実直に育った令嬢が転機を経て淑女たる自己に目覚めていく様が描かれています。ただ憧れていた人々との突然の触れ合いの中で育んできた素養を発揮する女の子は、儚げではあっても確かな芯を感じさせます。アーサー王伝説を下地とした王宮と策謀の背景が物語に厚みを与えてはいますが、その片隅にいたはずの一人の女性の物語として仕上がっています。
アーサー王伝説を下地に、ガウェインと彼に恋する主人公を描いたラブストーリー。アーサー王伝説自体、トリスタンやランスロットの恋話があって、愛がテーマの話としても面白いんだよね。義務、責任、身分、名誉……そういったしがらみが恋模様を複雑にする。中世ものが好きな方にぜひ。
騎士に一途にも想いを寄せる少女、少しずつその少女に恋をしていく騎士。互いに恋心抱く少女と騎士は、それぞれ何を思い、何に葛藤するのか……圧倒的優れた心理描写が、二人の心の中を美しく描き出す。切なくも儚い物語、優しい気持ちになりたいという方にオススメしたい一作!
とある少女と騎士の恋愛を描いた、心がほっこりするお話。果たして誰が登場するのかは、実際に読んで確かめてみてください! ところどころに散りばめられた、アーサー王サイクル要素も必見です。