第20話…「閉鎖的な生活環境の中で、美女が寝床に忍び込んでくるのは、手を出すのが礼儀なのでは?」


――――「ラピスの精霊湖(丑三つ時・曇り)」――――


 ここ最近は暑苦しい。

 日が落ちて、気温が落ちていくけれど、アレッドは寝苦しさを感じて目を覚ます。

 季節で言えば、今はもう夏に入った時期だろう。

 しかし、もちろん昼間は暑いが、夜はさほど暑くない。

 それでも寝苦しさを覚える。

 目を覚ましたアレッドは、またか…とため息をついた。


 暑苦しさは気温のせいではなく、人肌の…自分よりも体温の高い相手からの熱。

 寝苦しさはその熱を感じるのが原因ともなっている…、自身の体に絡まる様に抱き着いている相手のせい。


「はぁ…」


 アレッドは、首元に巻き付くように抱き着いてきていた腕を退け、足に絡まっている魅惑の美脚を退ける。

 月明りが照らす中、その白い肌が、より一層妖艶さを増して、見るだけでアレッドの胸は高く脈打った。


『・・・ん、ん~』


 アレッドは、この状況に頭を抱えたくなる。

 当然の事だ。

 体はどうであれ、思考は彼女の中身が中身だけに、男よりなのである。


 暗い中、月明りでうっすらと浮かび見える…その相手の顔は、美人の一言だ。

 美女が、腕を…足を絡ませている状態…、男として、ソレが嫌だと思う人間がいるのだろうか…、いやいない、ほとんどの男性が、ソレを拒絶しない…、アレッドは男である心の中で断言する。


 自身の頬が触れなくてもわかるほどに熱くなっているのを感じた。

 きっと、今の彼女の頬は林檎のように真っ赤に燃え盛っている事だろう。


 アレッドは、気持ちを切り替えようと、一度咳払いをして、その相手…アパタが起きないように、自分の寝床から起き上がる。


「こういう事するのって、普通逆なんじゃ…」


 男が女に夜這い…なんて考えは、もはや古い考えなのだろうか…、ふと湧いた疑問を、頭を振って掃き出し、近くで寝ていたハティやビルの横をすり抜け、アレッドは豆腐ハウスを出た。


 アパタやクンツァ、イオラにコボルトたち、彼らのちゃんとした家は、鋭意製作中だ。

 先にトイレを完成させ、スイ道などのインフラを優先して作ったがために、彼らはまだ豆腐ハウスよりも広めの家に雑魚寝状態となっている。

 アレッドと彼ら、寝る場所を分けているはずだというのに、夜な夜な、毎日ではないにしても、アパタは彼女の寝床に潜り込む。

 やめろと言っても潜り込む、理由を聞いても、サキュバスだから人肌が恋しいだの…と言い訳をする…、嘘には聞こえないが、それでも本音を明かしているようには思えなくて、笑いながらはぐらかされ続けている。

