あぁ、これはもう素晴らしい。このままならなさが、とても良いと思います。鉄平はやっぱり優しいんですよね。とても優しい。今は苛立っていても、鉄平は「いつか別れてしまうその日」を、きっと心のどこかでわかっている。だから、その優しさがこのお話をこんなにも愛おしくさせるのでしょう。
まるで心が洗われるような珠玉の短編。
私のような歳になると、祖母になかなか会える時間も取れないのですが、やっぱり時間を作って会いに行こうと思えました。
とても深くて心に染みるお話、やっぱりお見事です!
作者からの返信
薮坂さま、本作に優しい言葉をかけてくださり、ありがとうございました。素敵なレビュー文にも感激しました。
話の構成上、ラスト数行まで鉄平の苛立ちを書き切らなければいけなかったので随分暗い話になってしまいました。読み進めるのが辛く感じられたとは思いますが、心洗われる話と感じてもらえて良かったです。
直接的に書かなかった祖母への愛情を、読み取ってもらえてホッとしました。これからの鉄平は、後悔しない生き方を選んでいくことでしょう。祖母と過ごせる時間を大切にしていってほしいですよね!
ぜひ、おばあさまに会いに行かれてください。きっと喜ばれると思います!
編集済
はじめまして。
コメント失礼致します。
苦しくて、切なくて、だけど温かな何かが胸にひたひたと迫り来る…読み終えた今、詰めていた息をほうっと吐き出しております。
素晴らしいお話を、ありがとうございました。
※申し訳ありません。
星を三つ、贈らせて頂いたつもりが、四つ押して一つになっていました。
改めて星を贈らせて下さいませ。
大変失礼致しました。
作者からの返信
石濱ウミさま、初めまして。先日は同じコンテストに応募されていた「あたたかな匂い」を読ませていただきました。父親の娘への愛情が沁みる素敵な物語で、とても印象に残っております。私の作品を読んでくださり、ありがとうございました。
「決心の一杯」は石濱さまが指摘される通り、苦しさと切なさがある話です。ラストを読み終えたとき、幸せしみる話になるよう心情描写は特に注意して書きました。「温かな何かが胸にひたひたと迫り来る」「詰めていた息をほうっと吐き出して」というコメントを読み、描きたい世界観が書き切れていることに安堵いたしました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。こちらこそ、心に残る物語を届けることができて嬉しいです。
編集済
介護の問題は他人事じゃないんですよね。
いまは大好きな人でも、その時が来たら疎ましく思うのかもと思うと切なくなります。
切ないし、ほっこりじんわりのお話じゃないですけど、鉄平君が大事にしているマフラーとか、おばあちゃんが赤いきつねを抱き締めている笑顔にぐっと来ます。
作者からの返信
介護は身近な問題ですね。他人事にはできません(>_<)
鉄平くんのように、家族だからこそ悩んだり、衝突したりしてしまいます。大好きな人なのに、認知症がきっかけで疎ましく感じてしまうのは悲しいですね。
本作は、ほのぼの明るい話ではないですが、マフラーや赤いきつねを抱き締めた表情にぐっと来てもらえて嬉しいです。コメントありがとうございました!
レビューして頂いたので、何かの縁かなと思い、ふらっと読んでみました。
しかし、感想となる応援コメントを書くのに苦戦しました。なんだか書いては消して、書いては消してを繰り返してしまったので、あえて単純に書きます。
正直、全然好きな話ではなかったし、描写とかもすっごく苦手なタイプでしたが、文章力は本当にすごいなぁと思いました。
なんで私の小説をレビューしてくれたのかがわからないほど、好みではなかったです。
でも、伝わりにくいと思いますが、褒めているか、褒めていないかで言うと、褒めてます!
返信に困るとは思うのですが、ありのままの気持ちを書かせて頂きました。
もし、気分を悪くさせたならごめんなさい。
作者からの返信
松井みのりさま、コメントしてくださりありがとうございました(*' ')*, ,)✨ペコリ
「あたたかい人たち」にお星さまをつけたのは、何気ない日常の切り取り方やキョウコの心情描写に惹かれたからです。私が個人的に好きな世界観でした(*´ω`人)~♬
松井さまの好みと、本作が合わなかったことは仕方のないことだと思います。「決心の一杯」は明るくてほっこりする話ではありませんし、文体も固くて読みやすくないかもしれません。そのため、素直な感想だと受け取っております。読後の余韻を作るため、意図的に重く暗い作風にしましたし。
苦しい思いをさせた上に、コメントに時間を取らせてしまって、申し訳ありません。文章力だけでも、松井さまの糧になりますように。今後のご活躍をお祈り申し上げます。
これは切ない……。私の祖母も亡くなる前は認知症だったので、当時の事を思い出しました。
一見辛い話のようですが、最後の鉄平の心情にほんのり救いが感じられたのが良いと思いました。
繊細な物語ですね。
作者からの返信
認知症の家族を支えることは、簡単なことではないのですよね。血が繋がっているからこそ、鉄平のように苛立ったり衝突してしまったりすることもあります。
最後の鉄平の心情に、ほんのり救いを感じてくださって嬉しいです。おばあちゃんと一緒に赤いきつねを食べていたら良いですね。
コメントありがとうございました!
