、鬼たちは、毒入りの食事を、言葉巧みに、だまして、オレに食わそうとしたんだが、その手にはのらかったんだ。だから、何も食ってないんで、腹ペコなんだ」

桃太郎が、言いました。

婆さん、が、桃太郎に、大盛りの、牛丼を差し出しました。

桃太郎は、それを、ガツガツと食べました。

「ああ。そうかい。腹が減っては、戦が出来ぬ、というからね。さぞ、大変だったんだね」

婆さん、は、そう言って、桃太郎を、座敷にあげました。

家の外には、裸で、後ろ手に縛られた、女の鬼たちが、憔悴した表情で、並んでいます。

「おや。桃太郎。鬼を連れてきたりして。お前は、鬼を退治したんじゃないのかね。どういうことなんだね?」

婆さん、が、訝しそうな顔で、聞きました。

「ああ。男の鬼どもは、ちゃんと全部、退治したよ。ヤツラは、筋骨隆々とした巨漢ばかりで、毛むくじゃらで、金棒を振り回して、オレに襲いかかってきたけど、オレが、全部、ブチのめしてやったよ。女の鬼たちも、オレに、料理といって、毒殺しようとしたんだ。鬼が島には、金が豊富に埋蔵されていて、女の鬼どもは、それを、こっそり貯め込んで、それを軍資金にして、ウクライナから、核兵器を購入して、日本を征服しようと、企んでいるんだ。女の鬼どもも、退治するべきか、どうか、オレは、非常に迷ったんだ。しかし、オレも武士だからな。悩みに悩んだ末、悪事を犯さないよう、命だけは、奪わないでやろうと情けをかけてやることにしたんだ。しかし、こいつらを鬼が島に放っておくと、悪事を働くからな。こうして、連行してきたんだ」

桃太郎は、牛丼を食べながら言いました。

「おお。桃太郎や。お前は、腕力、度胸だけではなく、悪人にも、情けをかけてやる、情け心も、持っているんだね。感心したよ」

そう言って、婆さんは、桃太郎を、畏敬の念をもって、讃えました。

桃太郎が鬼退治したことは、すぐに、村人に知れ渡りました。

マスコミは、殺到して、桃太郎の所に集まり、桃太郎の偉業は、全ての大手新聞で大々的に報道されました。

桃太郎は、名誉県民となり、さらに、名誉県民賞も受けました。

さて、一方、捕縛された、女の鬼たちの顛末は、というと。

女の鬼たちは、今まで、さんざん、悪さを働いてきた罰として、徹底的に厳しく罰されました。

女の鬼たちは、村の一軒一軒に、奴隷として、引き取られていきました。

鬼は、人間ではありませんから、「人権」、というものがありません。

動物と同じなのです。

村は、過疎化で、農業や工場の、働き手が、いませんでしたから、女の鬼たちは、いい労働力となり、一日、16時間以上の労働をさせられました。

ラムとラムの弟のロムは、桃太郎の家に飼われました。

そして、一日の労働が終わって、飼い主の家に帰ると、そこでは、まだ、洗濯、や、掃除、食事の支度、食事の後片付け、などをさせられました。

食事は、わずかでした。

鬼たちは、あまりの重労働に、次々に、過労死していきました。

ラムの弟は、まだ幼く、農作業は出来ず、家で、掃除、や、洗濯、などの仕事をさせられました。

ラムにとっては、昼間の農作業から、帰ってきて、弟に会えることが、唯一の楽しみでした。

ラムは、アラビアンナイトのように、想像力を働かせて、弟に、面白い話を、考え出して、話してあげました。

その逢瀬が、ラムにとっても、ラムの弟ロムにとっても、一番、心が休まる時でした。

「ロム。つらくても負けないでね。姉さんも頑張るから」

「うん」

と、ロムは、笑顔で言いました。

しかし、そんな、二匹の生活も、長くは続きませんでした。

ある時、ラムが、昼間の農作業が終わって、桃太郎の家にもどってきた時のことです。

ラムは、「ああー」、と悲鳴をあげました。

無理もありません。

ラムの弟、ロムが裸にされ、後ろ手に縛られて、その縄尻は、家の梁に吊るされていたからです。

そして、爺さんと、婆さん、が、竹のムチで、ロムを叩いていたからです。

ロムは、泣きながら、

「ごめんなさい。ごめんなさい」

と、叫んでいました。

しかし、爺さんと、婆さん、は、ロムを叩くのをやめません。

「おじいさん。おばあさん。なぜ、そんなことをするのですか?」

ラムが、弟をムチ打っている、爺さんと、婆さん、に聞きました。

「最近。お寺の、お墓の、お供え物、が、なくなっていることが、村の問題になっていたんだよ。そして、今日、このガキが、お寺の、お供え物、を、盗んでいるのを、村の子供が見つけたんだよ。それ以外にも、家々で、作っている、柿や梨が、盗られる、ことが、村の問題になってたのさ。最近までは、なかったことなんだよ。それで、こうして、折檻したら、自分が盗んでいたと、白状したんだよ。やっぱり、鬼は、子供でも、根っから悪い生き物だね。もう、二度と、悪さしないように、こうして、折檻しているのさ」

と、婆さん、が言いました。

ラムは、急いで、ロムの所に行きました。

「おじいさん。おばあさん。許してあげて下さい。育ちざかりの、男の子なのです。お腹かすいて、我慢できなくなったんでしょう」

ラムは、涙を流しながら、許しを乞いました。

「ふん。ダメだね。情けをかけて、生かしておいてやったと思ったら、すぐさま、泥棒だ。今度は、強盗をするか、火付けをするか、人殺し、をするか、どんな悪さをするか、わかったものじゃない。この際、徹底的に、折檻して、二度と悪さ、しないように、しておかないとね」