 何を言っても…聞いてもダメなようで、頭を抱えるばかりだ。

 体が女になっているからこそ、ある程度は抑制できるが、いつかタガが外れてしまう…と不安が募った。


 アレッドは、どこまでも、心は男だった。


 火照った頬を撫でる風は、ただただ涼しい。


「ハティもアパタが侵入してきたら、追い出すか、ウチを起こしてくれればいいのに…」


 ハティ達も、アパタ達と仲良くやっている。

 あの状況をよしとするのは、アパタが敵ではないとわかっている故…か。


 水辺に近づいて、湖の水をすくい取り、顔を濡らす。

 眠気は飛びそうだが、あの状況では寝床で寝る事は出来ない。


「今日もまた、ハティをベッド代わりに寝よう…。イイって言うのなら、自分のベッドな訳だし、アパタなんて気にせず寝るんだけど…」


 だがしかし、言い訳がない。

 親しい中にも礼儀あれ、まだ出会って日の浅い自分達は、ちゃんとした距離感を持たなければ…、アレッドはそう考えている。

 アパタはサキュバス、中身が男であるアレッドは、アパタの力に翻弄される側でもある訳だから…。


 彼女の魔力は男を迷わす。

 その魔力は、サキュバス限定の固有アビリティ【虜のあなたへ】、男に対して魅了し誘惑するモノだ。

 ファンラヴァでは、性別関係なく、確率でかかる魅了デバフを与えるモノであり、数秒間、当人への攻撃命中率の低下、攻撃力と、防御力を低下させる効果だった。

 アビリティは常時発動するモノではなかったし、発動時に相手の方を、キャラが向いていなければ受ける事のないモノだ。

 しかし、ソレはあくまでゲーム内で、都合よく作り出された効果の話。


 この世界での【虜のあなたへ】は、オンとオフはできるものの、あくまで抑え込む形で、常時発動している。

 それは、サキュバスが自然と体に纏わせる魔力に、その効果が乗っているからだ。

 意識すれば抑え込むことができるが、睡眠中などはソレができない。

 アイテムで自動的にオフにできるようだが、そんなアイテム、ココにある訳もない。


 効果を受けるのは男限定だ。

 体は女だが、中身が元男だったアレッドには効く…、つまりは魅了される。

 ゲーム的な攻撃力低下等は無いが、魅了されると、どうしても相手を大事にしなければならない…と戦意等を削がれる上、とにかく魅力的に見えるようになるため、劣情も膨れるのだ。

 アレッドは、この効果を知った時、体が男でなくてよかったと思った。

 もし、体まで男だったら、自分を御せる自身が無い。


 とにかく、強く魅了されると、相手が愛おしくて愛おしくてたまらなくなる。

 そうなってしまえば、攻撃する気は起きなくなるだろうし、相手の全てを受け入れてあげようと、攻撃だってその身で受けるようになるだろう…、攻撃できたとしても、怪我をさせたくないとか何かしらの要因で、その力も低下するはずだ。

 結局、ゲームと同じで、攻撃を命中させる事も、攻撃力も、防御力も、どれも下がる。

 加えて、ゲームには無い効果のオマケ付きだ。


 男限定であり、当人の技量に左右され、意のままに操る事ができる者など、ほとんどいないという話だが…、そんなもの毛ほども気にならない壊れな、恐ろしい能力である。


「はぁ…」


 顔を濡らす湖の水は、どこまでも冷たくて、そして気持ちがイイ。


「サキュバスだから、人並み以上に、人肌が恋しくなったりするのか?」


 敵意が無い事はわかっているが…、本人が言っている事を、どこまで信用すればいいのやら。

 人肌が恋しいなら、他の人でもいいだろう、何故自分の所に来るのか、アレッドは不思議でならない。


 面倒くささを覚えると同時に、ソレは自分の周りに人が集まり、孤独が消えていく事だと気付く…、賑やかになったモノだ…、アレッドは、ふふっと口元に笑みを浮かべるも、ソレはすぐに消える。


「賑やかで、明るい日々…か」


 月明りだけの、この暗い夜の闇がそうさせるのか、アレッドの感情は沈んでいく。


 何が、どう賑やかなのか。

 どういう状態が賑やかたらしめるのか…。

 それを考えると、引き合いに出される比較対象は、彼女にとって、必然的に過去の記憶だ。

 賑やかだった日々、楽しい食卓に、楽しいゲームの時間、会話…えとせとら…えとせとら…えとせとら…。


 和気あいあいと、知り合いと会話を交わす日々が、再び訪れたと言っても、元に戻った…という訳じゃない。


「ズルズル…ズルズル…、全部を塗り替えるには、まだまだ時間がかかりそうだな」


 毎日を賑やかに、楽しく過ごすための仲間はできた。

 前世のように、どこにいるかもわからない誰かの為に、毎日毎日働く日々じゃなく、自分達のための空間を、自分達の為に動き働く、仕事の面だけを見れば、前世より充実し、やりがいを感じられる生活と言える。


