第46話 杞
起き上がる理由が見つからなくて気づいたら昼になっていた。久しぶりだ。あの長い長いまどろみに浸っていても現実は何一つ変わらないのに。
飽きた。飽きることにも飽きた。もうどうにもならない。
ただ、以前ほど憂鬱に襲われることは無くなった。これでよかったのかもしれない。自分の思想を固める時間もなくなった。自分のことを考える時間がなくなった。それは有益な時間ではあったけどそんなこと考えたって憂いは晴れないのだから、さっさとこうすればよかった。それも結果論ではあるが。
短絡的な幸福に飛びついた愚かさの延長線上に今があるのだから、いつか終わる物語とはとっくの昔から気づいてはいる。無力な私には終点がまだ先であることを祈ることしかできない。
疲れている。疲れていることさえ忘れようとしている。
未設定。 京 @envyyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。未設定。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます