第3話

夏越が少しの間学校に来なくなり、来たかと思ったらギャルを辞めて清楚系になっていた。


何かあったことは火を見るより明らかだが、俺には関係ないのでスルー。


それはさておき。新品の畳の匂いを楽しみながら漫画を読む。うん、今日も漫研部は平和だ。


「いくと、そろそろ新刊が発売される日が近づいてきましたね」

「あっ、忘れてた!漫画読んでる場合じゃねぇ!申請書の作成を急いでやらないと!」


申請書が受理されるまでだいたい一週間前後。明日までに提出しなければ新刊が発売したその日に読めない事態に陥る。


「私も手伝いますよ」

「いや、大丈夫。これは部長の仕事だからな!なんとしても終わらせてみせる!」


俺は棚から部専用のパソコンを出し、机の上に置いてパソコンを起動。カタカタとキーボードを叩き、黙々と申請書を作成している時だった。


「いくと、休憩しましょう」

「まだ始めたばかりなんだけど」

「いいじゃないですか。サボりましょう」

「今はサボっちゃいけない状況なんですが」

「私、いくとと漫画読みたいです」


…。

……。

………。


「少しだけだぞ」

「やった!」


俺は小鳥遊の隣に腰を下ろして漫画を開く。


余談だが、最終下校時刻まで漫画を読んでしまい、申請書の提出が遅れ、新刊が発売したその日に読めなかったのは言うまでもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

漫研の日常の一部! 猫と犬が好き @nikuoisi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画