Book Ⅱ 春の窓

BookⅠのあらすじと登場人物

※第一部のネタバレをふくみますので、ご注意ください。


■あらすじ

薬草医スーリは辺境の山奥で開業したばかりの薬草医。しかし、ミステリアスな容貌からか「森の白魔女」と呼ばれ、魔法を頼みにやってくる村人たちにうんざりしていた。

辺境で知り合ったジェイデン王子とは、たがいに秘密を隠しもつあいだがらだったが、領主フィリップが王子を殺そうとした一件を期に仲が進展した。スーリのかつての名は<軍団レギオン>の魔女。死者を使役しえきし石に憑依ひょういさせて軍団となす最強の魔女だった。


■主要人物


スーリ

:辺境の森で開業したばかりの薬草医。白に近い金髪と薄墨色の瞳、年齢は二十歳はたち前後。内向的でひきこもりがちな性格。

 隣国サロワの出身で、ふたごの弟がそちらにいる。こちらには亡命者としてやってきたようだ。

 <軍団レギオン>の魔女と呼ばれることもある。

 甘いものには目がない。動物好きだが、能力の特性上、嫌われがちなのが悩み。


ジェイデン

:フィリップの領地に滞在している、国の第三王子。灰色がかったダークブロンドと茶色の瞳の美男子。社交的で他人と打ちとけやすい性格。年齢は二十歳はたち。 

 狩りに社交に恋愛に祭にと、無限の体力を生かして縦横無尽に活動する。アウトドア好きで料理は得意なほう。足がとても速い。


オスカー

:フィリップの次男でジェイデンの親友。金髪、金茶の瞳で筋肉質な体格。兵士や巡察隊のまとめ役もこなす。女性には意外と奥手だとか。年齢は二十一歳。ジェイデンとよく競争していたため、彼も足はとても速い。


フィリップ伯

:国境付近に領地を持つ貴族で、国境を守る将軍でもある。国王の古くからの友人で、右腕とも言われる。妻と二人の息子がいる。鷹狩りが趣味。


ダンスタン

:スーリが飼っているガチョウ。たまに「サー・ダンスタン」と呼ばれていたり、騎士を思わせる話しぶりをする。人語を話せるが、スーリと二人のときにしか基本的にはしゃべらない。特技は高速つつき、好物はカブとオレンジ。


■Book1の各話ゲストキャラ


バーバヤガ(1話・5話)

:辺境の村に住む魔女。若い娘の姿でスーリに依頼しに来たが、のちに老婆の姿で魔法を使った。おもな使用魔法は幻覚にかんするものだが、火や水を使う生活魔法や、『目』と呼ばれる諜報術も使うようだ。本名はオリガ。美男子と光り物には目がない。


クルム(2話)

:フィリップの城につとめる従僕。身辺で失せものが続き、憔悴しょうすいしていた。落ち着かないときには編み物をする癖がある。


ロザムンデ(3話)

:スーリの近所で開業した治療師。『ロザムンデ@高次元へのアセンションを手助けする大地ガイア治療師ヒーラー』なる長い肩書を名乗っている。本来は魔女。オルフェアの影に隠れがちだが、わりとキャラは濃いほう。


オルフェア(3話)

:〈ヒーラーズ・ネットワーク〉の中堅幹部。魔女たちから会員をつのり、レシピと呼ばれる魔法や術具、ふつうの鍋などを会員に販売させて利益を得ていた。術具制作のほか、他者の心に干渉する魔法が使えるが、本編ではおどしのみで出番がなかった。地元のワインが好きで、飼い猫に話しかけながら晩酌している。


ダグ(3話)

:チーズ転がし祭のイサック村代表で、酪農家の跡継ぎ息子。優勝候補だったが、惜しくもジェイデンに負け、友情がめばえたらしい。チーズの品評コンテストでも優勝の常連。彼女募集中。


ヨハンナ(4話)

:従騎士に恋する村娘。城で臨時の洗濯人として働いている。彼にリンゴのタルトを焼いてあげるのが夢。



メル(間章)

:スーリの家からいちばん近い、トムリン集落に住む少年。食料品の買い出しをしたり、患者に薬を届けたりと、使い走りの仕事を受けてくれている。ぼさぼさの茶髪に、緑がかったハシバミの瞳。十三歳とは思えない体格。スーリに字を習っている。


ノブ(間章)

:イサック村で粉ひきの仕事をしている青年。スーリの家に小麦粉を届けてくれる。とても背が高く、心優しい巨人のような風貌。十七歳。


■その他の主要人物


ジョスラン(5話~)

:ジェイデンの兄で、国の王太子。三兄弟のなかでもっとも小柄で、王妃ゆずりの女性的な美貌。絹糸のようなまっすぐな金髪、目は夏空の青。幼少期に病弱だったため、体力づくりと筋トレが趣味。目的もなく意味不明な嘘をつく悪癖がある。


パトリオ(5話)

:ジョスランの家庭教師としてあらわれた男。実際にはスーリ同様サロワからの亡命者で、フィリップが雇った魔女(男性)。契約名は<カニス>。動物好き。


ノクス>(間章~)

:人間や魔法の痕跡こんせきを隠し、あるいは魔法を無効化させる能力がある魔女(男性)。スーリの弟であるサロワの宮廷魔術師の部下。巻き毛の金髪に青い瞳の派手な容貌だが、スーリとおなじくインドアを愛するひきこもりタイプ。能力を使いやすくするため、菜食主義を通している。十九歳。本名はザカリー。


■Book2の主要人物


ルラシュク

:スーリの双子の弟で、サロワの筆頭宮廷魔導士。〈思慮ぶかき光の塔〉常任理事。<サロワのいかづち>、<トニトルスの魔導士>、<四つがけクアドラプルの魔女>などと呼ばれることもある。愛想はいいが金の貸し借りにはきびしい。愛称はルルー。


マルク

:ルラシュクの従者で、本人は弟子のつもり。口が軽いお調子者。


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