年老いていく家族の姿。老いるということはこういうことだと頭では知っているつもりでも、作品に描かれたぎしぎしと軋むような関係性に、改めて胸をえぐられるような痛みを感じました。
長く生きることの難しさ。自分ではどうにもならない脳の劣化のやり切れなさ、虚しさ。ずしりとした思いが胸に刻まれる短編でした。
作者からの返信
鉄平が成長すればするほど、梅子ばあちゃんの老化は進みます。何時間か前に食べたことを忘れたり、同じ話を何度もしたり……
美しい内面のまま老いること、認知症の家族を支えること、どちらも難しい問題ですね(>_<)
本作は家族ならではの悩みや衝突を描きたかったので、ぎしぎしと軋むような関係性とおっしゃってもらえて嬉しいです。やりきれない思いが強ければ、それだけ赤いきつねが活きてくるはず。後味も苦かったらごめんなさい!
重い話でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!
とてもリアルなお話で心が掴まれました。場面がありありと浮かんできて胸がギュッとなりました。
マフラーを大切にしているというのは、鉄平くんが家族想いで優しいというのが伝わってきます。最後まで素晴らしい作品でした。
作者からの返信
読者の方が共感していただけるように、日常を切り取りました。場面がありありと浮かんだとおっしゃってもらえて、とても嬉しいです。
おばあちゃんと心の距離ができてしまっても、昔の思い出は大切に感じている鉄平くん。本当は優しくて家族思いなところを、マフラーの描写に込めました。気付いてもらえてホッとしました。
こちらこそ、心に残る作品になっていれば幸いです。読んでくださり、ありがとうございました。
認知症のせいで日常生活に支障をきたすことはもちろん、大好きだった人を大嫌いになるかもしれない、周りの家族の心境も辛いだろうなと思います。
ラストシーンがやるせない。
きっと梅子ばあちゃんと過ごす時間は、それほど長くないはず。鉄平くんが後悔なく過ごせるといいなと思いました。
作者からの返信
年を重ねる中で物忘れがあることは仕方のない話です。ただ、些細な誤解が解けずに、嫌な記憶として残ってしまうのはつらいですね。本当は違うのよと説明しても、その記憶は残らない。周りの家族の心境は辛いですよね。おおらかに受け止めて接していく方が、心の負荷が少なくなるのかもしれません。
ラストは、声を荒げながらも自分の進むべき道へ駆け出す姿を描きました。印象に残っていただければ幸いです。
梅子ばあちゃんが生きているうちに、ちゃんと会って話ができるといいですね。後悔を抱えたまま、その後の一生を過ごすのは苦しいですから。
婆ちゃんのボケっぷりと鉄平のいら立ち、よ~くわかります。
そんな二人の間を、赤いきつねが潤滑油のように染みこんでいってくれれば・・と思います。
ラストの書き方も、こんな余韻の残し方でよかったのでは、と思いました。
作者からの返信
橙 suzukakeさま、この話を最初に読んでくださりありがとうございました! 感想も書いていただけて嬉しいです。
おばあちゃんを嫌っていた鉄平でしたが、赤いきつねによって心が溶かされていきましたね。まさに潤滑油のような働きをしてくれました。
ラストの余韻が活きるには、おばあちゃんのボケっぷりと鉄平の苛立ちを書き切る必要があったので、共感してもらえて安心しました。読者が嫌いになりすぎない鉄平像を表現するため、さじ加減は苦労しましたが。こんな余韻の残し方でよかったと感じていただけて感無量です!
