第16話
結局のところ。
俺の家に彼女が居候していたんだが。
夏休み中、居座ると豪語したんだけど、
3日後に仕事明けの両親に見つかって
勝手に「はじめまして。山吹シンジくんの
お父さま、お母さま。
私、橘ヒナタっていいます。シンジくんの許嫁ですー!」と挨拶したもんだから大変なことになった。
「シンジ、あんたこんなに可愛い彼女?
がいたの!?しかも家に連れ込んで...
エプロン姿でいるじゃない!?ちょっともう嫁気取りなのかしら??
いつできたの!?しかも許嫁って...」
母さんは完全にテンパってた。
父さんは父さんで、顔を真っ赤にして、
咳払い後。
「美人すぎる彼女...、てか許嫁だなおい...」と
不覚にも母さんの前で呟いてしまって、母さんに肘鉄を脇腹めがけて喰らわされていた。
後々になって。
ヒナタがめちゃくちゃ金持ちのお嬢様だと両親の耳に入り。
両親は「父さんも母さんも結婚大賛成よ!」と俺の肩をバンバン二人して叩いた。
こうして。
俺もヒナタも成人式を済ませたあとに。
無事に籍を入れることになったのだが。
ボロアパートは引き払い。
母さんも父さん、そしてヒナタと俺の四人暮らしで、高級タワマンの最上階に住んでいるのでした。
俺が料理をする日もあれば、ヒナタがキッチンに立つ日もある。俺が花嫁修行をみっちりさせて仕込んだから、
ヒナタは今では。レパートリーが順調に増えつつあるんだな。
完璧と思われた優等生お嬢様はカップ麺の作り方を間違えていたので陰キャの俺が優しく教えてあげました。あ、もしかして実はポンコツなんですかね...? 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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