第6話 初公道・裏

「お エンストしないで行けたじゃん」

「んじゃ うちらも行きますか」


こちらはクスダ・アマイSIDEさいど


サイトウの乗るXJRに続いて走り出す

「おー 分かりやすい程にガッチガチだなあ 大丈夫かなアイツ?」

「初心者丸出しっすねぇ ウィンカー出しっ放しだぞ~」

「お 消したわ 聞こえたかな?」

「ま 最初はこんなもんか~ アマイもあんな感じだったろ?」

「いやいや もうちょっとマシだったっすよ」

「クスダさんは?」

「俺は~ …忘れた」

「あ ずりぃ」



「お 踏切 坂道発進っすね」

「坂道って程でもないけどな どうかな~」

「停まって~ ブレーキ踏み替えて~ 教習所の教え守ってますねぇ」

「なかなかスタートしないな どうしたどうした?」

「てこずってますねぇ」

「お 行った行った 結構楽しいなコレ」

「そうっすね」



「めっちゃ慎重に走ってんなぁ」

「あれ?今 何速だっけ? とかやってそう」

「あ~ 最初はすげぇ気になるんだよな~ 気にする事でもないのに」



サイトウが急ブレーキ気味に停まる

「おっと ちょっと危なかったか?」

「あれはウィンカー出すのが遅い車が悪いっすね」

ガチャガチャとシフトペダルを踏みつけている

「あれやると 一速入りにくいんだよな~」

「そうそう 走り出そうとするとニュートラに入ってブウーンて」

「で ギヤを入れなおす と」

「ん?やってんなアレ」

「予想通りじゃん あっはっは」



「ニュートラでブウーンと言えばアレっすよね 1速から2速に入れたつもりがニュートラに入ってて ブウーン!て」

「あ~ あるあるだな~ アレやると恥ずかしいんだよな~ マフラー替えてると特に」

「音 デカいっすからね~」

そんな話をしていると サイトウが信号待ちの先頭になる

「お ニュートラチャンス やってくんねぇかな~」

「ニュートラチャンスて」

信号が青に変わる

「よし行け!サイトウ!」

ブウーン!!

「あっはっは!やってるやってる!」

「あっはっは!期待を裏切らんな~サイトウは!」



「つーか サイトウ レバーとかペダルの位置調整なんかやってないよな?」

「やってないんじゃないっすかねぇ」

「一回見てやるか~」

「そうっすね」



「もう大丈夫そうかな?」

「そっすね 一通りやりましたからね」

「アマイ ちょっと近づいてホーン鳴らしてみ?」

「ん りょうかい」

すうっと近づきホーンを鳴らす

ププー!!

「あっはっは!めっちゃビクってなったぞ」

「悪い先輩だなあ」

「いや やったのはアマイだからな?」

「真っすぐの道でやる所がやさしいでしょ?」

サイトウは周りをキョロキョロ見まわしている

「あれ?もしかして俺らが付いて来てる事忘れてた感じか?」



「そろそろいいかな? アマイそこから左行こう」

「そっすね」

ププッとホーンを鳴らしサイトウと別れる

「サイトウ バイク続くかなあ?」

「どうっすかね これからどんどん寒くなるし」

「冬の間にバイク熱が冷めちゃうかもな~」

「とりあえず一回 ツーリング行っときますか」

「そうだな」
















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る