花言葉 カラー

 ♪ 夏が来れば 思い出す

  はるかな尾瀬 とおい空 ♪


 夏の青空を見ると思い出す風景って、ありますよね。栃木で生まれ育った私にとって、尾瀬の風景はそのひとつです。


 広い青空に、どこまでも続くような湿原と高山植物。

 子どもの頃に、親に栃木に生まれたんだからと連れて行かれたことがあります。子ども会の旅行だったのかもしれません。

 どこまでもひたすら大人に合わせて歩くのは、なかなかの苦行だった記憶があります。


 でも、景色はとても綺麗でした。

 もっとゆっくり歩きたい。もっと花を観察したいのに。そう思いましたね。


 歳を重ねた今だから、尾瀬の自然の中を歩いたら、もっと違った感情を抱くのかもしれません。

 尾瀬がちょっと遠いところに引っ越してしまったのを、夏の空を見ると残念に思います。


 あれ? 今日はカラーの話じゃないのかって思いました?

 ご安心ください。カラーの話ですよ。


 6月27日の花は『カラー』です。

 すっと立つ姿はとてもスタイリッシュですよね。あのが、その昔、修道女のカラーに似ていたことからその名前が付いたとか。


 花言葉は『華麗なる美』『乙女のしとやかさ』『清浄』だそうです。

 今でこそ、様々な色のものが花屋に並んでいますが、カラーと言ったら、やはり白の印象が強いですよね。

 その純白も加わって、花言葉のイメージが出来上がったのかもしれません。


 ふふっ、疑問に思いましたか?

 私がカラーの白い部分を、花弁と言わなかったことを。


 実はあれは、仏炎苞ぶつえんほうと呼ばれる部分で、花は中心にある黄色い房の部分だそうです。

 仏炎苞を持つ花と言えば、水芭蕉みずばしょう座禅草ざぜんそうが日本では有名ですね。

 どちらも群生する姿は圧巻です。


 そう、カラーの仲間に水芭蕉があったので、尾瀬を思い出したんです。尾瀬は、水芭蕉の群生地としても有名ですからね。


 カラーは茎が長いですが、水芭蕉と並べると、仏炎苞に包まれた花の姿は、よく似ていますよね。どちらもサトイモの仲間だというのがよく分かりますね。

 そう、仏炎苞の色こそ違いますが、サトイモにもよく似ているんですよ。


 スタイリッシュなイメージの強いカラーがサトイモと仲良く肩を並べるのを想像したら、ちょっとほっこりしました。

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