土佐級戦艦

土佐級戦艦

 チリが英国に発注していた小型戦艦コンスティトゥシオン級戦艦を英国から購入したもの。

 南米ABC三カ国――アルゼンチン、ブラジル、チリは隣国同士で広大な国土、豊富な資源を持っており南米でも強国とされていた。

 そのため互いをライバル視し、相手に負けじと軍備拡張を行った。

 だが、軍事的緊張が高まり万が一戦争になると、南米が有力な市場である英国は大損害を受けてしまう。

 そこへ海援隊が仲立ちし、三カ国の間で軍縮条約と平和協定を結び、その証しとして海援隊が各国から主要生産物を輸入、ブラジルのコーヒー、アルゼンチンの牛肉、チリの硝石を購入することで緊張緩和を行った。

 結果各国は軍備を縮小。

 そのためチリが英国に注文し建造していたコンスティトゥシオン級戦艦は不要となり1903年一月に進水していたがキャンセルされた。

 しかし建造費の支払いもあり売りに出されていた。

 それを海援隊が購入した。

 丁度海軍力強化を図っているロシアも購入を画策しており、ロシアの海軍力増強を防ぐためにも購入は必要だった。

 日露関係が緊迫化する1903年12月に引き渡しが行われ、すぐさま日本へ回航。

 開戦前に到着した。

 だがチリ戦艦として建造されたため、各所がチリ海軍仕様のため、大神造船所で海援隊仕様に改装する必要が出ており開戦時も工事中だった。

 三笠を初めとする前弩級戦艦、標準型の戦艦が一二インチ砲であるのに対し一〇インチ砲のため砲力は落ちるが、防御力と速力は優れている。

 当初こそ、六隻の戦艦に比べて見劣りするため、海援隊の所属で船団護衛に付いていた。

しかし装甲巡洋艦を上回る砲撃力でウラジオストック艦隊を撃退。

 更に戦艦の不足を補うようになり、準主力艦としてその役目を十全に果たした。


 武装:一〇インチ連装砲二基

    一五サンチ単装砲一四基

    七.六サンチ単装砲一六基

 速力:一九ノット

 乗員:八〇〇名


一番艦 土佐

二番艦 肥前


 史実ではスウィフトシュア級スウィフトシュアおよびトライアンフになるはずだった。

 チリが建造をキャンセルし売りに出していたがロシアが購入を企んでいた。

 日英同盟上、ロシアの海軍力増強は不味いので英国は日本に購入を打診したが、予算が少ない日本には出せず、やむをえず英国が購入した。

 英国が整備していた標準戦艦とは異質すぎて艦隊に編入できず、もっぱら海外へ単艦で派遣されることが多かったようである。

 だが、その任務に最適だったようで似たような同世代のバーフラー級戦艦、レナウンが大戦前に退役したのに対して、スウィフトシュア級二隻は大戦に参加。

 トライアンフは大戦中潜水艦に撃沈されたが、スウィフトシュアは大戦を生き延びた。


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https://kakuyomu.jp/works/16816700426733963998/episodes/16816927859831040135

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