女子会
一通り就寝前の準備を終えた私は、マコにハルカを加えたいつものメンバーで談笑していた。
「そういえば、どっかのクラスの男子がのぼせたらしいよ〜、しかも二人!ウケるよね」
ウケている"シミズ マコ"とは部活が同じ事もあり、クラスこそ別だったが一年の頃からの仲だ。
しかし修学旅行でのぼせるなんて。競争でもしてたのか、余程盛り上がる話題があったのか。
「マコはそういう情報仕入れくるのホント早いんだから」
ハルカの苗字はアヤセ。自分がこの名前にされた日には両親を恨んでしまうかもしれないが、幸い彼女は名前に負けない程の美人さんである。
マコとハルカは元々友達で、マコに紹介してもらう形で友達になった。
「で、どうだったわけ?新幹線の中は。」
「え?」
「だから、あたし達と班組むの解消してまであの班作った理由!そろそろ教えてよね」
そうなのだ。理由が理由なだけに、この二人にも根本的なところは説明できずにいた。「えもいわれぬ理由があって!」なとど苦しい言い訳でどうにか納得して貰ったのだ。それでいいわけ?
「いよいよコウヘイくんを攻略にかかるんだって、私たちの中では予想してたんだけど」
ハルカは結構な恋愛脳で、この手の話に目がない。
「ん〜、それはとはちょっと違うんだよね…」
濁して濁して逃げ切るしかない。
「でも確かに、コウヘイくん狙うにしても後のメンバーは何?ってなるよね」
「クロキ?くんは隣の席のよしみで、サクライさんはコウヘイくんと多少知り合いだから。だったっけ」
「ホントにごめん、言えるとき来たら絶対言うからさ」 「またそれ〜?あやしいなぁ」
「わたしのターン!わたしは少し離れたところからサクライさんを特殊召喚する!」唐突にそう言いながらサクライさんの元に駆け寄っていくマコ。
マコは歳の離れたお兄ちゃんがいるらしく、昔はよく遊んでもらったらしい。その為なのか、時々よくわからない言葉使いになる。
ほどなくして、部屋の隅の方で静かに読書に勤しんでいたサクライさんが、困惑した表情で連行されてきた。「サクライさん、ごめんね!マコがどうしても話を聞きたいみたいで…」
「話、ですか…?わたし、何か話せることあるかな」
「サクライさんはさー、好きな人とかいるの?」
おい。
「ハルカ〜?流石にいきなりは失礼だと思うんだけど…」
「ごめん、つい。 サクライさんはなんて言われて誘われたのかなって」
「そう、ですね…。」「コンノさんに話してみたかったと言われて、私も同じで、それで班に入れさせて貰いました。」
「ふーん、なんか急に決まったんだねぇ。あ、あと私たちにもタメ語でいいから」
マコは納得いかないご様子。
「でもこうしてサクライさんとお話しするのも新鮮だよね、最初の頃は学校帰りとか誘ってみたりしてたけど。」「いつも忙しそうだったからね」
確かに、そういえばそうだった。特定のグループを作ってはいないようだったから、遊びに誘ってみた事もあったっけ。
「親が、共働きで…下の子の面倒みなくちゃいけないから」
「そうだったんだ!どうりで雰囲気が大人っぽいわけだわ〜」 「ただでさえマコは童顔なのにね」
ハルカの発言はしばしば鋭利だ。
しかし、成る程。あの二人を惹きつける"何か"は、こういうところから来ているのかも知れない。
「コウヘイもお姉さん二人と妹さんが一人いて、結構世話焼いてるらしいけどね。こき使われてるだけかもしれないけど」 たぶん後者だろう。
コウヘイのいい所を伝えようと思ったが、さすがに強引すぎたか。
「え、急にどした?なんで急にコウヘイくんでてきた?」 「アスカやっぱり…!」
だあ、違う!!
結末は未定 仙人 @96231423
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