そう言って、婆さん、は、ロムの尻を、竹で、ビシーンと叩きました。

「そうじゃ。そうじゃ。婆さん、の言う通りじゃ。この際、根っから性悪な、鬼の根性を徹底的に叩き直しておかんとな」

そう言って、じいさんも、ロムの尻を、竹で、ビシーンと叩きました。

爺さんと、婆さん、は、代わる代わる、ロムの体を、叩き続けました。

「ごめんなさい。ごめんなさい。許して下さい。もう二度と、物を盗んで食べたりしません」

ロムは、泣きながら、訴えました。

しかし、おじいさん、と、おばあさん、は、聞く耳を持ちません。

ロムの体を、竹で、叩き続けました。

ラムは、土間に、土下座して、地面に、頭をこすりつけ、ポロポロ涙を流しながら、

「おじいさん、おばあさん。お願いです。許してあげて下さい」

と、訴えました。

しかし、爺さんは、

「ふん。鬼の社会では、悪さ、をしても、放ったらかしているんだろう。だから、(善)という心が芽生えないんだよ。しかし、人間の社会では、法律もあれば、心に、(良心)もあるからね。悪いことを、したら、罰を与えて、ちゃんと、しつけ、というものを、しているんだよ。だから、人間の社会は、平和なんだよ」

と、言いました。

「おじいさん。おばあさん。まだ、育ち盛りの、幼い子供なのです。どうか、もう許してあげて下さい。罰は私が受けます」

と、ラムは言いました。

言われて、爺さん、と、婆さん、は、ラムの弟を竹で打つのを、やめました。

「そうか。お前が、ちゃんと、しつけ、を、しなかったから、こんな悪い事を平気でする、ガキになってしまったんだからな。お前にも責任がある。じゃあ、このガキの、折檻は、このくらいで、勘弁してやる。そのかわり、お前が、監督不行き届き、の責任の罰を受けろ」

と、爺さん、は、言いました。

「はい。私の監督不行き届きです。いかなる罰も、私が受けます。ですので、どうか、弟は、許してあげて下さい」

と、ラムは、涙を流しながら言いました。

「そうか。じゃあ、弟は許してやる」

爺さん、は、そう言って、弟を縛っている縄を解きました。

弟は、後ろ手に縛られた、縄を解かれて、自由になりました。

そして、脱がされた服を拾って、座敷から、降り、土間に降りました。

鬼は、座敷に上がることは、許されず、家に入っても、土間までしか、許されなかったのです。

おじいさん、は、土間に、正座している、ラムに視線を向けました。

「おい。ラム。こっちへ来い」

おじいさん、が、言いました。

「はい」

ラムは、恐る恐る、座敷に上がりました。

「では、弟を許してやった、代わりに、今度は、お前の、監督不行き届きの折檻じゃ。さあ。着ている物を、脱げ」

「はい」

お爺さん、に、言われて、ラムは、服を脱ぎました。

ラムは、服を脱ぐと、恥ずかしそうに、胸と股間を、そっと、隠しました。

無理もありません。

鬼は、頭に、二本の、小さな角が生えている、という違いを除けば、体は、人間と、全く同じなのです。

ラムは、プロポーションが良く、胸は大きく、腰は、キュッと、くびれていて、大きな尻に、スラリとした、下肢をしていました。

「お前の罰も、弟と同じ、百叩きじゃ」

お爺さん、は、そう言って、ラムの、両手を、つかみ、グイと、背中に回し、後ろ手に、縛りました。

そして、その縄尻を、天井の、梁にかけました。

これで、ラムは、天井から、吊るされた格好になりました。

「悪い鬼め。監督不行き届きの罰じゃ」

そう言って、お爺さん、と、おばあさん、は、ラムの体を、竹で、叩き始めました。

ピシっ、ピシっ、と、お爺さん、と、お婆さん、は、弟の時と同じように、ラムの尻、や、太腿、を、交互に、力一杯、叩きました。

「ああー」

ラムは、眉を寄せ、苦しげな、叫び声を上げ続けました。

「お姉ちゃんを、いじめないで」

土間に、座っている、ラムの弟が、泣きながら、言いました。

しかし、お爺さん、と、お婆さん、は、弟の訴えなど、どこ吹く風、と、いった様子です。

「性悪な鬼は、徹底的に、折檻しておかないとな」

そう言って、お爺さん、と、お婆さん、は、容赦なく、思い切り、ラムを、竹で、叩き続けました。

「ああー」

ラムは、悲鳴をあげ続けました。

・・・・・・・・・

もう、ラムを叩き続けて、一時間くらい、経ちました。

ラムの折檻を、横になって、眺めていた、桃太郎は、しだいに、ハアハアと、息を荒くして、股間をさすり出しました。

「爺さん。婆さん。もう、そろそろ、折檻は終わりにしてやりな。この鬼も、多少は、反省したかも、しれないからな。あとはオレに任せてくれ」

桃太郎は、スッくと、立ち上がって、言いました。

「おお。桃太郎や。お前は、悪人をも許す、優しい心を持っているんだね、この女の鬼が、本当に、反省したのか、どうかは、わからないけど、わしらも、いい加減、疲れてきたからね。あとは、お前に任せるよ」

