*第13話 モスクピルナス

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ムーランティス大陸の内陸部中央に断崖絶壁の巨大な高地がある。

人を寄せ付けぬその頂きこそ、聖地モスクピルナスである。


そこには精霊の生まれいずる泉があり、

聖女の導きによってのみ訪れる事が叶う。


伝説でしかなかった聖地の存在が明らかにされたのは9年前。

精霊教会の管轄下に置かれたのが4年前である。

そのふもとに精霊教会総本山が建立こんりゅうされ、

学び舎である精霊院が併設へいせつされた。


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「行ってみる?聖地。」

「え?えがね?」

「えぇ、良いわよ。」


総本山に来たついでにシオンを聖地に案内してあげますわ。


「私も行きますわ!お姉様!」

ごにょごにょわ、私も行く

「ではみんなでピクニックね。」


シオンが我が家に来てから、アーミアが身内以外の人と

お話するのを初めて見ましたわ。

これをきっかけに人見知りが改善すれば良いのだけれど。


「わいはぁ~!奇麗な泉だべさぁ!」

「でしょう?私もお気に入りですのよ!」


先週もアイシュタ王太子殿下と来ましたのよ!

殿下との婚約が決まりましたの。


元敵国の王族との婚姻ですので難しいかと思いましたけれど、

お母様に相談したら

「あら、そうなの?分かったわ。」

と言ってあっさり話をまとめてしまいましたの。


元老院も貴族院も、お母様には逆らえませんものね。


「明日さ入学式だんべな・・・」

「心配しなくても良くてよ?サスケちゃんとも相性が良い様ですしね。」


シオンが自力で契約が出来る様になるまで、

十二支精霊のサスケちゃんが相棒になりましたの。


ウキッ!ウキキキッ!シオンを虐めるやつは僕が殺す!

まぁ!張り切っていますわね!

「ほどほどにしなさいね。」


「なんて言ったべが?」

「”シオンは僕が護る”って言ったのよ。」

「サスケ~!頼むじゃねぇ~」

ウキッ!任せて!


十二支精霊は特級の次に力の有る、上位の精霊ですの。

ルルナの特訓で魔法のお勉強も順調の様ですわ。


「お姉様!みんなで泳ぎませんこと?」

サラーラは此処に来ると泳ぎたがりますわね。

まぁ常夏の気候ですから気持ちは分かりますけれど。


「水着など持って来ていませんわよ?」

女の子だけですもの裸でかまいませんわハァ~ハァ~ 夢のパラダイス~ ハァ~ハァ~!」


目が血走ってますわよ?

息も粗いし・・・

この子には前から百合疑惑が有りますのよねぇ。


「泳いでもえだべが?」

「あら、泳ぎたいの?」

泳ぎましょうシオン!さぁ脱いでたまらん~もうたまらん~!」

ごにょごにょ。私も泳ぎたい


みんなで水遊びをしましたの。

挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330665623553172


平凡同好会がチラロイドで盗撮をしていますわ。

”平凡の友”に載せる気ですわね。

後で没収ですわ!


人型の精霊は全部で八柱いますの。

お母様にはルルナ。

私にはハニー。

アーミアには魔子。

サラーラにはミコ。

お父様にはミサ。

チャーミィ叔母様にはサリーちゃん。

フリーデル叔父様にはルルベロ。

シモーヌにはモモ。


見た目が派手な魔法少女ですの。

でもミコと魔子とミサは地味で平凡な外見をしていますの。


派手な方が人気が出ますでしょう?

ですから知名度を上げようと三柱で同好会を結成しましたの。

同人誌を発行して頑張っていますわ。


最近はコスプレ写真を掲載したりして、

だんだん過激になって来ていますわね。

努力は認めますけれど、聖女のヌードは駄目ですわ!


一度、ルルナから厳重注意して貰わないといけませんわね。


「そろそろ帰りますわよ。」

えぇ~まだ良いでしょうあぁ~もう少しシオンのおしりを~?」

「駄目よ、明日に備えなさいな。」


仕方がありませんわね・・・はぁ~幸せな時間は駆け足で過ぎてゆくのね

ふにゃふにゃごにょまた来ようねシオン。」

「んだす!」


いよいよ学生生活が始まりすわ!



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十二支精霊や平凡同好会の詳細は

前作「エルサーシアの遺言」をどうぞ!

https://kakuyomu.jp/works/16816700426791320063

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