あとがき・2期「あなたの隣にいるために」
『花よめ物語』をご拝読いただき、大変ありがとうございました。
一話一話が長いので読むのが大変だったと思います。
毎話コメントをくださったpoiiさま、紹介を書いてくださった中田さま、本当に有難うございました!
おかげさまで観覧数が増えましたので、お礼に今さら「あとがき・2期予告」を載せました。近況ノートにお礼イラストも載せています。
最後の一文を『少女たち』としたのは、主人公だけでなくギネヴィアをはじめ大勢のキャラが浮かんでいたからです。
完結させた8作目の連載です。今回の主人公は『気が弱く臆病』な女の子…。そんな女の子が、理想の騎士であるガウェインとどう恋に落ちるのか? 二人が惹かれていく過程には内面描写が欠かせませんでした。
それゆえ、「ガウェインはこんなキャラじゃない!」という意見があって当然です。ですが、この二人だからこそ物語が展開したと思います。
小さな絶望や不安を積み重ねながら、抗っていく過程で人は“大人”に成長すると私は思います。障害になるのは、家族だったり、好きな人だったり、自分だったり……。
成長するのは主人公だけではありません。ガウェインも自分をみつめなおし、ギネヴィアも自分の恋に終止符を打ちます(これは番外で)。
皆さんはどうでしょう?
私なんてまだ大人になりきってないですが笑。
そして物語の最後まで不安を抱えている主人公ですが、逆に言えば、まだまだ成長する可能性を秘めています。
個人サイトでは2期の第9話を書いています(あと1話で完結する…頑張ろう)。あまり良い出来ではないのでこちらには公開しませんが、もしご興味があればTwitterにてご連絡くださいませ。
そんなこんなで、『花よめ物語』1期は終幕です。『花よめ』を楽しんでくださった皆さん、本当に有難うございました。感想が貰えたらすごく嬉しいです。
ぜひまた、次回作で会いましょう!
↓2期予告のみ
『あなたの隣にいるために』
太陽の日差しが強く、草が地面に濃い影を落としている。夏の気配を感じる暑い日だった。ガウェインの館から街道に伸びる道をアネットは遠い目で見つめていた。
「レディは私に望むことはありますか?」
「………」
ガウェインからの質問にアネットは少し考える表情をして、旅人が去っていく方向を見つめた。道はキャメロットに続いている。安全なガウェインの領地の外にある、王都に。
「──キャメロットに行ってみたいです。サー・ガウェインの隣に並んでも恥ずかしくない女性になって、貴方様の支えになりたい……」
最後は消えてしまいそうな声だった。自分には大きすぎる望みだと思っているのだろうか。
ガウェインはまずアネットがそんな望みを持っていることに驚いた。そして、彼女を守るためにずっと領地で過ごしてもらおうと思っていた自分を恥じた。
──私のレディなら、きっと。
か細いアネットの肩に手を伸ばして抱き寄せた。
「わかりました。マイ・レディのお望みのままに」
彼女の目の高さにかがむと、そっと口づけを交わした。
<おわり>
花よめ物語 小柴 @koshiba0121
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