最終話

「これで…終わりだぁ!!」


『ハ、ハウギャアーー!!!』


王都にあるご立派なデカい教会。

そこの礼拝堂で、魔王である俺と邪神の使徒との一騎討ち。

お互いの装備や服が消し飛ぶほどの死闘の末、ついに邪神の使徒である、マッスル黒光りイケメンの首をチョンパする事に成功する。


伝説の魔力コーティング的な物をされている魔王城とは違うから、建物内で死闘なんかされちゃったこの教会はもうズタボロですよ。


「魔王様っ!! お怪我はございませんかっ!?」


魔族特有の青い肌をした元聖女が、爆乳をバルンバルンと揺らしながら駆け寄ってきた。


「大した怪我は無いから、へーきへーき」


魔力はもうあんま無いけどな。

勇者の力と魔王の力、両方持ってなかったらヤバかったかも…。


「そうですか…流石は魔王様。邪神の使徒を相手に、今の私でも回復できる程度の怪我ですんで良かったです…」


…俺のせいで、もう聖女の力は失くなっちゃったからなぁ…。

回復のエキスパートが、今はちょっと回復が上手いだけの魔族って感じだし。

あの時元聖女が取り込んだ魔王の核にも、体を変えて治すくらいしか力が残ってなかったみたいだから、仕方ないね。


「では、治しますね…」


「あざーす」


まぁ、元聖女曰く日に日に尻に浮き出た核に力が貯まっていくのを感じるらしいし、そのうちまた聖女の頃くらいの力が戻ればいいなと思ってます。

…嫁の間のパワーバランス的に、ね…。


「しかしまぁ…和平交渉をしに王都に来たら、邪神の使徒と戦う事になるとは思いもしなかったわ」


「…前々からあの教皇は怪しいと思ってたんですよ。あの若さで教皇になる事自体異例でしたし。まさか私が魔王討伐の旅に出ている間に、信仰対象を本来の男神の姿から、邪神である女神の姿に変えているとは思いもしませんでした」


それな。

教会の像とかその辺の神グッズ的な物が、全部女神に変わってたもんね。

俺は元聖女に言われなきゃ気づかなかったけど。


「いやぁ、元聖女に教会の様子が何かオカしいから見に行こうって言われて助かったよ。俺ってば神直々に邪神関連を処理しといてって言われてるのに、完全にスルーするとこだったし」


あのおっさん神にはこの世界に来れた事を感謝してるんでね。

邪神関連はしっかり仕事するのが恩返しってもんよ。


「神の使徒であり最愛の夫でもある、魔王様のお役に立つ事ができて良かったです…。私は剣聖や魔法使いのように、普段から魔王様のお役に立つような事ができませんから…」


…いっつもそこを気にしてるんだよなぁ。


まぁ、核を取り込んで先代魔王レベルまで糞強くなり、手下の魔族を力で従わせる剣聖。

魔王のブレーン的存在で、色々な仕事をテキパキとこなしている魔法使い。

そんな他の嫁達を見てたら、劣等感を感じてしまうのもわからんではないけど…。


「…力なんかは核次第でまた戻るんだろうしさ、そんな気にする必要は無いって。つーか普段から役に立ってるから。さっきのお偉いさん達との和平交渉だって任せちゃったし。それに元聖女が今日までどんだけ夜のお役に勃ったと思ってんのよ? 魔王城から王都に来るまでに、何回シたか考えてみ?」


「それは…も、もう魔王様ったら…♪」


ぶっちゃけ、シた回数は確実に他の嫁を越えてますからね…。

行為中だけ真面目からクッソ淫乱に変わるとか…最高かよ。

なんてったって爆乳だし。

俺に従順で、言われた性なるポーズを喜んでキめまくるしね。

いやぁ、魔王城への帰り道も連発ハッソォ確定ですよ、マジで。


「うし、やる事はやったからもう帰るとすっか!」


剣聖と魔法使いなら俺が留守の間の心配はいらないと思うけど…寂しがってはいるだろうしな。


つーか、俺が寂しいんだもん…。

元聖女とハッソォの旅しときながら何言ってんだって話ではあるけども。


「いえ魔王様、さすがにそれはマズイのでは…。いくら教皇が邪神像から黒光りした魔力を吸い込み変身し、邪神がいかに素晴らしいかを語っていたところの目撃者がいたとしても、私達がしっかりと王様に説明をするべきかと思います。今後、また邪神の使徒が出てきた際の対応等も話さなくてはなりませんし…」


うへぇ、面倒くさぁ…。

また王城に戻らなきゃいけないのかよ…。


「はーあ、せっかくバッチシ和平交渉を終わらせられたのになー。これで揉めたりしなきゃいいけど…」


「えぇと、先程の結果から考えると…揉めないと思いますよ? お偉い様方全員、魔王様をかなり怖れてましたし…」


あー…王とか盛大に漏らしてたもんね。

ま、全裸に剥かれて尻に剣を突き付けられりゃ漏らしもするか。

剣に便をかけられてイラついたから、思わず切れ痔にしてしまったしな。


「じゃあ面倒だけど、また脅…交渉に行ってみるとすっかー」


そういや城門突破無双ゲー中に足チョンパした騎士団の精鋭達は、もう回復しちゃったかな?

