消された名探偵 東田原宗忠

マチュピチュ 剣之助

プロローグ

 皆は名探偵と聞いて誰を思い浮かべるだろうか。シャーロックホームズ、ポワロ、コロンボ・・・。日本の名探偵であれば、金田一耕助、明智小五郎、あるいはコナンを思い浮かべる人もいるかもしれない。ところで、今でも知られている名探偵をはるかに上回る名探偵が戦国時代にいたことをご存じだろうか。その名探偵の名を東田原ひがしだはら宗忠むねただと言う。


 東田原は混乱を極めた戦国時代においてひときわ有名な存在であり、百姓から武将、さらには朝廷にまで名前を知られていた。事件など日常茶飯事であった戦国時代の中において、特に奇妙な事件はすべて東田原の手によって解決されていたのである。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの武将らの大活躍は、実は東田原無しにはあり得なかったと考えられている。この小説では、そのような名探偵東田原が解決してきた事件の詳細を記していく。


 さて、ここで一つの大きな疑問が残る。なぜ、現代の人々は誰も東田原のことを知らないのだろうか。それほどまでに有名な人物であれば、歴史の授業に出てきてもおかしくないし、歴史を扱うドラマでも大きく取り上げられておかしくないはずである。それどころか、東田原の名前をインターネットで調べてもまったく情報が出てこない。東田原について記された書物が一切残っていないのだ。なぜ、東田原宗忠という名前は歴史から完全に抹消されてしまったのだろうか。その秘密についても、東田原の功績を見ていくことで紐解いていくことができるかもしれない・・・。

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消された名探偵 東田原宗忠 マチュピチュ 剣之助 @kiio_askym

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