瞼の裏
素素sai
瞼の裏
なんにもなくて、なんでもあるところに行く方法を教えてあげる。
だれもが知っていて、わたしだけが知っている特別な場所。
もしかしたら、ほんとうは存在しないのかもしれない。
透き通っていてどこまでも見える。触れられるのに掴めなくて、気付いたら消えている。
「これはなあに?」
遠くからだと見えるのに、中に入ると見えなくなる。でもなくなったわけじゃない。
「それはなあに?」
目に見えなくて、触れているのに感じなくて、だけど当たり前にあって、なくなってはいけないもの。
「あれはなあに?」
さあ、まずは目を瞑って、そしてゆっくりと思考を溶かして、おやすみなさい。
きっと、おひさまが昇るころには、なにもかも忘れているわ。
瞼の裏 素素sai @motomoto_rororo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます