彼方に弔る葬送曲
立ち尽くしていた
凍てついた道
空は延々と続く灰色で
深淵からあふれる泥が
思い出を明日の詩を
かき消して塗りつぶして
ぼくの心に地層のように
あの日の音が臭いが
染みついてこびり付いて
幾百と並べられた桐箱に
何も言えなくて
ただ彼方に弔る葬送曲
ぼくは口ずさんでいただけ
まだ戸惑っている
生き急いだ道
きみの写真は10年前のままで
ぼくは何をしてきたのだろう
あの日から進めずに
うつぶせのまま息が苦しい
幾筋と立ち上りゆく紫煙に
手を伸ばしても
ただ彼方に弔る葬送曲
きみに届かないだけ
立ち尽くしていた
凍てついた道に
たんぽぽが風に散って
滲んでいくかすんでいく
黒百合アウトサイダー(アダチガハラ作詞集1) アダチガハラ @adcghr
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