第42話 夏ツーリング 集合

「サイトウ 盆休みツーリング行く?」

「行きます!」

俺はクスダさんの問いかけに1ミリ秒で返事をした


―― そしてツーリング当日

集合場所の今井セブンイレブンに行くと クスダさん アマイさん テルの3人が駐車場に居るのが見えた

オーバーのマフラーを装着した新しいXJRを自慢しようと 俺は意気揚々とテルのサベージの隣にバイクを停めた

「はざーっす!」

「おいっす」

「うーす」

それぞれに挨拶を返してくれる

「ういーす あれ?」

テルが何かに気づいた様に立ち上がる

「そういや 替えたって言ってたっけ」

(来た来た…)

「メット」

「お おう… メットな」

「革ジャンも替えたんだっけ?」

「ん? あ〜 そう バンソンだぜ? いいだろー」

「いいなぁ 新品メットと革ジャン オレとケンゴがやったメットと革ジャンを犠牲にして保険金詐欺で手に入れたんだっけ?」

「いや!言い方! 詐欺じゃねぇし!正当な保険金だし!」

「詐欺師はみんなそう言うんだよサイトウ」

「いやクスダさん!何言ってるんですか!」

「詐欺は良くない 良くないぞサイトウ…」

「アマイさんまで!」

「付き添ってやるから自首しようぜカツw」

「あのなあ…」

「これ以上 罪を重ねるなよw」

「分かった分かった …すいませんおまわりさん 俺がやりました…」

「心配するな悪いようにはしない 初犯だけど確実に執行猶予ナシの実刑にしてやるから ちなみに黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もないからw」

「悪いようにしかなってない!」

「安心しろ 革ジャンとメットはもらっといてやるから」

「しかも物まで取り上げられた! ハッ! さてはお前ニセ警官だな!」

「ふっふっふ… バレちゃあしょうがない 何を隠そうオレは…」

「いや いつまで続けるんだこれw」

「そろそろ良いかw いいな〜!メットと革ジャン新しくなって! オレの革ジャンを犠牲にして」

「いや戻ってるし! もういいって ちょい飲み物買ってくるわ」


コンビニでおにぎりとコーヒーを買って戻ると見慣れない人がクスダさんと話しをしている

(あれ? この人どっかで…)

とりあえず挨拶する

「はざっす」

「お ちわっすー」

「え〜と…」

「クマガヤだよ 遠嶺えんれいで会ったろ?」とクスダさんが教えてくれる

「あ!思い出した メッチャ速い人だ!」

「そんな事ないよ」と謙遜するクマガヤさん

物腰が柔らかいのにバイクに乗ると豹変するって こち亀の本田みたいだ

「声かけたら珍しく行くって言うからさ」

「じゃあ今日は6人って事ですね」


コーヒーを飲みながら皆で話をしていると 集合時間が過ぎた頃にケンゴが来た

「はざーっす!」

「よし行くか」とテルが立ち上がる

「ちょ、一服させてよ」

「いやもう出発時間だから」と俺も立ち上がる

「あ カツ 革ジャン替えたんじゃん」

「そのくだりはもうやったから よし行きましょうクスダさん」

「よ〜し 行くかあ〜w」とクスダさん

「いやいやクスダさん 一服させてください!」

「「しょうがねぇなぁ〜」」と俺とテル

「いや何でお前らがいうんだよ!w」


今日も楽しくなりそうだ

夏日になりそうな青空を見ながらそう思った


おっと忘れてた 今回のツーリングの行き先は乗鞍スカイライン

雲上のスカイロードだ 


























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