第6話 遊郭 in a dream

この心の奥底から湧き上がる闘争心というか、本能というか、燃え上がり尖り立つ情熱のようなものはなんであろうか?


僕は小一時間考えてみた。


実は僕は答えは知っているんだ。その答えがとてもシンプルすぎて、言葉にしてしまうだけではあまりにも簡素でつまらなすぎるのだ。だから僕は思想家の様にこの気持ちを飾り立て、皆さんに共有しているのだ。


この小説を見続けてくれている人には、この気持ちがなんのことであるか、自明であると思う。


好きな女の子。好きな子が喘ぎ、悶ている姿。頬を赤らめ、何かを求める様に舌を出し、恍惚とした表情を浮かべている。僕は君に容赦なく襲いかかり、君を求める。


深く、もっと深くまで。僕が絶頂に達した時、迸る白い炎が君の心まで届いてほしいと思う。しかし、現実は残酷で、僕の息子は君の心に届くほど大きくはない。だから永遠に僕は君とこの儀式を行うのだ。届かない思い。届かないからこそ求め続け、与え続ける。もっとユニークで、知的で、もっとキミを楽しませられる方法で。


僕は今日も思想し、思い続ける。君の恍惚とした表情を。

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性!性!性! @nirvanadream

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