追放大聖女、ざまぁしてたら日本に呼ばれた件

作者 月城 友麻 (deep child)

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★★★ Excellent!!!

純粋にファンタジーとして読んでいたら、いい意味で肩透かしを食いました。

最序盤の「敷かれたレールを歩いてきた」大聖女サマと、陰謀と世界の真実を知ってからの彼女の雰囲気は別人といっていいほど。が、心の根っこの優しさ、純粋さは変わらない。
その一点による安心感を胸に、最後までテンポ良く読めました。
読後感は晴れやかで爽やか。
ふたりの未来に幸あれ!

★★★ Excellent!!!

危機救ったドラゴンのジェイドと暮らすことになったユリア。
とにかく二人のやり取りが微笑ましい。乙女なユリアと鈍感なジェイドがほんとに「新婚かよ!」って感じ。
序盤は主人公が陥れられる過程のドタバタも含めてかなり好みの展開でした。異類婚姻譚とか好きな方にはオススメしたい作品です。

★★★ Excellent!!!

かくかくしかじかで、主人公たちはエンディングでは家庭を築くわけである。ここで物語は幕を閉じるのだが、「おや?」と疑問に思われた方、聡明だ。物語には続きがある。タイトルを見てみよう。『追放大聖女、ざまぁしてたら日本に呼ばれた件』。そう、ある事情を知る者の手によって、掲示板に投稿がなされているのである。これは決定的に解決していない点だ。「このジャンルでは、このタイトルをつける」というルールがあったとしても、それに付随する影響や問題提起が看過されてしまうのは頂けない。このタイトルの投稿が我々の想像する例えば「2ちゃんねる」のような掲示板なのかはわからないので、「某掲示板への投稿」だと仮定しよう。投稿者は誰かに語っている。作中に「読者に語りかけるシーン」が私が見落としていない限りないとすると、投稿者は2次元に存在する誰かに語りかけている。

投稿者とは主人公なのか、あるいは物語の世界の全てを知る観測者なる者なのか、はたまた第三者なのか。そこを掘り下げた作品は見たことがない。現時点で134という星がついている——社会的に面白いかどうかはひとまず置いておき——それは「星をつけるに値する作品である」という評価である。この「投稿者誰だ問題」は、昨今の日本ネット小説業界が頭を悩ます最大のミステリーである。読者はこれほど明快にわかりやすくタイトルで謎を提起されているのに、読み終えても謎が解決できないのである。ミステリー畑の人がいたら、この矛盾に頭を抱え、ストレスのあまり引っこ抜いたニンジンを土も落とさず食べてしまうに違いない。この問題は、ミステリー界への挑戦状・宣戦布告である!!