番外編 激震編を振り返りながらのキャラクター紹介 1

[1・ご挨拶]

 いつも『月の夜 雨の朝 新選組藤堂平助恋物語』を読んでいただきありがとうございます。

読んでくださるだけでなくご感想やレビューまでたくさんいただけとてもうれしく励みになります。


 1864年12月から1865年2月までを描いた《激震編》

平助が砲術免許を得て江戸から戻るところで完結いたしました。平助が京へ戻ったところより新しい章がスタートします。

引き続き平助の人生を見守っていただけましたらありがたいです。


 1863年2月に『試衛館の仲間』として浪士組に参加した平助。

土方に背中を押され希望に満ちて上洛した日より2年の月日が流れました。


誇らしい気持ちで巡察の任務を開始した日、初めて人を斬った日、最愛の女性と出逢った日……

この2年は平助が新選組隊士として、人として、の生き方を追い求め続けた月日です。


読んでくださる方に平助が少しでも成長した点があったと感じていただけたなら平助もうれしく思うでしょう。

もし、何も成長した点が無いと感じられたら……

1865年の平助はまだ21歳です。

まだ己が何者か、何を目指しているのか迷い続ける平助を暖かく見守っていただければ幸いです。


平助はこのあとも自分に誇れる生き方を模索していくことになります。

その途中で腐ったり変わってしまうこともあるかもしれません。


それでも井上源三郎が平助に「何があっても平助は平助」と言葉をかけたように平助の本来の優しい性格は変わることが無いのだろうなと思います。



 そして2023年は奇しくも新選組結成160年周年記念の年に当たります……

感慨深い想いでいっぱいです。

これからもずっと新選組や平助のことが好きでいると思います。




[2・キャラクター紹介しながらの振り返り]


前回、実在の人物をモデルにしたのか全くのオリジナルキャラか知りたいというお声がありましたので

今回も★実在モデルあり★ ☆オリジナルキャラ☆となります。

キャラクターを紹介しつつ激震編を振り返ります。



★藤堂平助・北辰一刀流・伊東道場出身★


※新選組八番隊を率いる。新選組では斎藤と並ぶ最年少幹部。

二度目の江戸行で砲術免許を取得する。

今後の新選組の砲術調練で中心的役割を担っていく存在となるべく決意も新たに京へ帰ったのだったが……


※新選組が風通しの良い組織に変革することを期待して尊敬する師、伊東甲子太郎の入隊を成立させるが、平助の思惑とは大きく異なっていく。

隊内の権力争いは次第に激化して、平助が兄のように慕う先輩、山南敬助は試衛館時代からの付き合いの近藤勇たちと距離を取り伊東側へついてしまう。


※平助の端正な顔立ちは京の町では有名。会津藩以外の藩にも平助の容貌はご落胤説と合わせて噂されるほどであるが江戸に来る前は心労のため顔を曇らすことが多かった。


※島原の遊女、名都との恋を実らせ幸せな時を過ごすも名都の兄、三浦の猛反対と平助自身が新選組の過酷な仕事を名都に知られたくない思いに悩み苦しむ。

ついに名都への恋心をあきらめることを決心した。

それと同時に一度は別れた祇園の芸妓、君尾と縒りを戻す……



★伊東甲子太郎・北辰一刀流・伊東派のトップ★


※伊東道場の婿養子でもあり、道場の主でもある。

かつての弟子、平助に乞われて門弟を引き連れて新選組へ入隊する。


※入隊早々より山南と同格、あるいはそれ以上の参謀という破格の待遇で迎えられる。


※容姿端麗、笑顔も爽やかで人当たりも良い。それでいて新選組内でもトップの頭の良さで話も上手い。

土方とは違うタイプのカリスマ性を発揮し幹部はもとより平隊士たちにも伊東信者を着々と増やし、近藤や土方を脅かす存在となった。

試衛館派の結束を崩すための切り札の一つとして平助を自分たちの側に取り込もうとしている。


※島原の花香太夫がお気に入り。



★山南敬助・北辰一刀流・試衛館派⇒伊東派★


※温厚な人柄で隊士達にも人気がある。一方で間違っていると思うことには正義感を発して熱くなる。

そのせいでいつからか隊の運営について土方と意見を戦わせることが多くなった。

西本願寺屯所移転計画では伊東と意を同じくし土方と激しく対立する。

それが原因で土方とは全く口をきかない犬猿の仲となってしまったことを仕方がないと思う気持ちと寂しいと思う気持ちを抱えている。


※伊東と土方の板挟みで悩む平助のことを心配し気遣っているが、自分自身も土方との関係で悩んでいるので島原の天神(花魁の位のひとつ)明里と過ごす時間に心慰められている。


