第3話 婆さんのポテサラ

おふくろの味。


僕の家では婆さんの料理が、いわゆる「おふくろの味」だ。


婆さんは、ずっと家の家事を任されていたから、料理も婆さんが作る。


婆さんの料理は、すっっごい濃い! 濃すぎる!


もしかして、家族に致死量の塩分とらせてるんじゃね?


って、思うくらい。


それとも、本気で殺しにかかっているのか。


「毒を盛る」という単語と、「塩を盛る」という単語がイコールだった。


中でも、婆さんのポテトサラダは衝撃だった!


婆さんは自分がポテトサラダが好きだから、とにかく作る。


三日に一回は、大量のポテトサラダが出た。


そしてその作り方が、もはや恐怖である。


と、言うことで……。


* * * 


「はい、今日はポテトサラダを作ります!」


「材料の紹介です」


・ジャガイモが五つ。

・魚肉ソーセージが三本。

・キュウリ二本。

・トウモロコシ一本。

・砂糖 大匙五杯。

・塩 大匙三杯。

・マヨネーズ二分の一本。


「ジャガイモは芽だらけの物を使います」


「生命力を感じます」


「塩は、甘みを引き立て、味を引き締めます」


「なるほど」


「砂糖は隠し味です」


「塩で甘みがアップするんでしたよね」


* * * 


まあ、こんな具合ですね。


こんな食事を続けた結果、婆さんは高血圧で爺さんは糖尿病。


自業自得と言うか、何というか。


ちなみに、保存食文化の漬物も影響してると思う。


でも、このポテトサラダが三日に一回だぜ?


僕のメタボも、そのせいか?


と言うわけで、僕が自宅介護をしているのは、

婆さんに食わせてもらっていたからだ。

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