うーむ…疲れてるからまた同じ事を繰り返すのはダリぃわぁ…。


「フフッ…♪ もう脅迫は十分だと思いますので、あとの話は全て私にお任せください。魔王様は私の側に居てくれるだけで大丈夫ですから…」


「そうなってくれれば楽なんだけどな。ま、何かあっても全力で守ってやるから、話は適当にちゃちゃっと終わらせてくれたら助かるわ」


「はい、なるべく早く終わらせますね…。ですがその前に、魔王様の服を探さないと…」


「あ、それもそうだな。全裸で動き回って、変態魔王とか噂されたら困るし」


「フフッ♪ ではまず、この教会に何か着るものがないか探してみましょう。変態な魔王様を見るのは、妻の私達と過ごす時だけでいいので…」


「…そんじゃ、さっさと帰って変態魔王の力を見せてやろうじゃないの。三人まとめてかかってくるがよいわ!!」


変態魔王舐めんなよ。

いややっぱり、いっぱい舐めてください。


「フフフフッ…お手柔らかに♪ 帰ったら魔法使いが研究中の、対魔王様用の強力な媚薬が完成してればいいんですが…♪」


なにそれ怖い。

搾り取る気マンマンじゃん。

只でさえ俺に負けず劣らず、剣聖の性力が天元突破しているというのに…。


「…ア、アハハハハ…」


「フフフフフフ…♪ とりあえず私は、魔王様の着るものを探してきますねぇ…」


「…ういっす」


ハァ…こりゃ帰ってからも暫くは股間がポロリ状態が続きそうだ。

まぁいつも重要な局面ではポロリ状態だったわけだし、全裸こそが俺って感じではあるがね。


しかしまぁ…残念な童貞中年が、よくぞここまで成り上がったもんだ。

あれだけ良くない事ばかり起きていたというのにね。


誰かがもし1つでも選択義を間違えていたら、今の俺はここで笑ってなんかいられなかったと思う。

そんな一手間違えればバットエンドに直行しそうな中、勇者パーティの全員が幸せになれる、トゥルーなエンディングに辿り着けたのは奇跡といってもいいだろう。


主人公(笑)君も今は魔族の偉いガチムチダンディに可愛がられて、幸せそうにアへっているらしいしね。


長い人生、まだまだ邪神関係で色々あるのかもしれないけど、まぁその辺は適当に頑張って処理していくとしよう。

神にもそこさえやれば、好きに生きていいっていわれてるしね。


「魔王様。まずは上等なマントがありましたので、他に良い服が見つかるまで、こちらを羽織ってお待ち下さいね」


「…あざーす」


元聖女から純白のマントを受け取ったので、羽織ってみる。

全裸にマントとか変態感が上がっている気がするが、まぁいいや。

今の俺ってば、なんだか凄く気分が良いしね。


「…うし!! 気分も良いし、景気付けにあの目障りなデカい邪神像をブッ壊すか!!」


これをトゥルーなエンドのその先…これから俺は嫁達と楽しくエロい事なんかをしながら、邪神に対して適当な処理をしていくぜという気持ちの…決意表明としようじゃないの。


「…超、絶ぅ…決意、表明…波ァァ!!!」


「魔王様っ!?」


おっけ!!

邪神像の上半身が超絶決意表明波で吹きとん…なんか天井がグラグラしてね…?


「く、崩れますっ!! 早く逃げましょう!!」


…どうやら今の1発で、ズタボロの教会にトドメ差しちゃった御様子。

ヤらかした感がパない。


「俺に掴まれ!! 全速でここから離脱するっ!!」


「ひ、ひゃいっ!!」


あーあ、これで全裸マントな変態魔王が王都の民衆の目に触れちゃうね。

自業自得だからしょうがないけど。

ま、ここまでヤらかしちゃったんだし、せっかくだから心の中で決意表明の続きはしとくとしましょうか。


…邪神っ!!

俺達の戦いは…まだまだこれからだっ!!



~終~

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とある中年勇者の魔王討伐後~ポロリな勇者はコロリでガラリ~ ナッパー @orzorz

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