篠原泰之進しのはらたいのしん・北辰一刀流・伊東派★


※作品中では加納と同じ年齢(史実では平助よりかなり年上)

諸士調役兼監察方と柔術師範を兼任する。


※伊東に傾倒しているため、伊東が平助をかわいがって重用しているのが腹立たしい。

いつもまず自分に一番に声掛けをしてほしいと思っている。

そのため事あるごとに平助にきつい物言いをしている。

伊東道場出身者の中では中心的存在のため、No.2を自負している。



加納道之助かのうみちのすけ・北辰一刀流・伊東派★


※平助より5歳くらい上(永倉と同じくらい)

新しい章が始まるころに伍長へ昇任予定である。


※篠原と親しくいつも一緒に行動している。二人そろって平助には嫌味なため平助にとって困った先輩たちである。

ただし、とにかく平助へはきつい篠原と違い近藤が君尾に横恋慕していることなどを平助へ教えてやる親切?なところもある。(まじめな平助が困惑する様子を楽しんでいるだけかもしれない)


※「藤堂ちゃん」「沖田ちゃん」などと呼び、年下とみると馴れ馴れしく接しがちだが斎藤のことは実は苦手。


※篠原に合わせて伊東先生に平助の悪口を言いつけている。実は平助のことが好き。そのため昔のこともしつこく覚えていてそれすら悪口のネタにするという好きな子をいじめる小学生みたいなところがある。



服部武雄はっとりたけお・流派不明・伊東派★


※猛者ぞろいの新選組内でもその腕は沖田、永倉と匹敵すると言われる。二刀流の達人。


※平助より一回り年上。腕を見込まれて撃剣師範を務めながら諸士調役監察方兼任。


※いつも伊東道場出身者と固まっているが自ら進んで話をすることはあまりない。

平助が伊東先生や篠原たちに気を使いすぎていると思った時にたまに助け舟を出してくれる。



毛内有之助もうないありのすけ・流派不明・伊東派★


※伊東の親類の子供の家庭教師をした縁で伊東道場へ出入りするようになる。

学問はもちろん弓の名手でもある。


※平助より10歳くらい上。文学師範を務めるほど教養深い、そのため山南敬助と気が合うようである。

平助にも優しい先輩。



鈴木三樹三郎すずきみきさぶろう・神道無念流・伊東派★


※伊東の実弟で容姿は兄と似て端正な顔立ちだが素行はすこぶる悪い。

三木 三郎などと名乗ったりすることもある。平助より7歳くらい上。


※伊東の実弟であるためか入隊早々九番隊長に任命されるが巡察や稽古などことごとく嫌いでさぼりがち。そのため同じ流派の永倉から剣術の指南を受けてぼこぼこにされるので、兄が手を焼く土方より、むしろ永倉の方を嫌っている。



阿部十郎あべじゅうろう・流派不明・伊東派★


※三樹三郎と同じ年齢。


※伍長だが砲術免許取得後、砲術師範へ。調練では師範として平助と共に中心となっていく。


※鳥撃ちが趣味で非番になると山へ鳥を撃ちに行く。銃の腕は確かである。

もとは芹沢がいたころに入隊したが芹沢が暗殺された後、土方に睨まれる前にうまく離隊する。

その後は薩摩藩士たちと親しくなり中村半次郎と交流するなど社交性に優れている。


※水戸学に熱心なため伊東の噂を聞いて感化される。七番隊長の谷三十郎の弟、万太郎の口利きで新選組へ再入隊することになる。中村半次郎との付き合いなどを平助に心配されることも……


※とにかく土方のことが昔も今も嫌い。鳥撃ちの鳥のことを全て土方だと思って撃っているくらい土方が嫌い。


※めんどくさいタイプ(飲むと絡んだり厄介な議論をふっかけたりするタイプ)⇒追加しました!

