3.異世界通販生活
異世界に居るにもかかわらず、アメイゾンの通販が使えた件。
いや、でも本当に助かった。
『アメイゾンからお届け物が届いたぞ!』
ツブヤイッターにモバイルバッテリーの写真を投稿すると、
『今注文して今届いたのか?』
『じゃあスマホはしばらくは使えるのね?』
『おう、超特急便で届いたのかもな。スマホは充電してるから、モバイルバッテリーの電池が無くなったらまた注文だな』
ふ~、何とかスマホが死なずに済んだな。
それにしても、地図アプリが使えないのは痛い。
現在位置がわからないし、他に人が居るのかどうかもわからない。
ん? そういえば暗転してるアイコンがあったけど、地図だったりしないかな。
よ~く見てみるが、なんて書いてあるのか読めなかった。
なんだよ、実験に付き合ってやるんだから、少しくらいは協力的になれってんだ。
ポンポン
『またバッテリーを買うってお前、金が無尽蔵にあんのか?』
『
ん? 金? そういえば俺は金なんて……財布の中には二千五百円程しかないぞ?
あれ? なんでアメイゾンで買い物出来たんだ?
アメイゾンの画面を操作して、俺のアカウント情報を見ると……!?
「いちじゅうひゃく……一千万円!?!? なんで!? なんでこんなにチャージされてるんだ!?!?」
ひょっとしてアイツか? 実験に付き合わせるからって沢山チャージしたのかな。
でもなんで一千万なんだろう。
しかし助かったな、これで暫らくは何とかなりそうだ。
ポンポンポン
三回音が鳴った。
『おい
『
『だから電気の確保を……って、
あーそっか、いつまで居るのか分からないんだから、拠点が必要になるか。
でも俺にはサバイバル技術なんて
『ソーラーパネルとポータブル電源って高いのか? とりあえずテントを買って、しばらくは雨風をしのごうと思う』
ポン
おっと、随分と返事が早いな。
『コレのセットが良いんじゃないかな』
それを見ると折り畳み式のソーラーパネルとポータブル電源のセットだった。
ほうほう、こんな物があるのか、えーっと?
「三十万円!? うぉい! いくら何でも高すぎだろ!」
あ~、でも背に腹はかえられないし、まぁ一千万円もあるんだから良いのか?
ポン
『おい
ポン
『あ、ごめんなさい』
『いや大丈夫だ、何故か知らないが一千万円もチャージされてるから』
ポン
『なんでそんなに入ってんだ?』
『さぁ? 俺の保険金かもな』
『
うむ、確かに縁起でもないな。
さて、とりあえずは電源セットを買っておいて、スマホの電源を確保だ!
……スマホの為の電源にしては、随分と大げさだけど。
まぁいっか、電気があれば他にも便利だしな。
おっと、テントを探さないと。
ポン
『こんなテントはどう?』
おお? 放り投げたらテントが出来上がるだと! これは良い物だ。
よしこれを……二万五千円か……他に安い物は無いかな。
お! なんだよ同じで九千円台のがあるじゃんか。
『こっちの方が安いぞ?』
ポンポン
『それはやめた方がいいよ? 海外のモノマネメーカーだから』
『アホ、そこのレビューはサクラ度九十%じゃねーか』
……え? 海外製? えっと……あ! ダメなメーカーじゃん! うわ~ヤベー、しっかり調べてから買い物しないと損するな。
うん、とりあえずは
テントと電源セットをアメイゾンで購入して、俺は
ついでに買っておいた二リットル九本入りの水をテント内で座って飲んでいる。
俺、このままココで生活するのかな……誰も居ない、全然知らない場所で。
「ん? 暗くなってきたな、LEDランタン点けるか」
そういえば腹も減ってきたな、カップラーメンでも食うか。
電子ケトルをポータブル電源に接続し、お湯を沸かす。
ああそういえば、
明日にでも買っとこう。
ラーメンをすすりながら、明日からの事を考える。
この世界の事を知らないといけないから、明日は少し周囲の探索をしよう。
あいつらも周囲の状況を調べた方が良いって言ってたしな。
「はぁ、今日はもう疲れた。寝よ」
テントの入り口を閉め、寝袋に入って眠りにつく。
……眠れねぇ。
てか眠って大丈夫なのか? ここって野生動物とかいないのか?
いや、だから周囲を調べた方が良いって言われてたんだけど……
寝る前に調べた方が良いか? でも夜行性の動物が居たら危ないし。
ね、寝よ! 調べるのは明日!
何とか目をつむって寝ようとするが、全く眠れない。
何故かしらないが不安でたまらない。
こんなに誰も居ない所で一人で寝るなんて、今まで経験がない。
親がいない時は自宅だから安心して眠れたけど、こんな場所で一人なんて不安で仕方がない。
お、俺って一人暮らしには向かないのかな。
草がこすれる音がした。
!? な、なんだ? 動物か? まさか人!? 人なら挨拶を……盗賊だったらどうしよう!!
テントに近づいて来る影に、俺は怯えて寝袋に
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