 何かを楽しいと感じる度に、前世を思い出すのは、前世が過去になっていない証拠だ。

 全てが終わったあの瞬間は、アレッドにとって、まだ過去ではなく今なのだ。

 手を伸ばしても絶対に届く事のない、過去という今だ。


「いっそ、もっと吹っ切って、本当の今を見られるように、積極的に動くべきか?」


 例えば、どういう理由か、自分の寝床で寝ているアパタを受け入れるとか。


「・・・いかんいかん」


 アレッドは首を勢いよく振って、再び熱くなり始めた頬を、両手で覆う。


「仲良くなるよりも、色々なモノが理性もろともすっ飛びそうだ」


 何度でも言おう…、アレッドも中身は男だった。

 美女に言い寄られているのだって、よく耐えている方なのに、悪い気はしないから…自分の為だ…と、一度受け入れてしまえば、あれやこれやとタガが外れる…、それこそズルズル行く。


「間違いない…断言できる…。前世だって、アイツに密着されて心中穏やかじゃなかったんだ…」


 それこそ、サキュバスに魅了されている…と言えよう。

 相手にその気があったとしても無かったとしても、ソレは越えちゃいけない一線だ。


「思春期真っ盛りの男子かよ…。全ては清く正しい交友から…だ」


 うんうん…と自分の言葉を肯定するようにアレッドは頷く。

 でも、やっぱり心は傾く、だって男の子だから…。


「ちょっとぐらい…、ちょっとぐらい…、今、自分の寝床に…」


 自分の意思で潜って、そこにいるあの人を、もう抱き枕に抱き着くように思いっきり…。


『ダメだよッ!』


 頭の中に声が響く。

 同時にピチャッと湖の水面が波打ち、アレッドの体はビクッと跳ねた。


 うっすらと、水面に反射する月光…、その中心から顔の鼻から上を覗かせる青い肌をした女性の顔に、アレッドの血の気はサーッと、瞬く間に引いて行った。

 ジトッとした目が、アレッドを捉え、濡れた髪が頬へとへばりつく。


「・・・」


 声が出なかった。

 昼間ならいざ知らず、こうも暗い場所でやっていい事ではない。

 腰が抜けたかのように、ストッと、その場に座り込んだアレッドに対して、女性はスイスイと、頭を上下させる事も無く、湖を移動してくる。

 アレッドの心中は、先ほどとは別の意味で穏やかではない…、穏やかでいられるわけもない。

 ジトッとした目は、どこまでも恨めしそうに、彼女を睨みつけている。

 呪われるのか、それとも呪い殺されるのか…、結局の最後には呪われる結末を背負ってしまっているように錯覚させた


『破廉恥でダメ、お姉ちゃんは絶対に許しません』


 ブクブクと、水面から覗かせる顔の前に、水泡が浮き上がっては、弾けて消えていく。


『絶対だめだから』


 それはある意味で呪いか…、嫉妬の籠った言葉が、チクチクとアレッドへと刺さる。


「ま…まだ未遂だから…」


 その視線に耐え兼ねて、飛んでくる視線を少しでも遮ろうと手を振って、顔を逸らす。


「そもそも、ウチが夜這いを掛けたならまだしも、むしろ掛けられてる側だし、それで抱き着いただけでお縄ちょうだいみたいな事を言われても…」

「それでもお姉ちゃんは許しません」

「そ…そうですか…」


 姉からの愛が想像以上に重い事を、アレッドは知った。


「わかったよ。今はもう少し自分の自制心に頑張ってもらう」


 とはいえ、相手はサキュバス、アレッド自身、どれだけ頑張れるのか、不安しかないが…。


 姉…ラピスは、口元でブクブクさせながら水面に視線を落としていた。


『最近のあっちゃんは、どうも、あのサキュバスと仲がよろしいようで…』

「な…仲? ウチとしては、全員平等に接してるつもりなんだけど…」

『そうかなぁ~? それにしてはスキンシップが激しいように見えるけど…』

