執筆日和～言葉の花束 届けます～

花言葉 ノウゼンカズラ

　夏になると赤や黄、橙色の華やかな花が咲き乱れますよね。

　中には芙蓉（ふよう）や蓮のように優しい白やピンクの花や、アガパンサスや露草のような寒色系の花もありますが……やっぱり華やかな暖色系の花が目につきます。

　私、生まれと育ちは北関東なんですが、結婚してから南関東に引っ越してきたんです。もう十数年も前の話ですけどね。

　引っ越してきて迎えた夏、ご近所の庭や家に生い茂る蔦の花がとても気になりました。

　華やかな赤橙の花で、朝顔のような丸みを帯びた花びらですが、燦々（さんさん）とした太陽が似合う、南国風な花なんです。幼い頃に見た記憶がなく、でも、どこかで見たことのある花だなと思ったんですよ。

　それが、7月14日の花『ノウゼンカズラ』です。

　私の実家周辺では庭に植えるお家がなかったのですが、調べてみると、日本では本州東北地方以南で日当たりと水捌けがよいところなら、栽培が可能なようですね。

　今のご近所さんには、植えているお家がちょいちょいあって、この花が咲くと夏だなって思います。

　庭木どころか家のベランダにまで蔦が巻き付き、たくさんの花をつけているお宅があるんです。なかなかの見応えですよ。

　南国のコテージに似合いそうな花で、ハイビスカスの仲間なのかと思ってましたが、なんと、原産国は中国らしいですよ。

　平安時代に日本に伝わってきたそうです。

　『ノウゼンカズラ』を漢字で書くと『凌霄花』となります。音読みをするとりょうしょうかでさすね。

　どうやら、古くは陵苕（のうしょう）とも呼ばれていたようで、りょうしょうあるいはのうしょうが転じて『ノウゼンカズラ』になったようです。

　どうしてそうなった。と突っ込みたいところですが、ノウゼンの方が言いやすかったんでしょうかね。　

　そんな『ノウゼンカズラ』の花言葉は『名声』『名誉』です。

　英語では、花がラッパの形のように見えることから、Trumpet vine（トランペット-ヴァイン）やTrumpet creeper（トランペット-クリーパー）と呼ばれるそうです。トランペットは、勝利者を祝福するファンファーレを吹くものであることから、この花言葉がついたようですね。