第11話 初ツーリング その集合
現在6時40分
無事二度寝を終えたオレは
「んじゃ 行ってくるわ」と母親に声をかけ玄関に向かう
「気を付けて行ってきなよ」
「ん〜 行ってきます」
俺の母親は 自分は原付で通勤しているのに オレに対しては
「やだやだバイクなんて お〜怖い」とか言う心理がよく分からん
とこの頃は思っていた
外に出ると快晴だった
日中は気温もかなりあがるらしい
エンジンをかけてから
前後のタイヤを親指の腹でグッと押して空気が入っている事を確認する
次はチェーンの張りと錆びていないかを確認
運行前点検というやつだ もっと色んな項目があった気がするけど
最低その位はやっておくべきだとクスダさんに言われてから やるようにしている
確認を終えて グローブやヘルメットなどの装備を身に着ける
その間エンジンがかかりっぱなしだけど ノーマルマフラーなので近所迷惑という事はないと思う
バイクを押して家の前の道路に出し
「よし 行くか」 あえて声に出し気持ちのスイッチを入れる
オレは初ツーリングに向けて走り出した
まずは回転を上げずにエンジンとミッションの暖気を行う と言うか
ブン回さずに走っていれば暖気完了だ
前後ブレーキの確認も忘れない 何回かかけて効きを確認する
オッケー問題なし
家から集合場所の
水門に着くと すでに駐車場にはテルとサベージの姿があった こういう時テルは集合時間よりも早めに来ている事が多い
オレは テルとサベージのすぐ横にXJRで乗り付ける
紅茶花伝のミルクティーを飲みながらたばこを吸っていたテルが 何だコイツ?みたいな顔で見て来る
メットのシールドを上げ テルに向かって
「ういーす!」と声をかけると
とたんにテルの顔が笑顔に変わり
「なんだカツか!誰かと思ったよ」
「早え~じゃん」と言いながらグローブとメットを外す
「やっぱ
「そ 白か黒かで迷ったけどコッチにした」
「いいじゃん黒」
テルは昔暴走族だった事もあってか そっち系のバイクにはそれなりに詳しく
「フルノーマル?」
「そ マフラー位はとっとと替えたいからバイク雑誌みてるとこ」
テルがXJRを見ている所を オレがニヤニヤしながら見ている
自分のバイクを見られるのは嬉しい様な恥ずかしい様な誇らしい様な
「カッコいいら~?」
「サベージの方がカッコいいけどな」
バイク乗りは自分のバイクこそが世界一カッコいいと思っている
「
「いいよー」
族時代の事は知らないけど オレが知るテルは人が嫌がる事はしない
だから勝手にバイクに跨ったりもしない
ハンドルやステップのポジションを確かめて嬉しそうに笑う
「いいじゃん んじゃ ありがたく貰っとくわ」
「いや やらんし」
バイクを降りるとテルが
「あれ?それ何?」とオレの胸元に手を伸ばしてきた
「え 何が?」と下を向くと
「ベシッ」と言って
「ぐあっ しまった!会うの久しぶりだから油断してた!」
何だかんだ理由をつけて下を向かせて
コレはテルの得意技だ
「カツは
「くっそ~!もう絶対引っかからん!」
前言撤回! 人が嫌がる事するわ!
「オレも何か飲も」
自販機でショート缶を買う
「そういや 今日どこ行くん?」
「あー 海だよ 新潟 いつだったかケンゴとツーリング
「覚えてるよ 何か
「いやそこは美味かったって言っとけよ ま とにかくそれ買ったトコに行くことにした 海っぱたで気持ちいいんだ」
「ふ~ん ま どこでもいいけど ついてくだけだし」
「結構遠いぜ 片道5~6時間かかるかな」
「あ~
「帰りは間違いなく夜だな」
「いいよ別に 明日も休みだし テルもだろ?」
「おう 俺も休みだよ」
「つーか ケンゴ来ねえなあ いつもの事だけど」
噂をすれば影 バイクの排気音が近づいて来る
ケンゴのVT250スパーダだ
ケンゴは俺らの横にバイクを停めてメットを外す
「おいっす~」
「おいっすじゃねえよ 遅せーぞ 自分で7時っつっといて」
「いや 7時出発じゃなくて 7時集合だから」
「どっちにしても もう7時過ぎだわ」
「いや そんな事より 朝飯食っていい?」
といってジャンパーのポケットからおにぎりを出して食い始める
「「いや ホントに食うのかよ!」」 オレとテルの声がハモる
ケンゴはこういう奴だ
作者の言い訳
第9話 ツーリングその前 作中の集合場所をコンビニから釜口水門に変えました
私の記憶の
時代的には
コンビニ→少なくとも私の周りには無し
携帯電話→無し(ポケベルがあったか?)
デジカメ→無し(写ルンですがあった?)
道の駅→長野県と新潟県にはまだなかった?
みたいな感じだったと記憶しています
記憶が
小説のジャンルをエッセイ・ノンフィクションから現代ドラマに変更しました
どうでも良い事かもしれませんが よろしくお願いします
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