ああ、なんか介護の話がやけにリアルで身につまされますね。今の時代長生きするのも必ずしもいいことばかりじゃないですよね
作者からの返信
介護の話はリアルでしょう? 認知症に関する話も、取材したものではなく実体験です。作中のセリフに「國子ばあちゃんみたいに、苦しまずに死にたい。葬式はお金をかけないで。家族葬でいいから」とありますが、夕食にうちの祖母が言った言葉です。あのときは返事に困って食欲が一気に失せたなぁ。
長生きするなら、周りの人を笑顔にさせる人になりたいですね。「あの人は自分のことを嫌っている」と思い込んでしまえば、ずっと悪い印象が残ってしまいますから。実際、母が祖母を嫌っているという誤解が生まれた後、ヒステリックになった祖母を止めるのは大変でしたし(汗)
僕のお婆ちゃんは認知症にならずに同居してすぐに亡くなってしまったので、もしかしたらこの鉄平くんのように苛立ちを持ってしまったかもなと読んだあと思いました。認知症にならなくても葬儀の後に安心した顔をしている親や支えてくれた親戚を見て自分が協力したと思っていた以上に大変な事は多かったんだろうなと。
鉄平くんとお婆ちゃんがこれからどう向き合うのかはわからないけど、お婆ちゃんに怒鳴った事は謝るのかなと思いました。面と向かって謝れるのは生きている間だけだから。お婆ちゃんが赤いきつねを食べたいと言った時に一緒に食べてくれるといいな。
作者からの返信
認知症になった本人もしんどい思いはあるでしょうが、支える家族の負担も相当なものかもしれません。
触れてほしくない話題を何度も訊かれたり、嫌われていると誤解されたりされれば冷静でいられなくなりそうです。ある程度の話を受け流さなければ、鉄平のように苛立ってしまいますね。距離が近い家族だからこその悩みです(>_<)
鉄平は、おばあちゃんに怒鳴ったことをちゃんと謝れるといいですね。
面と向かって言えるときに伝えなければ、後悔が一生残っていくでしょう。おばあちゃんと赤いきつねを食べながら「あのとき怒鳴ってごめんなさい」と素直に言ってほしいです。
生きていたら上手くいかないことが、どうしても出てきますよね。
だけど何があっても、やっぱり梅子ばあちゃんのことは好き。拗れても離れていても、その気持ちだけは今後も変わらないでいてほしいですね。
捨てられないマフラー。赤いきつねを手にして、笑顔で帰りを待つおばあちゃん。
切れない絆に、胸が暖かくなりました(*´▽`)
作者からの返信
自分が成長すればするほど、おばあちゃんは老いて忘れることが増えていく。その現実は鉄平にとって苦しく、上手くいかないものでした。
それでも好きな気持ちは昔のまま。拗れてしまった関係が、元のように戻ればいいですね。
マフラーと赤いきつね。鉄平とおばあちゃんを繋ぐ絆になりましたね。ほっこりしていただけて嬉しいです!
認知症というのは年齢を重ねれば誰にでも起こりうるものですし、ある意味では仕方のなのものなのかもしれない。だけど以前とは違う様子を見てなんとも思わないはずもなく、それでも心から嫌うことはできない。
思い出の大切さも、慕う気持ちも、苛立ちも、全て本当の気持ちなのでしょうね。
彼はこれから、どんな思いでおばあちゃんと向き合っていくのでしょう。
作者からの返信
認知症になった家族を支えることは精神的にも辛いものがありますが、好きな思いは消えないかもしれません。
ときに苛立ち、衝突してしまうことがあっても、再び歩み寄っていくのでしょう。
鉄平が何を思い、おばあちゃんと接していくのか。未来が明るいものであってほしいですね。
あいかわらず文章がお上手ですね。
内容も濃くて、よくこの字数に収まったなと思いました。
祖母の優しさも、主人公の苛立ちも伝わってきました。
捨てられないマフラーに主人公の思いが詰まっているように感じました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
3500字を超えたあたりから、情報を削りすぎないように注意しながら書き進めていました。内容が濃いとおっしゃってもらえて安心しました。
どれほど苛立っても、マフラーを捨てきれない。そんな鉄平の思いに寄り添っていただけて嬉しいです。
ちなみに、初稿のラストは、祖母から届けられた赤いきつねに鉄平がお礼の電話をする流れでした。その部分の文字数も、段落の数も、セリフも似てしまったので、さすがにマズイと(汗)
一番の理由は、和希さまの読後の余韻が本当に素晴らしかったからですね。読者として純粋に好き、そう敬意を持って書き直しました。
どんなに年を取った人でも、死別はつらいものですね。100歳近いとある方が亡くなり、主治医が「大往生でした」とふと口にした一言が、遺族の心に深い傷を残したという話を訊きました。
「慟哭」という表現、いいですね。今度自分の作品でも使ってみようかな。
作者からの返信
死は避けられないとはいえ、いざ身近な人が亡くなれば衝撃が大きいかもしれませんね。死別はつらいものです。梅子ばあちゃんの言葉に鉄平が不快感を覚えたように、些細な一言が悲しみを呼ぶことはあるのでしょう。
全体的に暗い雰囲気のある話でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。コメントも励みになります。