と、婆さん、が、言いました。

「おじいさん。おばあさん。もう、疲れたでしょう。もう、寝て下さい。あとの始末は、オレがやっておきます」

そう、桃太郎が、言いました。

「じゃあ、あとは、頼んだよ」

そう言って、爺さんと、婆さん、は、部屋を出て行きました。

部屋には、桃太郎と、裸で、吊るされているラムだけと、なりました。

ラムは、桃太郎に、憐みを求めるような目を、向けました。

「もうちょっと、お前を折檻する必要があるな」

桃太郎は、そう言うと、ラムの背後に回りました。

そして、背後から、ラムの豊満な胸を、ムズと、つかみ、荒々しく、揉み出しました。

そして、ズボンを脱ぎ、天狗の鼻のように、激しく、勃起した、マラを、ハアハア、息を荒くしながら、ラムの尻の割れ目に、激しく押しつけました。

「も、もう、我慢できん」

桃太郎は、そう言うと、急いで、天井の梁から、吊るされている、ラムの縄を解きました。

それによって、ラムは、後ろ手だけの縛め、となり、ラムは、クナクナと、畳みの上に、座り込みました。

桃太郎は、後ろ手に縛られた、ラムを、倒して仰向けにしました。

そして、ラムの、股を、大きく広げました。

そして、激しく怒張した、マラを、ラムの股間の割れ目に、突き刺しました。

桃太郎は、ハアハアと、しばし、腰を揺すっていましたが、すぐに、

「ああー。出る―」

と、叫んで、大量の、ザーメンを、ラムの体内に放出しました。

ラムは、TBSの山口敬之に犯された詩織さんのように、悲しみの涙を流していました。

「よし。じゃあ、今日は、これくらいで、折檻は勘弁してやる」

そう言って、桃太郎は、ラムの後ろ手の縄を解きました。

そして、桃太郎は、部屋を出て行きました。

ラムは、そっと立ち上がって、着物を着ました。

「お姉ちゃん。ごめんね。僕が、食べ物を盗んじゃったために、お姉ちゃん、まで、つらい目にあわせちゃって」

土間にいた、弟のロム、が、泣きながら、姉の所に駆け寄ってきました。

「いいのよ。ロムは、育ちざかりで、いつも、お腹を減らしている、ということを、気づけなかった私が悪いのよ。でも、これからは、もう、食べ物を盗まないでね。これからは、私の食事を、ロムに、わけてあげるから」

ラムは、微笑んで、弟の頭を、優しく撫でました。

その夜、二人は、しっかり、手をつなぎながら、床に入りました。

寝る前に、ラムは、いつものように、ロムに、日本の名作文学を読んでやりました。

その日は、ラムは、ロムに、伊藤左千夫の、「野菊の花」、を朗読してやりました。

そして、ラムは、ロムの頭を撫でながら、子守唄を歌ってやりました。


烏 なぜ啼くの 烏はやま山に

可愛い 七つの 子があるからよ

可愛 可愛と 烏は啼くの

可愛 可愛と 啼くんだよ

山の 古巣へ いって見て御覧

丸い眼をした いい子だよ


ロムは、いつものように、だんだん、ウトウトし出し、そして、眠りに就きました。

翌日からも、ラムは、早朝に、婆さん、に、叩き起こされて、きつい農作業を、やらされました。

朝早くから、夜遅くまでです。

爺さん、婆さん、にしてみれば、弟のロムも、働かせたいのですが、まだ、幼くて、力もなく、仕事を、ちゃんと出来ないのです。

人間社会には、労働基準法がありますので、一応、労働時間、に関する制限あります。

しかし、鬼は、人間ではありません。なので。

労働基準法、第5条(強制労働の禁止)の、「 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意志に反して労働を強制してはならない。」、も、当てはまりません。

いくらでも、長時間、こき使っても、いいのです。

なので、ラムは、人間では、過労死ラインの、一日、12時間労働、なども、当てはまらず、一日、16時間以上も、働かせられました。

日が暮れて、農作業が、終わると、工場へ行かされ、流れ作業を、やらされました。

もちろん、働いたからといって、賃金など、支給されません。

しかし、あまり、こき使い過ぎて、過労死されては、元も子もありませんので、過労死にならない範囲で、こき使われました。

江戸時代の、「百姓は生かさず、殺さず」、と同じ方針です。

ロムは、大人の仕事が出来ないので、家の掃除、の他に、買い物、郵便物の投函、村の家々に行かされて、掃除、などの雑用をさせられていました。

ある日のことです。

ラムが仕事から、帰って、粗末な食事を食べ、弟のロムと一緒に、布団を被りました。

ロムは、姉に、ひっし、と、泣きながら抱きつきました。

「わーん。わーん。わーん」

ロムが、あまりにも、激しく泣くので、ラムは、弟の頭を、さやしく撫でました。

「どうしたの。ロム。なにか、つらいことがあったの?」

ラムが、聞きました。

「うん」

ロムは、泣きながら、肯きました。

「どうしたの。何があったの?」

ラムが、聞きました。

「今まで、恥ずかしくて、言えなかったんだけど。使いで、外に出た時、いつも、村の子供たちに、いじわるされていたんだ。石を投げつけられたり、取り囲まれて、寄ってたかって、殴られたり、蹴られたり、されていたんだ。でも、今日の、いじめ、は、特に、ひどかったんだよ」

と、ロムは、泣きながら、言いました。

「どうしたの。何があったの?」

ラムが、聞きました。

「いつも、通る道に、落とし穴が、作られていたんだ。それに、落っこちて、しまったんだ。かなり深い落とし穴で、抜け出ることが出来なかったんだ。そこに、村の子供たち、が、集まって来たんだ。ニヤニヤ笑いながら、マムシを、何匹も、落とし穴の中に、放り込んだんだ。マムシに噛まれて、死んでしまうんじゃないかと、怖かったんだ」

ロムは、泣きながら、言いました。

マムシに噛まれたら、急いで血清を注射しなければ、死んでしまいますから、これは、ただ事ではありません。

ラムは、そんな深い、巧妙な、落とし穴は、とても、子供たち、だけでは、作れず、また、子供たちでは、マムシを、もってくることも、出来ないでしょうから、これは、大人も手伝っている、と直感しました。

ここに至って、ラムは、とうとう、生命の危険を、確実に、実感しました。

自分たち、鬼の種が、滅んでしまうのは、耐えられないことです。

「ロム。わかったわ。人間様には、悪いけど。明日。ここを脱出して逃げましょう。このままでは、私たち、鬼たちは、みんな、殺されてしまうわ」

ラムが、言いました。

「でも、どうやって逃げるの。すぐに、人間に、捕まってしまうよ?」

弟が聞きました。

「村の子供の中に、赤い服を着た、ツインテールの、女の子がいるでしょ。右の頬っぺたに、ほくろ、が、ある子。あの子は、お寺の子で、やさしい性格で、あの子だけは、私たち、鬼をいじめないでしょ。だから、あの子に、頼んで、かくまってもらいましょう。あの子なら、きっと、かくまってくれるわ」

