軸流丸型貨客船
軸流丸型貨客船
海援隊が太平洋航路を握るべく作られた貨客船。
産業の中心となりつつあるアメリカと東アジアを結ぶため、物流と人的交流を促進し、経済を活発化するために作られた。
当時の移動手段は船舶のみで、迅速な移動網を作り上げる事が海龍商会の至上命題となっていたため高速船舶の整備は当然の帰結だった。
そこで船舶の移動速度を増すために高速を出せるオールタービン機関の貨客船を建造する事を決定。
その一番船として建造されたのが軸流丸だ。
航海速度二〇ノット、太平洋航路初の総トン数一万トンの大型船体に積載能力六千トンを誇り、横浜~シアトル間を十日で結び、週一便運行する計画である。
そのため高速巡航――、一瞬の最高速度ではなく、ほぼ全行程に渡り高い速力で経済的に航行出来る事を求められた。
軸流丸の蒸気タービンエンジンはそれに応え、経済的な成功を収めた。
また、荒れる北太平洋を航行するため鉄板は分厚く、ガラスで覆われた回遊甲板など防寒性、耐久力に優れている。
この成功により、海龍商会は更に姉妹船を追加建造し、防寒装備を抑えた準姉妹船を建造し横浜~ホノルル~サンフランシスコ間航路への投入の他、仁川もしくは上海、香港への延長も計画していた。
だが日露戦争勃発により、航路開発計画は中止。
軸流丸は高速を生かして輸送船となるはずだったが、閉塞作戦に必要な閉塞船の条件、大型、高速の二点で飛び抜けていたため、鯉之助によって閉塞船に指定された。
結果はロシア側の激しい応戦のため、一隻のみ成功、残りは失敗し閉塞は不十分な形となった。
しかし、建造中だった姉妹船は完成後本来の日本本土と半島及び朝鮮の輸送任務に充てられその役目を十分に果たした。
特に、大型で高速の特徴から荒い日本海を速度を落とすこと無く航行。
ロシアの水雷艇に見つかっても速力を落とさず逃げ、波にもまれ速力を落としたロシア水雷艇を振り切った逸話が残るほどだ。
戦後は多数建造された姉妹船、追加建造された軸流丸の代替船と共に太平洋航路の主力となり東アジア~北米航路を結ぶ。
日米関係の悪化、移民排斥などにより一時シアトル航路の利益が悪化したが、同盟国である大英帝国の構成国カナダのバンクーバーへ寄港しカナディアンパシフィック大陸横断鉄道でハリファックスへ行き大西洋を横断し欧州へ約三週間で行くルートを開設。
不確実なシベリアルートと双璧を担った。
ニカラグア運河の開通により東海岸、南米大西洋岸を結ぶようになり更に活躍する。
巡航速力 二〇ノット
航続距離 六〇〇〇海里
総トン数 一万三〇〇〇トン
貨物積載量 三〇〇〇トン
乗客定数 一等二五〇名、二等七〇名、三等六〇〇名
全長 一七〇メートル
全幅 一九メートル
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https://kakuyomu.jp/works/16816700426733963998/episodes/16816927859289829657
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