「向こうの…だろ? ウチは特別、彼女へ何かをした覚えは無い」

『まぁ助けたのは全員一緒だからね』

「そうそう。だからアパタさんに特別何かをしてるって訳じゃないから。機嫌を直してくれると助かるな?」

『む~…。・・・じゃあ今回は見逃してあげる。でも、エッチなのはダメだからね』

「う、うん」


 あなたがソレ言うのか?…と口から出そうになったツッコミを、アレッドはすんでの所で飲み込む。

 この世界での、人魚の容姿はソレでイイのかもしれない、アパタもクンツァもイオラも、コボルトたちだって、ラピスの容姿に特別何かを言う訳でもない。

 しかし、アレッドの前世の常識で言えば、ラピスお姉ちゃんは、全裸お姉ちゃんであり、通報案件お姉ちゃんなのだ。


 周りが気にしないのなら、ソレでイイ。

 その姿が眼福である事に、変わりはないのだから。

 衣服類を作る環境が整ったなら、真っ先にラピスの服を作ろう…、そう心に誓って、アレッドは心を落ち着かせた。


 それにしても、アレッドは、ラピスの姿を見るのが久しぶりなように感じる。

 建物建設にスイ道建設、畑の実験など、色々と充実した日々を送っていて、周りを全部見切れていなかったのも原因の1つだが、実際、ラピスは最近アレッド達の元へ、顔を出す回数が減っていた。

 それとなくアレッドが聞いてみると、お姉ちゃんも色々と大変なの~ッ!と、子供のように頬を膨らませる。


「まぁまぁ。何かあったの?」

『クンツァたち新入りの事もあったし、森の警戒レベルを上げたんだよ』

「警戒レベル…そんなのがあるんだ」

『あるに決まってるじゃんッ。森に棲んでるのに、気が付いたら森が無くなってた…なんて事になるのは嫌でしょ?』

「それは確かに」

『だから、血眼になる必要はないけど、欠かさずやってるのよ』


 水辺の地面に手を付いて、ラピスはズズイッと、上半身を水面から出して、アレッドの方へ体を近づける。


『お姉ちゃんはね、今まで昔が忘れられなかったの。お母様に託された使命を全うして、自分の領域を守り抜く』

「うん」


 顔は目の前まで来ていても、声は直接頭の中に届き、その口が動く事はない…。

 さっきは怖いとすら思えた、その顔も、水から出て、月明りに照らされ、今は神秘的で綺麗だ。


『それだけが生きがいで、それ以外の事なんて、領域に危害が加わらなければ、捨て置けばいいとすら思ってた。でもねあっちゃん、モノを知る…て楽しいね。ご飯のおいしさを知る事も、人とお話をする事だって、こんなに楽しいモノだとは思わなかったわ』


 その顔は真剣で、うっすらと浮かべた笑みは、とても柔らかかった。

 初めて会った時、顔こそ見えなかったが、人を殺そうと襲い掛かって来た人と同一人物だとは、到底思えない。


『ふと思ったのよ。私はお母様が望む通りに、領域を安定させばいいと思っていたけれど、お母様が目指していたのは、こういう事だったんじゃないか…て。私の領域は、誰にも荒らされず、そして荒らさせずに平和だった…、でもそれはイイ意味での話、酷い言い方をすれば、何も無かったの。そこにはただ自然がポツンッとあるだけ。楽しさを知った今ならわかる。ソレがとてもつまらないモノだったってね。私達精霊が、過去に任された世界の安定は、私が知った事の土台を作るための準備でしかなかった。準備をするだけして、満足していたけど、今は、その先が見たい』


 真剣どころか、話を続けるだけ、その眼はギラギラしていくように見える。


『だから今では、私の役目はこの領域がただ守られればいい…て訳じゃなくなったの。あっちゃんも、ココに住むようになった子達も、私の庇護対象。でも私はそんな強くないから、何かあった時は、力を貸してね、あっちゃん』


