9700形蒸気機関車

9700形蒸気機関車


 日本鉄道――東北本線を敷設した鉄道会社が常盤炭田から石炭を輸送するためにアメリカポールドウィン社から輸入した機関車。

 当時日本最大最強の蒸気機関車であり、粗悪な常磐炭から火力を得るため広火室――車輪の幅より大きな火室を有するため出力が大きかった。

車軸配置はミカド型と呼ばれる1-D-1で従輪により火室を支える構造となっている。

 このような配置の機関車はすでにあり最初に導入した鉄道会社カルメットからという車軸配置名称が付けられたが定着しなかった。

 だがポールドウィン社は9700型製造にあたり日本にちなんでミカドと名付け大いに宣伝し定着させた。

 国有化直後で全国へ輸送量が増大し長大な貨物編成を必要とした日本は出力の高い9700型を大量輸入。開通したばかりの朝鮮鉄道にも調達数増大による一両当たりの単価低減を狙って共同購入した。

 機関車国産化計画もあり一部は国内でライセンス生産された。

 日露戦争直前の輸送量増大――開戦に備えての武器生産の増大、物資の事前備蓄輸送などに活躍するのは勿論、戦争中も物資輸送に活躍。

 特に同時期に開業した朝鮮鉄道へは価格低減のために国鉄と共同今日入試、半島を走っていた。

 開戦後は朝鮮鉄道所属車両は勿論、国内の機関車も大陸に渡り、後方の物資輸送に活躍した。

 開戦直後、接収されたが、日本国内で使用されている者と同型であるため、取り扱いに混乱はなく短時間の内に運行が可能となり、第一軍の迅速な輸送を行えた。

 馬匹による輸送をしなければならないところをこの9700形のお陰で短期間に大量輸送できた結果、日本軍の進撃速度が上がったことは有名。

 戦地でも装甲列車、列車砲の牽引で活躍し正に縁の下の力持ちとなった。

 戦後も長らく各地で活躍したが、国産の傑作機関車9600形の大量配備により徐々に配備数が少なくなり第一次大戦後、国鉄では全廃となった。

 国外へ輸出されたり民間への払い下げが行われ保存機が一部残っている。


全長 : 17,272mm

全高 : 3,721mm

軌間 : 1435mm

車軸配置 : 2-8-2(1D1) - ミカド


作者メモ

 龍馬の活動により日本本土の軌間が世界標準軌の1435ミリになっているため、史実よりゲージが大きくなっています。

 数が少なかったため保存機は現在存在しません。


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https://kakuyomu.jp/works/16816700426733963998/episodes/16816927859106331008

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