*第44話 黒の筋歌

「はぁ~~~~~~~」

朝からずっとこの調子である。


「そったらんなびて、どすたべが?」

何度目かの問いかけに、

ようやくエリーゼは打ち明けた。


「バレたのよ。」

「何だべ?」

「平凡の友。」

「おろ~、なすて?」


学年末の長期休暇で実家に戻った際に、

父親のコービン男爵から特集号を突き付けられたのだ。

男爵はファン倶楽部会員だった。


「よりによってお父様がぁ~」

「世界さ広がみんたば狭めな。」


「シオンお願いよっ!」

「な、何だべが?」

「私にも秘術を授けて貰える様に、大聖女様に頼んでちょうだいっ!」


「なすてぇ~?」

「実は・・・」


シオンとエリーゼの載った特集号を見た、

会員仲間の侯爵家から縁談が舞い込んだそうだ。


「わいはぁ~!高位貴族様だんべさ!」

「そう!だから困ってるのよぉ。」


釣り合わないよぉ~

嫁ぎ先で虐められるよぉ~

喜んでるのは父ちゃん達だけだぁ~


侯爵家ともなれば侍女も貴族だ。

へたすりゃ侍女の方が上位貴族。

いや、その可能性の方が高い!


肩身が狭い・・・


「伯爵家で大金星なのに侯爵なんてぇ。」

過ぎたるは及ばざるが如し。

病んで痩せ細った自分が見える。


「聖人なんて大それた事は言わないわ!

でも秘術を授かったとなれば、粗末にはされないと思うの!」

「まんず弟子みてなもんだべな。」

「でしょう?」


「あら!何のお話かしら?」

ごにょごにょめにゃ~お昼一緒に食べよぉ~


「アーミア様!サラーラ様!」

エリーゼの目が輝く!


話を聞いたアルサラーラは大いに残念そうだ。


「あぁ、エリーゼがお嫁に行ってしまう。」

「私も辛いですわ、サラーラ様。これも貴族の家に生まれた者の定め。」

「エリーゼ!」

「サラーラ様!」

挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330668058197205


手を取り見つめ合う二人。


『女~と女~の♪

  間~には~~~♪

深~く~て♪エロ~い~♪

  筋~が~有る~~~♪』


『誰~に~も見せ~ぬ~♪

  筋~な~れど~~~♪

エンヤ~コ~ラ♪今~夜~も♪

  (自己~規~制~~~)♪』


萌え~~~♪萌え~~~♪

  あんど♪あんど♪

   萌え~~~♪萌え~~~♪

萌え~~~♪萌え~~~♪

  あんど♪あんど♪

   萌え~~~♪萌え~~~♪

振~り~返~る~な♪振~り~返~る~な♪

萌~~~え~~~♪萌~~~え~~~♪


「オラ、いってぇ何見ちょるだや?」

ふにゃふにゃもごご百合の花園よ。」

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