第7話 続・◆言う、言った問題

出てきましたよ、早速。

雲江さんのご指摘を生かせる推敲個所が。


◆言う、言った問題


「うん。俺が孤独な老後を迎えるんじゃないかと心配してたんだって」

伊坂はシャンパンをグラスに注ぎながら言った。

「うん。俺が孤独な老後を迎えるんじゃないかと心配してたんだって」

伊坂はシャンパンをグラスに注いだ。


それまで明るかった表情が曇り、

「ちゃんと歩けるかな、友里」と

呟いた。

それまで明るかった表情が曇る。

「ちゃんと歩けるかな、友里」


◆敢えてそのまま残すケース

以下の文章は、推敲はしましたが一切直さず、「語る、思った」などそのまま残すケースです。あった方がいいと思うので。


「ちょうどエレベーターで二人になった時に渡されて。

『歩けるようになってから使えるようにちょっと大きめ』と言われたら不意に。

人前で泣いたのなんて、何十年ぶりだと思うんだけど」


そう語る伊坂の表情は、穏やかだった。


理世は、人に弱みを見せない伊坂が「泣いた」と告白したのに驚き、一方で、二人とも酔いが回ってきたかなと冷静に思った。

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