ラムが、言いました。

「ああ。あの子か。洋子って、みんなが呼んでたよ。あの子だけは、道で会っても、いじわる、しないで、くれるよ」

弟が言いました。

「でも、かくまってくれるかな?」

弟が不安けに聞きました。

「あの子は、お寺の子でしょ。お父さんは、お寺の住職でしょ。住職さまは、聖職者だわ。だから、きっと、かくまってくれるわよ。そのお寺で、一生懸命、働いて、亡命するお金を貯めましょう。ドイツなら、難民・移民の受け入れに寛容だわ。お金が貯まったら、ドイツに亡命しましょう。それに、望みを託しましょう」

「うん」

ラムの説得で、弟も納得しました。

二人は、手を握りしめ合って、眠りました。

翌日、ラムは、早朝、いつものように、農作業に出ました。

弟のロムも、昼頃、使いのため、郵便局に出ました。

しかし、ロムは、郵便局には行かず、姉の働いている、畑に行きました。

二人は、帽子をかぶって、頭の角が目につかないようして、洋子の家に行きました。

トントン。

二人は、洋子の家の玄関をノックしました。

すると、「はーい」、という声と共に、家の中で、パタパタ走る足音が聞こえました。

ガチャリ。

玄関の戸が開かれました。

少女が、そっと顔を出しました。

「あ、あの。洋子さんですね」

ラムは、おどおどと、した、口調で言いました。

ラムは、まだ、洋子が、自分たちを、かくまってくれるか、どうか、確信が持てず、おびえていたからです。

「あっ。あなた達は・・・」

洋子は、鬼の姉と、その弟の、突然の訪問に、躊躇している様子でした。

「何のご用でしょうか?」

洋子が聞きました。

「あ、あの。ちょっと、相談したいことがありまして、やって参りました。家に入れて頂けないでしょうか?」

ラムが、言いました。

洋子は、ちょっと、思案気な顔で、鬼の姉弟を、見ていましたが、

「わかりました。今、父は留守です。が、どうぞ、お上がり下さい」

と、言いました。

「ありがとうございます」

ラムは礼を言って、弟のロムと、家の中に、入りました。

二人は、六畳の部屋に通されました。

洋子が、お茶をもってやって来ました。

「どうぞ」

洋子は、二人に、お茶を差し出しました。

「ありがとうございます」

ラムは、礼を言って、二人は、茶を飲みました。

「あ、あの。お父様は、いらっしゃらないのでしょうか?」

ラムが、聞きました。

「父は、所用あって、東京に出ています。明後日、帰ってくる予定です」

と、洋子が、言いました。

「あの。ご用件は何でしょうか?」

洋子が聞きました。

「あ、あの。洋子さまも、知っておられると思いますが、私たち、鬼は、人間さまに、いじめられています。弟は、落とし穴に入れられて、マムシを放り込まれました。このままでは、私たちは、絶滅してしまいます。ですので、考えに考えた挙句、桃太郎さまには、申し訳ありませんが、桃太郎さまの、家を脱出することにしました。そこで、どこか、移民・難民の受け入れに寛容な国に亡命したいと思っているのです。それまでの間、私たちを、かくまってもらえないでしょうか?どんな、お仕事でも、致します」

ラムが、言いました。

洋子は、黙って聞いていましたが、腕組みして、しばし、考え込んでいる様子でした。

しばしの後、洋子は、顔を上げました。

「わかりました。かくまいましょう」

と、洋子は、ニコッと笑って言いました。

「ありがとうございます。本当に、ありがとうございます」

ラムは、涙をポロポロ流しながら、畳に頭を擦りつけて、言いました。

その時、ラムの隣りに座っているロムの腹が、グーとなりました。

「あ、あの。洋子さま」

ラムが、おそるおそる、おずおずと、言いました。

「はい。何ですか?」

「お泊めさせていただけるだけでも、大変、ありがたいのですが。大変、厚かましいのですが、一つお願いがあるのです。聞いていただけないでしょうか?」

「はい。何でしょうか?」

「あ、あの。何か、食べ物をいただけないでしょうか。何でも構いません。私は、ともかく、弟が、育ち盛りなのに、ろくに食事をしていないので、体が衰弱しているのです。餓死寸前なのです」

