第10話
「す、鈴木さん?」
「お、名前は覚エてくれていたんダね?意外だなァ」
佐藤さんの直属の部下である鈴木さんとはあまり話をしたことはないがとても仕事ができると評判であり、羨ましく思っていた。
「どうして屋上にいるんですか?
今佐藤さんが屋上から…」
「いや?見てなイねぇ?4階から落ちたンじゃないの?」
確かにまっすぐ屋上に向かったが4階からの可能性も…?
ふと思考に入った途端
「前だ!!龍!!」
フェンスに寄り掛かっていた鈴木さんは一瞬にして目の前に現れぶっ飛ばされた
「嘘だヨ」
何が起こったのかわからないがギリギリフェンスに激突し落ちることは回避した。
「龍、これは戦いさ!忘れたのかい!?覚悟は出来てないのかい!?」
うさぎは無視して鈴木さんに問いかける
「ど、どうして…?」
「勘の良いガキは嫌いダが、勘の悪い大人はモっと嫌いだねェ」
「龍ちゃん気付け!あの気のいい兄ちゃんをここから突き落としたのはアイツなのさ!それに…あいつも〈ポゼッサー〉だ」
全身がひどく痛みうさぎの言ってることが半分も理解できなかったが佐藤さんを落としたのは鈴木だということははっきりした
「どうやら、君はまだ発現しテないミたいだね?いい、エさダ!」
さっきと同じように人間離れした速さで飛びかかる鈴木からすんでの所で横に飛びのくと鈴木の蹴りでフェンスが吹き飛び、破片や細い支柱が辺りに散らばった。
「うわぁ!!!」
恐怖とパニックで頭が回らない。
逃げようにも入り口は一つ。鈴木は逃してくれそうにない。
怖い、怖い、怖い、もう考えられな
「そんなことないさ龍!思い出せ!君には恐怖の中、思考を巡らせた経験がある!どんな時でも思考だけは回っていたはずさ!」
そうだ、俺はいつも怒られてる時、頭では色々考えていた。恐怖の中でもあれやこれや言い訳をずっと考えていたんだ。
すっと頭がクリアになり、周りを見渡し現状把握に努めることができるようになった。
「ふーん、普段ボーッと怒らレてるだけの木偶の坊だと思ってたケど案外動けルんだね」
圧倒的有利な状況。鈴木は余裕でニタニタ笑っている
「おいうさぎ、お前は物体に干渉できるんだよな?」
「冷静になったようだね。龍ちゃん!物は触れるのさ!君が願うのならばね!あと僕はうさぎじゃなくてランダだよ?」
「今、いいだろそんなことは!できるんだな!?」
「今こそなんだけどな…でもできるのさ」
「じゃあ少し手を貸せ」
作戦をうさぎに伝える。
「ふむふむ了解なのさ!戦いの覚悟ができたこともわかったのさ!」
覚悟なんかできてない、でもここで死ぬつもりもない
「作戦会議は終わっタのかーい?ま、意味ないと思ウけど、でも田中くんも変わッてるなぁこんナ気持ちの悪い化け物と会話シようとするなんて気が狂っテるとしか思エないよ笑」
鈴木が指差す足元を見るとビクビク震えている生き物?がいた
「触れるならぶっ飛ばシてやリたいンだけどねぇ?何故か触れらレないんだよねぇ」
地団駄を踏むようにその生き物を踏み続ける
「アイツ、最低だ!ぶっ飛ばすのさ龍ちゃん!」
「チャンスは少ない頼むぞ、うさぎ」
「「反撃開始だ!」」
ドラゴンの日常 @kenkousindan
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