4.異世界生物との遭遇
テントの周囲に何かがいる。
人なのか動物なのか、それともそれ以外なのか……どどど、どうしよう! どっか行け! こっちくんな!!
寝袋に頭まで突っ込んでくるまってるけど、体が震えて来た。
マジかよ、マジかよ、マジかよ! 助けてくれ! 誰か!
『テントの周りに何かいる!! どうしよう!』
返事してくれよ! おい
でもスマホの時計を見ると時間は深夜の一時、こんな時間に起きてるはずがない。
クソー! 誰でもいいから返事してくれよ!!
ポン
『テントの周りに居るのは一匹?』
『え、えーっと月明かりで欲見えないけどたびゅいん一匹』
『大きさはどのくらいかわかる?』
『テントの真ん中食らいを手? で触ってるから、それほど大菊はないのか?』
『それならスグには襲って来ないと思うから、アメイゾンで買ったアレを用意しておいて』
『あ、アレか? 焼くに経つのか!?』
『夜に使えば効果バツグンだよ。でも使わないで良いように祈っててあげるね』
『お、おおヨ!! 目いっぱい祈っててテクれ!』
く、来るなよ、来るなよ! 諦めてどっか行けよ!
手が震えてる。
寝袋から顔を出すと、影から金属音の様なものが聞えた。
な、なんだよ! 何の音だよ!
何かが切れる音がする。や、やばい、二重になってるテントの外側が切られた!
切られた隙間から月明かりが差し込む。
そしてもう一枚の布にも切れ目が入り、ツツーと切っ先が下に降りていく。
落ち着け、落ち着け俺! まだだ、もう少し待つんだ!
テントの切れ目からは外が見える。
しばらく待つと……切れ目から何かがのぞき込む。
「今だ!」
「ブニャーー!! ブニャ、ミギャー!!」
大声を上げて何かは逃げていった。
せ、成功した……? 他に音はしないし、もう何もいないの……か?
俺は手に持った超強力懐中電灯を点けたまま、収まらない興奮で動けないでいた。
車のヘッドライトよりも明るいと言われるライトを、目に直接当ててやった。
暗さに慣れた目に、強い光は何よりも効く。
事前に
このライトだったら日中でも近ければ効果があるとか。
「ああ、助かった……でもテントが破れちまったな。おっと、
『撃退成功!
ふ~、よく考えたらこんな時間に起きてるなんて、勉強でもしてたのかな?
まぁそのお陰で助かったんだ、愛してるくらい言わないと気が済まないな。
……
…………
あれ? 返事が来ないな。寝ちまったか?
結局この日は眠れないまま夜を明かした。
「あー……眠くなってきた」
日が昇り、木々の隙間から太陽の光が差し込んで来た。
結局一睡も出来なかったな、そりゃそうだ、また襲われたらたまったもんじゃない。
今は朝の四時、モーニングコーヒーを入れて飲むとしよう。
「ぷはぁ、砂糖を追加だ」
眠気覚ましにとブラックで飲んだけど、まっず。
本当はミルクもたっぷり入れたいけど、牛乳は保存がきかないからな~、冷蔵庫が欲しい。
紙コップにスティックシュガーを二本追加し、細いプラスチックのスプーンでかき混ぜる。
「ダメだ、飲んでも眠い……ってほわぁ! 今落ちそうになった!」
コーヒーを一気に飲み干し、俺は覚悟を決めた。
「仮眠を取ろう!」
ポン
ポン
何だようるさいな……もう少し寝かせろ。
ポンポンポン
だから……うっさいわ。
ポンポンポンポンポンポンポンポン
「やかましい!! やっと眠れたんだからゆっくり眠らせろ!」
スマホを手にすると、
何回送ってくるんだよアイツ!
内容を見てみると、全て俺を心配する内容だった。
それとゴメンって謝ってる。
あ~、夜に返事できなかった事を言ってるのか、あんな深夜なんだから返事できなくて当たり前だろ。
むしろ
『気にするこたーねーよ。普通は寝てるもんだ』
『でも
『あいつは真面目だからな、勉強でもしてたんだろう』
『何言ってんだよ、テストが終わったばかりなのに、遅くまで勉強するはずないだろ』
え? 俺はテスト前でもいつも通り寝てたぞ。
はっはっは、自分がいかに天才かを再確認してしまったな。
少しは
『じゃあなんで
『た、たまたま起きてたのよ!!』
いきなり
『無事でよかったわ、テントは新しいのを買えばいいけど場所を変えないと危ないわね。今日は周囲の探索をしてもっと安全な場所を探す必要があるわ。それと防具をそろ』
『揃えた方が良いと思うからココを参考にしてみて。動物撃退機っていうのもあるから買っておくといいと思うわ』
すげー長文で送ってきた。
ツブヤイッターの限界文字数を超えたのか、二回に分けてまで。
そうか
『ありがとう
その後はなぜか
一体どうしたっていうんだ?
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