ラムが、言いました。

洋子は、しばし、考え込んでいる様子でした。

しばしの後、洋子は、顔を上げました。

「わかりました。昨夜、カレーライスを、たくさん、作りましたので、温めます。ご飯も温めて、持ってきます」

洋子は、明るい笑顔で、快活な口調で言いました。

「ありがとうございます。本当に、ありがとうございます」

ラムは、ポロポロ涙を流しながら、頭をペコペコ下げました。

洋子は、部屋を出て行きました。

「よかったわね。ロム」

「うん。人間にも、優しい人は、いるんだね」

二人は、微笑みあいました。

すぐに、洋子は、もどってきました。

電子炊飯器、と、鍋、と、皿二つを持って。

洋子は、炊飯器から、ご飯を、皿に乗せ、それに、鍋の、カレーを、たっぷり、かけました。

美味そうな、カレーライスが、湯気をたてていました。

「さあ。ラムさん。ロム君。召し上がって下さい。ご飯、も、カレー、も、いっぱい、ありますから、いくらでも、おかわりして下さい」

洋子は、ニコッと、笑って、二人に、カレーライスを、差し出しました。

「ありがとうございます。本当に、ありがとうございます」

礼を言うや、二人は、カレーライスを、食べ始めました。

毎日、わずかな、ひもじい食事で、飢えていたので、二人は、貪るように、無我夢中で、カレーライスを、搔き込みました。

「おいしいわ。おいしいわ。ああ。なんて、美味しいんでしょう」

と、言いながら。

「お疲れになっているでしょう」

そう言って、洋子は、押入れ、を開けて、敷き布団、と、掛け布団、を出し、畳に敷きました。

「どうぞ。食事のあとは、ゆっくり、お休み下さい」

洋子が言いました。

「ありがとうございます。洋子さま」

ラムは、泣きながら、礼を言いました。

「では、二人で、ごゆっくり、くつろいで下さい」

そう言って、洋子は、部屋を出て行きました。

「ありがとうございます。洋子さま」

ラムは、泣きながら、礼を言いました。

洋子が去ると、二人は、二杯目、三杯目、の、カレーライスを、ガツガツ、食べました。

餓死寸前、だったのですから、無理もありません。

「よかったわね。ロム」

ラムが、言いました。

「うん。人間にも、優しい人は、いるんだね」

ロムが、カレーライスを食べながら、言いました。

二人は、人間の愛、に、感謝しながら、カレーライスを、食べました。

二人は、洋子が持ってきた、炊飯器と、鍋の中に入っている、ご飯、と、カレー、を、全部、食べてしまいました。

二人にとって、食欲が満たされたのは、鬼が島にいた時、以来です。

久しぶりに、腹が満たされて、胃袋に、大量の血液が行ったため、二人に、眠気が起こってきました。

「ロム。ちっょと、食後の食休み、をとりましょう。せっかく、洋子さんが、布団を敷いて下さったのだから」

ラムが言いました。

「うん」

ロムが返事しました。

二人は、洋子の敷いてくれた、布団に、横になりました。

長い期間の、重労働の疲れから、解放された、安心感、そして、食後の眠気から、睡魔がやって来て、いつしか、二人は、眠りに就きました。

二人は、泥のように眠りました。

・・・・・・・

「おい。起きろ」

どのくらい寝たでしょう。

声が聞こえました。

しかし、二人は、とても、気持ちのいい、深い眠りに就いていたので、パッ、と起きることは、出来ませんでした。

「おい。起きろ」

再び、今度は、大きな声が聞こえました。

ラムは、眠い目を、こすりながら、うっすらと、目を開きました。

「ああっ」

ラムは、びっくりして、叫び声をあげました。

無理もありません。

なぜなら、ラムの目の前には、桃太郎と、爺さんと、婆さん、そして、洋子が、並んで、立っていたからです。

なぜ、彼らが、ここにいるのか、ラムには、わかりませんでした。

「話は全て洋子から聞いた。お前たちのような、悪鬼でも、情けをかけて、生かしておいて、やっているのに、無断で、逃げ出すとは、とんでもないヤツらだ。やはり、お前らは、根っからの悪鬼だな」

桃太郎が、怒りに満ちた顔で、ラムをにらみつけながら、言いました。

ラムは、一体、どういうことなのか、わけがわからず、桃太郎の隣りにいる、洋子に視線を向けました。

「よ、洋子さん。これは、一体、どういうことなのでしょうか?」

ラムは、気が動転しながらも、聞きました。

しかし、洋子は、黙っています。

桃太郎が、洋子の肩に手をかけました。

「しかし、洋子さん。あなたの、機転のおかげで、悪い鬼を、とっ捕まえることが出来ました。ありがとう」

そう、桃太郎は、洋子に言いました。

それに応えて、洋子が話し出しました。

「いえ。私も、鬼が、いきなり、やって来た、時には、もの凄く、こわかったでした。悲鳴をあげて、逃げ出そうか、とも思いました。しかし、逃げても、私の走力では、とても、逃げ切れず、鬼に、とっ捕まえられてしまい、人質にとられ、そして、殴ったり、蹴ったりと、暴力を振るわれることは、目に見えていました。なにせ、父のいない留守を狙って、やって来た計画的犯行ですから。鬼は、私の家に、ズカズカと入り込んできました。そして、食事を出せ、と、命じました。しかし、私は、それを、鬼から逃げる、チャンスだと思いました。そこで、食事を出し、寝るよう、仕向けました。幸い、父の、常用の、睡眠薬がありましたから、いっぱい、食事の中に入れておきました。幸い、鬼は、眠り出しました。鬼が、起きないうちに、桃太郎さんの、家に、辿りつけるかどうか、本当に、怖かったでした。鬼が、起きて、私を、追っかけてきて、捕まえられないか、と不安で、不安で、仕方ありませんでした」

そう、洋子は、言いました。

「洋子さん。あんまりです。私たちは、そんなことは、全く、考えていません」

ラムは、涙をポロポロ流しながら、言いました。

桃太郎は、ラムを蹴とばしました。

「お前たちは、根っからの悪鬼だな。無断で、脱走して、民家に押し入って、こんな幼い子を人質にとる、押し入り強盗なんて。徹底的に、折檻して、お前たちの、根性を叩き直してやるから、覚悟しろ」