(淀川 大様ありがとうございます)


富山弥兵衛とみやまやへえ・流派不明・元薩摩藩士・伊東派★


※平助より1歳年上。

薩摩藩士時代に人を斬り殺してしまい藩を放逐された。中村半次郎と親しい阿部の紹介で新選組へ入隊できた。

間者の可能性を疑う近藤、土方を伊東がとりなしてくれたこともあり伊東を恩人と慕い、尊敬するようになる。


※薩摩の言葉を隊内でからかわれることも多い。平助も富山の言葉を理解できない時は爽やかに微笑んでごまかしている。


※大砲組から伍長昇任。砲術には長けている。免許取得後は砲術調練で平助も頼りにする存在となる。



★土方歳三・天然理心流・試衛館派の実質トップ★


※新選組を幕府の最強組織にするという夢がある。そのためには手段を選ばない。

禁門の変(蛤御門の変)で長州の残党を匿った西本願寺に圧力をかけるために屯所にする作戦をほぼ独断で強行した。

それがきっかけで試衛館時代からの同志、山南敬助との仲は修復不能に陥る。


※幕府最強にこだわるあまり尊王の志がまるで無い不敬な人間のように伊東や山南の目には映る。


※平助が招いた伊東のように愛想も良くにこやかで学をひけらかすタイプが一番嫌いな人種で対立も辞さない。ついでに伊東へすり寄る近藤にもいら立っている。


※江戸にいたころからかわいがっていた(本人はそのつもり)はずの平助が伊東の意志にひたすら忠実であろうとする姿を見て、派閥争いに利用されることを案じているがそれを言葉にするといつも平助を傷つける逆効果しか生まない。