 伸ばされた手が、アレッドの頬へ触れる。

 ニコッと笑ったラピスの目は、興奮を隠しきれないと言った感じだ。

 まるで、クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントを前に、はしゃぐ子供のようである。


「わかった…から、とりあえず落ち着こうか」


 心なしか鼻息も荒く感じる姉の頭をポンポンっと、アレッドは叩く。


『おっと、コレは失礼。ちょっと興奮しちゃった』


 ラピスは、体を湖の中に落とし、水を操って水上に水のベッドを作り、そこへ座る。


『はあ~。なんか疲れちゃった。思ってる事を相手に伝えるだけなのに、案外疲れるのね』


 ラピスは、ため息をつきつつ、興奮から火照った頬を手で触って、ヒンヤリとした手の体温で覚ます。


「それにしても、改まってどうしたの、急に?」


 この場所を守る…、それはアレッドにとってゆっくりと過ごせる自分の居場所を守る事と同じだ。

 言われなくてもそうするし、自分の為に助けると決めた以上、言われるまでも無く、ココを守るために力を使うつもりだった。

 アレッドの方から、お願いするならわかるが、まさかラピスの方から頼まれるとは、彼女は予想していなかった。


『・・・それは…その…、私、最近色々と大変で、あっちゃんを構ってないし、構われてもいなくて、寂しくて…その…』


 もじもじとそっぽを向きながら唇を尖らせ、両手の人差し指を突き合わせる。

 これが何百年…下手をすれば何千年と生きている存在の行動か…と、アレッドは戸惑いを禁じ得ない。

 そして、長寿でありながら、子供らしい行動にギャップを感じ、ただただ可愛さだけが、アレッドには伝った。


『…それで、たまたま気分転換に湖の中を泳いでたら、…あっちゃんがいたから、話がしたくて、お腹も空いてたし、こんな時にあっちゃんのご飯を食べたらおいしいんだろうな~って思って、その幸せを思い出したらズルズルと…。・・・てッ、何をニヤニヤしてるのッ!? こっちは真面目な話をしてるのにッ!?』

「おっと、つい」


 ラピスに指摘され、咄嗟に手を口元へ持って行く。

 確かに、その瞬間の彼女の口元は笑っていた。


『…むぅ~、それでね』


 腰を折られたラピスだが、話を戻そうとした時、そのお腹からグゥ~ッと、彼女の気持ちを補填するかのように、飯を食わせろ…と言わんばかりに、お腹が鳴った。


『う、うえぇ~…』


 ラピスは目を点にして、口をあわあわと、開いたまま閉じられなくなる。

 口でしゃべる訳でもないのに、不思議なモノだ…と思いつつ、アレッドは自身も感じる小腹の空きと共に、何か摘まめるものを作ろうか…と、ラピスに打診し、彼女も俯きながらそのお腹を摩りつつ頷くのだった。


 調理場へ赴いた2人、ラピスに【光球】を作ってもらい、アレッドはジョブを調理職人に変更し、[簡易作業セット]を取り出して、調理を始める。


「それで、最近忙しかったのはなんで? 話からして、他人事じゃないと思うけど」


 まだ始めたばかりだというのに、両手にフォークとナイフを持って、リズムよく左右に揺れるラピスは、ハッと我に返る。


『まだここに影響が出るとは決まってない話』

「というと?」

『クンツァたちの事もあったし、北側の動きがどうも怪しくて、そっちに重点を置いて警戒してたの』

「それで、何か見つかった…と」

『まぁ、見つかったと言えば見つかったね。クンツァたちと同じような事をされた人たちの亡骸がいくつか』

「ソレはまた…」


 穏やかな話じゃない。


 ラピスに、直接的な影響があるかはまだ分からない…と前置きされてはいるものの、見つかったモノがどんなモノなのか、容易に想像ができる以上、ソレが重い話である事は分かった。


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