桃太郎は、厳しい口調で言いました。

「さあ。立て」

そう言って、桃太郎は、ラムと、ロム、を蹴とばしました。

ラムは、憔悴した表情で、立ち上がりました。

「お姉ちゃん。こわいよう。こわいよう」

ロムも、泣きながら、姉の、服の裾をつかみながら、立ち上がりました。

桃太郎は、縄で、ラムと、ロムを、後ろ手に縛りました。

「さあ。家に帰るんだ」

桃太郎は、洋子の家を出ました。

そして縄尻を握りながら、ラムとロムを、蹴りながら、家に向かいました。

ラムは、ガックリと、項垂れて、桃太郎の前を歩きました。

「おーい。どうしたんじゃ」

帰途の道中で、村人の一行が、鬼を連行している、桃太郎と、爺さん、婆さん、に聞きました。

「この鬼どもがな。脱走したんだ。そして、住職が留守なのを、いいことに、住職の、幼い娘を人質にとって、押し入り強盗したんだ」

桃太郎は、村人たちに言いました。

「ほーう。そうか」

「お前たちも、自分の家で、飼っている鬼には、注意しろ。鬼は、根っからの悪人だ。うわべは、おとなしく、見せかけて、とんでもない悪事をたくらんでいるからな」

桃太郎は、言いました。

「そうか。わかった。せいぜい、気をつけるわ」

村人たちは、言いました。

「さあ。とっとと歩け。今日は、お前を、とことん、折檻してくれるわ」

爺さんが、言って、ラムの背中を、ドンと押しました。

「わしらも、ついていっていいかの?」

村人たちが聞きました。

「ああ。いいとも。悪さをしたら、どうなるか。とくと、皆にも、見て欲しいからの」

爺さんが言いました。

「では、行くべ」

村人たちは、ゾロゾロ、爺さんに、ついて行きました。

ようやく、爺さんの家に着きました。

桃太郎は、鬼の姉弟を、ドンと突き飛ばして、家に入れました。

村人たちも、爺さんの家に入りました。

爺さんは、ラムの、後ろ手の、縛め、を、解きました。

「さあ。どう、折檻してやろうか」

爺さんは、ラムの前に、仁王立ち、して、折檻の方法を考えている様子です。

「水責め、火責め、そして、耳そぎ、生爪はがし、などが、いいじゃろ。二人とも、額に、(悪鬼)、の烙印を捺してやるべ」

と、婆さん、が、言いました。

ラムは、その言葉、を、聞いただけで、震えあがりました。

「もうしわけありませんでした。もうしわけありませんでした。もう、二度と、逃げたり致しません」

ラムは、畳に、頭を、こすりつけて、謝りました。

「まず、責め、の、手始め、として、ウグイスの谷渡り、を、やらせたら、いいじゃろ。女子の責め、の、基本じゃからの」

爺さんが言いました。

「おう。それがいい」

「わし。一度、女子の、ウグイスの谷渡り、を、見てみたい、と、思っていたんじゃ」

村人たちは、みな、賛同しました。

しかし、「ウグイスの谷渡り」、と、聞いても、ラムには、何のことだかわかりませんでした。

ラムは、何をされるのか、という恐怖心だけで、頭がいっぱい、でした。

「ウグイスの谷渡り、とは、何ぞな?」

一人、村人で、それを、知らない者がいました。

「お前。知らんのか?」

「ああ」

「じゃあ、見ていろ。面白い見物じゃて」

村人が、ニヤリと、笑いました。

爺さんは、押入れから、麻縄を取り出しました。

それは、ただの縄ではなく、30cmくらいの間隔で、縄が縒られて、等間隔に縄の瘤が、たくさんある、縄でした。

爺さんは、その縄を、床に、一直線に置きました。

そして、爺さんは、縄の片方を、部屋の一方の壁、の留め金に、カッチリと結びつけました。

そして、今度は、反対側の壁へ行き、同様に、留め金に、もう一方の縄を、ひっかけました。

そして、縄を、思い切り引き絞ってから、留め金に、カッチリと結びつけました。

瘤が、たくさんある、縄が、水平に、一直線に、ピンと張りました。

爺さんは、ラムの後ろ手の縄を解きました。

「ラム。裸になりんしゃい」

爺さんが言いました。

「はい」

ラムは、素直な口調で言って、着ている物を脱いで、丸裸になりました。

爺さんは、ラムの、両手を、グイと、つかむと、また、背中に、回し、手首を縛りました。

そして、ラムを立たせました。

「ふふふ。この縄を跨ぎんしゃい」

爺さんが言いました。

ラムは、言われるまま、ピンと張った、縄を、おそるおそる跨ぎました。

「ああっ」

ラムは、悲鳴を上げました。

ピンと張った縄が、ラムの股間に、激しく、食い込んだからです。

村人たちは、いやらしい目つきで、ラムを見ていました。

無理もありません。

鬼は、頭に、二つの、小さな、角が生えている、という点を除けば、体は、人間と全く同じなのですから。

村人たちは、いやらしい視線を、ラムに向けました。

「ふふふ。これで終わりと思ったら、大間違いじゃけん」

そう言って、爺さんは、ラムの、ムッチリした尻を、細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

「さあ。歩きんしゃい」

言われて、ラムは、不安げな表情で、ゆっくりと歩き出しました。

「ああっ」

ラムは、切ない顔で、喘ぎ声を出しました。

歩くことによって、縄が、ラムの、敏感な股間を、意地悪く、擦ったからです。

村人たち、の、視線が、縄が、食い込んでいる、ラムの、股間に、集まりました。

「おおっ。すごい。色っぽいべな」

そう言って、村人たちは、ゴクリと生唾を飲み込みました。

ピンと張った縄が、股間に深く、食い込んでいる姿は、極めて、みじめで、いやらしい姿でした。

「さあ。歩きんしゃい」

爺さんは、命令的な口調で、ラムの、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

言われて、ラムは、爪先立ちで、足をプルプル震わせながら、足を前に進めました。

少しでも、前に進むと、縄が、女の陰部の割れ目を擦りました。

ラムは、

「ああっ」

と、切ない喘ぎ声を出しました。

とうとう、縄の所々に縒られて出来ている、最初の縄の瘤、が近づいてきました。

瘤が、ラムの、恥部に触れました。

ラムの全身が、ピクンと震えました。

ラムは、前に進むのを、ためらってしまって、立ち止まってしまいました。

しかし、それを、爺さんは、許しませんでした。

「さあ。とっとと、歩きんしゃい」

そう言って、爺さんは、ラムの、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

「は、はい」

言われて、ラムは、不安げな表情で、ゆっくりと歩き出しました。

「ああっ」

ラムは、切ない顔で、ひときわ大きな、喘ぎ声を出して、全身をくねらせました。

なぜなら、ただでさえ、ピンと張られて、女の股間に、深く食い込んでいる、縄は、ラムが歩く度に、女の敏感な股間を、意地悪く擦って刺激するのに、縄の瘤は、一際、強く、ラムの敏感な股間を、前から、後ろへと、擦っていくからです。