★沖田総司・天然理心流・試衛館派★

※平助は日頃から「伊東先生だけでなく近藤先生も土方さんも尊敬している」と自分に言い聞かせるように繰り返すが沖田の場合、近藤土方への想いは平助の比ではない。

池田屋事件以後すっかり調子づいた近藤を『困った先生』だなとは思うが、かわいくも感じている。

近藤を皆が馬鹿にしているのが気に入らない。


※不器用な土方のことを山南や平助が誤解してしまい離れていくような気がしている。山南のことも好きでいる沖田は心を痛めている。

咳が出ると止まらなくなるほど体調が悪いのに隊務を続けようとするのも近藤や土方が心配なせいもある。



★永倉新八・神道無念流・試衛館派★


※新選組内では沖田とNo1の座を競うほどの実力を持つ。


※芹沢時代から今に続く新選組権力争いを少し引いた目線で見ている。

新選組という同志達の代表であったはずの近藤がいつのまにか自分たち隊士を家臣のように扱うことに疑問を感じ会津藩に訴え出ることも胸中をよぎる。


※島原の芸妓、小常に惚れこんでいる。

同じ島原で働いていた平助の前恋人、名都のことも良く知っているので二人の恋を応援していたが別れを選んだ平助の気持ちを尊重している。

本人の意思とは関係なく伊東寄りになってしまっている平助のことを心配もしている



★近藤勇・天然理心流・試衛館派★


※江戸にいたころは面倒見の良い兄貴肌なところあったが、おだてにのせられやすく京で次々夢が叶ったことで気が大きくなりすぎた。

そんな気持ちからついつい隊士達を家臣のように勘違いしてしまう言動が目立つようになる。


※伊東の入隊を始めはとても喜んで「伊東先生、伊東先生」と懐いて持ち上げていた。

ふと気づくと隊の人気は伊東が独占してしまい自分が蚊帳の外に置かれた気持ちになってしまう。


※隊内の派閥争いのストレスのせいか女遊びにはまっていく。時には隊の経費で芸妓を身請けさせたり、

大石が取り調べのために連行してきた君尾に一目ぼれしてしまい、平助の恋人と知りながら気持ちを抑えることができず一夜を共にしようと画策する。


※土方や永倉が自分を批判しているような気がして最近では疎ましく思うこともある。



★原田左之助・種田流・試衛館派★


※永倉の親友、槍の名手で豪快で気のいい男だが新選組内でも一、二を争う短気でもある。


※花街の女性と恋をする隊士達が多い中で行きつけの居酒屋の娘、おまさに惚れて所帯を持つ。

平助が連れていた長州の残党の子、松太郎のこともかわいがるなど子供好き。


※隊内の政治思想的な派閥争いには関心が無く、有り余る体力を有効に使える巡察が大好き、おまさが大好き、食べることが大好き、永倉や平助が大好きでずっと楽しく過ごしていければそれでよいと思っている。


※平助がいつも憂い顔でいることにも無頓着な様子に、永倉があきれるが実は平助のことを心配している。



★井上源三郎・天然理心流・試衛館派★


※巡察前の緊張した隊士達の心も軽くする温厚な人柄は皆に好かれる。


※山南と土方の不仲に心を痛める沖田や伊東と試衛館派の板挟みで悩む平助のことを思いやっている。



★斎藤一・無外流・試衛館派★


※平助と同じ最年少幹部。


※人は人、自分は自分と、淡々と任務をこなすため土方の絶大な信頼を得ている。

土方にとっては沖田や平助のように心配することが無い安心できる部下であり仲間。


※剣はたくさんの流派を渡り歩いた。実力は沖田、永倉に遜色無く、平助を含め新選組四天王と称される。


※斎藤にとって平助は数少ない友人ではあるが屯所内で出会っても気が向かなければ通り過ぎるだけで殊更挨拶もしない。

それでも平助が悩んでいる時は声をかける優しさがある。

伊東入隊以来、平助が伊東に付き従う様子に自分とは違う道を歩むのだなと感じ残念に思っている。


☆名都☆


※島原の遊女であったが新選組隊士の兄、三浦のがんばりで年季が明け自由の身となった。


※上洛したばかりの平助と偶然出逢い、恋に落ちる。

新選組の仕事を隠そうとする平助に距離を感じ悩んだことも……

そして平助との楽しかった想い出を胸に名都は、平助が一人で決めてしまった別れを受け入れた。


※遊女でなくなったことでこれからどう生きるかを模索中。兄の紹介で高台寺の塔頭寺院、月真院に身を寄せる。


※兄に「飴細工の狸に似ている」とからかわれるが、飴細工が好きだった平助の幸せを願う。


★君尾★


※京の町で魁先生という勇名を馳せる平助が自分のことを「猫」という愛称で呼んでくれることについてかわいいと思っている。


※祇園一の美貌を誇るが芸も一流。芸妓としての矜持に平助は恋とはまた別の想い、尊敬や触発と言った物を感じる。


※名都を忘れられない平助と一度は別れるが長州に便宜を図った疑いをかけられたことで平助と再会、よりを戻す。

その際、名都を深く傷つけたことは君尾の心にも傷を残す。その傷を癒せる相手は平助しかいないと、どこまでも平助について行くと決める。


※横恋慕した近藤に一夜の相手を望まれるが、平助を強く想い近藤と対峙する気の強さを持つ。

反面、江戸にいるため平助が側にいてくれないことに涙を流す弱さもある。


☆三浦、兄☆


※名都の兄、新選組八番隊士。


※たった一人の妹が花街で働く原因を作った自分を責め、新選組の給金も使わず借金の返済のために危険な任務にもいどむ。

借金を完済するが新選組を辞めない兄を心配する妹の気持ちは理解するも新選組に留まる。

名都を公家の下働きへつかせたいと思っている。


★小常・おまさ★


※永倉と原田の恋人。

原田とおまさ⇒まもなく祝言を控えている。

そんな原田を見て永倉も小常との将来について考え始める。


※おまさは小常を姉のように慕っている。

そんなおまさを小常もかわいがっているが

二人とも名都と仲が良いため平助と名都の破局に心を痛めている。

それぞれの恋人と一緒に芋煮会をしたあの日は名都ばかりでなく小常やおまさにとっても楽しい思い出である。









































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