04 興
私は、利休さまのお弟子さんたちが助命歎願に動いていることを知っておりました。そのため、その方たちのためにも、
すると利休さまは、ずず、と茶を飲み切ってから言いました。
「何や、わてかて、そらぁ死ぬのが怖い。けどな、こらぁもう、関白はんがもう決めたことさかい、今さらジタバタしたところで、変わらん」
そう、あの関白さまが利休さまに特にと作らせたという、あの
私は
「……何故言われましてもなぁ。あの
最初は組み立て式で、何処にでも
「でも」
利休さまは苦笑いをされました。
「まさか、あのような金ぴかにするとは、よう思わなんだわ。参ったわ」
「何故、そのように
「すりゃ、これが、わての腹ァ召す
利休さまは今度は腹を撫ですさりながら、語られました。
「北野やったかなぁ……何や
そこで区切るところに、利休さまの万感が込められている気がしました。
「……まさか、金ぴかとは。そないなことになっとるとは、わて、よう知らなくて。ほいで、帝がいらっしゃるさかい、
利休さまとしては、事前に見せてくれればまだしも、今の今、その場でやれと言われて
「でもな」
利休さまは歎息されました。
「よう聞こえへんのや。読めんのや。何より、金ぴかやから、それがチラつく。それで聞こえん。読めん。こらあかん、そう思たところへ、関白はんが
利休さまは
「今、思えば、アレが始まりで……いや、アレから
関白さまの最初のお子の、棄さま。
ええ、貴方が今お仕えしている秀頼さまの……いえ、これは申しても詮無きこと。失礼いたしました。
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