「ああー」

ラムは、足をモジつかせて、進んでいきました。

「つ、つらいです。も、もう、許して下さい」

ラムは、全身を震わせて、目に涙を浮かべて、訴えました。

「しかし、ムッチリとした尻じゃな」

「乳房も、ぶっくりと膨らんでいて、太腿も、髪も、女子の体、全てが、色っぽい、べな」

「わし。チンポさ。おっ立ってきたわ」

「わしもじゃ」

「わしもじゃ」

そう言いながら、村人たちは、勃起した、マラを、服の上から、扱き出しました。

無理もありません。

鬼は、頭に、二つの、小さな、角が生えている、という点を除けば、体は、人間と全く同じなのです。

「さあ。とっとと、歩きんしゃい」

そう言って、爺さんは、最初の、縄の瘤を、通り過ぎた、ラムの、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

「は、はい」

言われて、ラムは、不安げな表情で、ゆっくりと歩き出しました。

そうして、ラムは、二番目、三番目、の、縄の瘤、を通り過ぎていきました。

縄の瘤、を、通り過ぎる度に、ラムは、

「ああっ」

と、苦しげに、喘ぎ声を出して、体を震わせました。

「おお。若い、美しい女子(おなご)が、みじめに、苦しむ、姿は、美しゅうて、哀愁があって、何とも言えぬ、この世で最高の、光景じゃのう」

「おお。そうじゃな」

「そうじゃ。そうじゃ」

村人たちは、興奮しながら、口々に、そう言いました。

「さあ。とっとと、歩きんしゃい。壁に体が触れるまで歩きんしゃい」

そう言って、爺さんは、ラムの、ムッチリした、尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

「は、はい」

ラムは、縄の瘤を通過する度に、「ああっ」、と、喘ぎ声を出しながら、ゆっくりと歩いていきました。

周りの老人達の、いやらしい視線が、自分の尻や陰部に集まっているのを感じながら。

そして。とうとう、ラムの体は、歩いていた前方の壁に着きました。

ラムは、疲れで、ハアハア、肩で息をしていました。

「ふふ。ようついたの。これで、綱渡りは勘弁してやるけん」

そう言うと、爺さんは、ラムの後ろの壁の、留め金に、結んであった、縄を解きました。

ピンと、張っていた、仕置きの縄が、一気に緩み、床に落ちました。

「あ、ありがとうございます。おじいさん」

そう言うや、ラムは、恥ずかしさ、と、疲れで、クナクナと、後ろ手の丸裸のまま、床に座り込もうとしました。

「ふふふ。これで、終わりと思ったら、大間違いじゃけん」

爺さんは意味ありげな口調で言いました。

「座っては、ダメじゃ。立ったままで、いんしゃい」

そう言って、爺さんは、ラムの、ムッチリした尻を細い竹の棒で、ピシャリと叩きました。

言われて、ラムは、丸裸を見られる、恥ずかしさに、耐えながら、また、立ち上がりました。

爺さんは、ラムが進んでいって、到達した前方の壁の留め金に結んである縄も解きました。

ラムをいじめていた、瘤のある縄は、張力を失って、床の上に一直線に置かれました。

「おい。田吾作。銀次。ちょっと、こっちへ来い」

爺さんは、二人の老人を見て言いました。

言われた二人の老人は、「ほいきた」、と、ホクホクした顔で立ち上がりました。

「田吾作。お前は、女子の前に立て」

言われて、田吾作は、ラムの前に立ちました。

「銀次。お前は、女子の後ろに立て」

言われて、銀次は、ラムの後ろに立ちました。

ラムを挟むように、ラムの、前と後ろに、二人の老人が、立ちました。

「おい。田吾作。銀次。床にある縄をつかめ」

爺さんが言いました。

「おう。わかった」

田吾作と銀次の二人は、床にある縄をつかみました。

「な、何をするんですか?」

ラムは、脅えた顔で爺さんを見ました。

だが、爺さんは、ラムの質問に答えません。

「田吾作。銀次。二人で、思い切り、縄を引っ張るんじゃ」

爺さんが大きな声で言いました。

「おう。わかったけん」

田吾作と銀次は、爺さんの、意を解しました。

二人ともニヤリと笑いました。

ラムも、爺さんの意図が、わかって、顔が、真っ青になりました。

「や、やめてー」

ラムは、叫びましだか、田吾作と、銀次の二人は、やめません。

二人は、互いに、縄を自分の方に、強く引っ張りました。

縄は、また、ラムの、股間に食い込みました。

「よし。田吾作。銀次。二人で、縄を引きあうんじゃ」

爺さんが言いました。

「おい。銀次。縄の綱引きじゃ。わしが、引く時は、お前は、力を緩めろ。その次は、お前が引け。わしは、力を緩めるけん」

田吾作は、ラムの、後ろで、縄を握っている、銀次に言いました。

「おう。わかったけん」

そう言って、銀次は、ニヤリと笑いました。

二人は、縄の綱引きを始めました。

田吾作が、「えいさっ」、と、掛け声をかけて、縄を引っ張ると、次には、ラムの、後ろの、銀次が、「ほいさっ」、と、掛け声をかけて、縄を引っ張りました。

二人は、大鋸を使って、巨木を切る木こりのように、代わりばんこに、縄を引っ張りあいました。

ラムは、

「ああー。やめてー」

と、叫び声を出しました。

無理もありません。

二人が、縄を引っ張る度に、ラムの、股間は、激しく縄に擦られるからです。

しかも、縄の瘤、が、歩いていた時とは、比べものにならないほど、速い頻度で、ラムの、敏感な股間を、擦っていきました。

「ああー。やめてー」

ラムは、髪を振り乱して、許しを乞いました。

「ふふふ。この責めは、何とも、面白いの」

田吾作が、ほくそ笑みながら言いました。

「おおー。めんこい女子が、こんなふうに、いじめられる姿は、最高じゃのう」

「ほんま。そうやな」

村人たちが達が言いました。

二人は、20分くらい、縄の綱引きをしました。

「お願いです。もう許して下さい」

ラムは、激しく身悶えしながら、訴えました。

