第4話
面談業務が入った。
あの下っ端作業員の番か、めんどくさいな。
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「君かね、ちゃんと指導を受けてやってますか」
「やってます」
「その割には技術が一向に上がってないように思えるがね、キチンと先輩方の仕事を見ているのかね?」
「分からない所は質問して覚えるようにしています」
「君の場合まだ全然足らないのだから休み時間に調べたり、休日も勉強したりやれる事はいっぱいあるはずなんだけどね?」
「そうですかすみません」
「そう!君はまだ努力が足らんのだよ!もっと努力したまえ!」
「はい分かりました」
「その上で先輩方の趣味を一緒にやったりいろんなコミュニケーションの努力も怠らんようにしたまえ」
「はい分かりました」
(俺が雑用で外出している時に終わらせようとしているのにどうやって見ろというんだろう)
「で、先輩Tさんは何をしてるかね?」
「仕事中にバケツ洗って家庭菜園作り始めました。」
「は?」
「仕・事・中・に・バ・ケ・ツ・洗・っ・て・家・庭・菜・園・作・り・始・め・ま・し・た。」
「S班長は?」
「自分の畑に植えるための白菜の苗を育ててます。」
「部長、先程同じ趣味をやってコミニュケーション取れと仰いましたけど、
じゃあ僕もやっていいですか?」
「良い訳無いだろう!馬鹿じゃ無いか君は!?」
「ですよね。正直やるつもりもないですよ。投げられた業務で実際そこまで時間も無く一杯一杯ですし。
でも常識としておかしくないですか?職場で私物持ち込んで家庭菜園って」
「部長の仰る私が技術が無い云々は分かりました。でも、それと僕ばかり雑用しか与えられない事と仕事が無いと言って仕事中にホームセンターに行って苗と土買って植物育ててる暇がある事って間違って無いですか?」
「君は技術が無い!
それだけが正義だ!」
(・・・事務職しかやった事ないのに、いきなり10年経験積んだ資格持ちと同じ事なんか出来るかよ)
あるエリート社員の日常 @hotaruika47
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