第9話:幻覚ヒーロー、その行方は

でも、誰もが僕を認めるわけじゃない。

お前は結局止められていないじゃないか。

大勢とは言わずともそういう声はあった。

確かにそうだ。言い換えれば風邪の症状を抑える薬ってだけで風邪自体を治す薬の役割を果たしていない。根本は解決していない。

でも、1番大きな声は今ここにいる僕自身だ。

分かっていた。自分が1番理解していた。

何も出来ていない。それは1番わかっている。

今だって結局何も変わっては居ない。

今でこそ人に恵まれ、悩むことも少なく生きてはいるけれど、あの頃の失態は結局変えようのない事実だから。

だからこそこの歪み腐った世界で生きることを選んだんだ。少なくとも人の人生を多少なりとも歪めてしまったからね。もちろんその分歪められているところもあるけれど。


ここら辺で語り部を終わるとしよう。

何度もやめようかと思ったけれど、これで全て話したからね。

何度も言うけどこれは本当にあった話。わかる人が見れば僕が誰かって気づくかもしれない。


そして、今の僕は一人称が僕じゃない。関係ないかもしれないけれど昔よりも今の方がよっぽど幸せだ。家族関係は少し悪いけどね。

好きな人がいるというのは幸せだと思うよ。もう三人目だけどね。あまり自覚したくは無いけど心には嘘って概念がないから。


長くなった。この話に伝えたい根幹なんてものは無いから気ままに読み返して欲しい。じゃ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

落として、探して、目指す光 曇空 @renchoron

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る