「そうか。女子の、一番、大切な所が、傷ついては、可哀想じゃからな。このくらいで、やめてやるとするか」

爺さんは、そう言って、田吾作と銀次に向かって、

「おーい。もう、そろそろ、今回の折檻は終わりじゃ」

と、声を掛けました。

「おう。わかったぞな」

そう言って、二人は、縄の綱引きを、やめました。

二人が、引っ張っていた縄を緩めると、ラムは、クナクナと座り込みました。

ラムは、座ることは出来たものの、後ろ手に縛られています。

なので、丸見えの、乳房も、大きな尻も隠すことが出来ません。

「よし。このくらいで、許してやるべか」

そう言って、爺さんは、ラムの、後ろ手の縄を解きました。

「おう。今日の折檻は、これで終わりじゃ。もう、夜も遅いじゃて。家に帰りんしゃい」

爺さんが言いました。

言われて、村人たちは、

「おう。わかったぞな」

と言って、立ち上がりました。

村人たちは、「あー。面白い見物じゃった」、と言いながら、桃太郎の家から出て行きました。

ラムは、自由になりましたが、激しい、疲れから、床に倒れ伏したまま、身動き出来ませんでした。

「お姉ちゃん。大丈夫?」

弟のロムが、急いで、ラムの、所に駆けつけました。

「ええ。大丈夫よ」

そう言って、ラムは、かろうじて立ち上がって、着物を着ました。

その晩、ラムと、ロムは、ガッシリと抱き合って、眠りました。

ラムは、あまりにも、疲れていたので、その晩は、弟に、子守唄を歌ってやる気力もありませんでした。

翌日からも、ラムは、時々、昼間の農作業が終わると、夜は、村人たちの、酒の肴に、折檻と称して、淫靡な責め、を受けるようになりました。

ある晩のことです。

その日も、折檻、と称して、ラムは、いたぶられていました。

ラムは、丸裸にされ、後ろ手に縛られ、その縄尻は、天井の梁に、つながれて、吊るされていました。

その周りを、村人たちが、酒を飲みながら、取り囲んでいました。

村は、過疎地なので、若者は、みな、都会に出て行き、村は、老人しか、いませんでした。

村人たちは、酒を飲みながら、裸のラムをいやらしい目つきで、眺めています。

老人たちは、時々、ラムの尻や胸を揉んだり、股間を触ったり、と、好き勝手なことをしていました。

意地の悪い者は、ラムの、陰毛を一本だけ、つまんで、ブチっ、と、引き抜いたり、吸っている、タバコの先を、ラムの尻に、サッと、おしつけたりしていました。

その度に、ラムは、

「ひいー」

と、体をくねらせて、叫び声を上げました。

村人たちは、そんなラムを見て、「ふふふ」、と、笑い合いました。

桃太郎は、寝転がって、ラムの折檻を、眺めていましたが、ついと、立ち上がり、

ラムの前に来ました。

そして、ラムを、吊っている、縄を、外しました。

ラムは、後ろ手に縛られた、丸裸のまま、床に仰向けに、寝かされました。

桃太郎は、ズボンを脱ぐと、ラムの胸を荒々しく揉みました。

桃太郎のマラは、激しく怒張しています。

桃太郎は、ハアハアと、息を荒くしながら、激しく怒張した、マラを、ラムの股間の割れ目に、挿入しました。

桃太郎は、腰を激しく揺すりました。

桃太郎は、だんだん、ハアハアと、息が荒くなっていきました。

そして、

「ああー。出るー」

と、叫んで、ラムの体内に、大量の、精液を放出しました。

村人たちは、

「桃太郎さん。あんたは、いいな。若いから、立って。わしらは、もう、立たんよ」

と、残念そうに、言いました。

桃太郎は、ラムから、離れました。

ぐったりして、床の上に寝ている、ラムを、村人たちは、今度は、蝋燭を垂らし始めました。

ポタポタと、熱い蝋が、ラムの体に、滴り落ちました。

「ああー。熱いー。熱いー」

と、ラムは、泣き叫びました。

その時。

それぞれの、家で、飼われている、鬼たちが、一斉に、桃太郎の家に、やって来ました。

「人間さま。どうか、ラムさま、を、いじめないで下さい」

鬼たちは、泣きながら、訴えました。

無理もありません。

ラムは、鬼たちが、敬愛し、崇拝する、鬼たちの女王さま、なのですから。

村人たちは、

「やっ。お前たち。家を勝手に出ては、いけない、という規則をやぶったな」

と、怒りました。

「とっとと、家にもどれ」

と言って、村人たちは、鬼たちを、怒鳴りつけました。

しかし、鬼たちは、再度、

「人間さま。どうか、ラムさま、を、いじめないで下さい。ラムさまは、私たちの崇拝する女王さま、なのです」

と、泣きながら、訴えました。

爺さんは、ギロリと、女の鬼たちを、にらみつけました。

「仕方がないな。お前たち。自分の家で、飼っている、鬼どもを、家に連れて行け。そして、家から出られないよう、縄で、柱に、くくりつけてこい」

と、爺さん、は、言いました。

「おう。わかった」

そう言って、村人たちは、自分の家で飼っている、鬼たちを、家に、連れ戻しました。

ロムに対する、村の子供たちの、いじめ、も、ひどくなりました。

ある日。

ロムは、川に落とされて、滝から落ちて、死んでしまいました。

ラムは、泣いて悲しみました。

あまりの、ショックに、ラムは、呆然自失しました。

ラムは、きつい農作業と、弟の死のショックから、体が衰弱していき、そして肺炎にかかって、死んでしまいました。

女の鬼たちは、みな、

「もう。ラム様のいない、この世に、未練はない」

と言って、次々と入水して、死んでいきました。

そして、鬼たちは、全員、死にました。

こうして、鬼は全滅しました。

こうして、鬼は桃太郎によって、退治されました。

桃太郎は、人間をおびやかす悪い鬼を退治したということで、国民栄誉賞を受賞しました。


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桃太郎 浅野浩二 @daitou8

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