男の娘召喚士でも国家統一したい!!

ウンウン雲母

1章はじまり

第一部 一話 戦乱の世

エンデュ王国の陥落。


『エンデュ王国』北西部の外れに在る大きな街『カルバス』。この街は港として栄え、昼から多くの人で賑わう酒場『カスピテル』。普段であればこの時間からでも馬鹿騒ぎする連中がいるのだか、今日はどうにも様子がおかしかった。


いつもならこの時間に僕は酒をたらふく奢ってもらえるはずなのだが、どうにも冒険者連中は一向にやって来ない。僕は今痺れを切らして、ついでにアルコールも切らしている。


「ガウディ、今日は何かデカいクエストでもあるのか」


「そんなもんないさ。だいたいあんたこそ、大丈夫なのかい。」


マスターは何を気にしているのか。僕は好きで酒場で昼から飲んでいるのに。あれか、僕の生活が羨ましいのか、昼から人の金で呑む生活が。


「いいだろ。『カスピテル』の売上に貢献してるんだし。」


「わたしが言ってるのは、「こっから逃げなくていいのか?」の意味なんだけどねぇ。」


「なんで逃げなきゃいけないのさ。」


「そりゃ、『エンデュ王国』が『陥落』したからに決まってるじゃないの。」


「へっ?」


「わたしゃこの店があるから無理だけどね。あんたは違うでしょ。」


「……」


どうやら酒を呑んでる場合じゃなさそうです。

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男の娘召喚士でも国家統一したい!! ウンウン雲母 @tama248

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