論福幸 章一第
自分は、相当の屑だった。いや、彼女だけは否定してくれるだろう。しかしそれは、慰めにもならない。いや、慰めにして、それに頼ってはいけないのだ。自分は、精神強度やストレス耐性などと言われるものがないわけではない。いつも、逃げ出したいのだ。現実から、誰かの許へ。寄生虫の様に依存し、その誰かの本来得られる筈だった幸せさえ奪ってしまう。だから、もう二度と繰り返しはしないと、そう誓ったのだ。
―――自分には、付き合っていた人がいた。メッセージを送りあって、自分でも頬が赤くなるほどの文面を、ストレートに送りあっていた。授業の休み時間や、放課後、暇があれば送りあっていた。自分はそんな人ができること自体初めてだったし、それがおかしいのか、分からない。いや、もともと自分の中の理性的な部分では自分なんかが誰かと付き合えることすらあり得ないと割り切っていたのだから気にする必要はないのだ。ただ、それが彼女の負担になってはいなかったか、それだけが気がかりなだけなのだろう、自分は。
一年間、そう、一年間。短いか、長いか、それは人によるだろう。しかし、その一年間、2年前、中学二年生の夏休み、7月の終わりから8月の始まり、そして中学三年生の夏休みが終わり登校し始めた9月の中旬。それまでが、自分にとって最も幸福であった時期だろう。
いうなればこれは、エンドロールなのだ。私の幸福との。
スクラーフェの焼死体 Ray @afk3164
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