第8話 ごちそうさまでした!お風呂って何?
「ごちそうさまでした」
「なるほど、食べ終わったらそう言うんだね。ごちそうさまでした!」
球太の真似をして食後のごちそうさまをする。
そしてお皿を持って行くのを見て、その通りに持って行く。流し台に置いた。
「洗い物は俺がするから大丈夫だ」
「なるほど、宇宙食は袋に入っててそのまま食べてたから洗うとかなかったんだよね。じゃあ見ておくから次は私が洗うよ!」
「そっか、じゃあ明日頼むよ。…こういう風に洗うんだ」
球太が洗ってる横でエモリンは習うように見ていた。
しばらくして皿洗いが終わった。
「じゃあ次はお風呂かな…宇宙人はその文化はあるのか?」
「お風呂?何それ?」
「それも無いのか。うーむ、他の文化ってのは予想外なもんだな。とりあえず案内する」
(風呂が無いってのは不潔すぎないか…)
宇宙人にはお風呂の文化も無かった。
球太はただ説明しても分からなさそうだと思ったから、浴室に案内して伝える事にした。
そして2人は浴室に来てそのドアを開けた。
「わぁ〜、これがお風呂ね!…あ、このシャワーは宇宙の体洗い室にもあるよ」
「それは宇宙にもあるんだな。体洗い室とはここみたいなとこか?」
「こういう場所に少し似てるかな、あとはシャワーが手に持つタイプだけじゃなく色々とあるんだ。あ、でもこれは無かったよ」
エモリンは未知のお風呂に感動しつつ、風呂場のシャワーヘッドを手に持ち宇宙と同じだと嬉しくなっていた。
そして無いものといえばという感じで浴槽を指さした。
「それは無いのか。まあシャワーがあるなら不潔じゃなくて良かった」
「不潔なわけないじゃん。毎日しっかりとシャワー浴びてるもんね〜!臭くないでしょ?」
「…近いぞ。臭わないから安心しろ」
不潔かどうか確かめてという風にエモリンは球太に近づいた。
近づかれた球太は少し照れるが、何事も無いように振る舞い不潔じゃない事を伝える。
「でしょ?宇宙のシャワーはハイテクなんだから臭いなんてあるわけないもん」
「ハイテクなら地球とはだいぶ違うのか。どんなのなんだ?」
「いい匂いで強力な汚れ落としの体洗い用の液がシャワーから出てくるから、それを浴びるだけで汚れが落ちるんだ〜。仕上げは普通にお湯が出てきて液体を流すの」
「…宇宙は地球でいうボディソープも自動で出てくるのか、それは驚きだな。その液体は地球でいうとこれだ」
宇宙のシャワーのハイテクさを、エモリンは少し自慢気にテンション高く話す。
球太はボディソープの容器を手に持って、宇宙の汚れ落としの液に代わる物であると言った。
「…ガーン!自動で出てこない上にその小さい入れ物の中に入ってるの?カルチャーショックだよ…」
自分の生活では当たり前だった何もかも自動で出てくるシャワーと比べて、違いすぎる事にショックを受けた。
「それが地球だ、この容器を上から押して液体をタオルに出して体を洗う」
「…ちょっと面倒くさそうだね」
ショックを受けているエモリンにお構い無しに、体を洗う事に関しての地球の方法を伝える。
「これが地球の普通なんだよ。普通と言えば宇宙に無い物であるこれは、湯を貯めて人間が入って使うって事で地球には当たり前の物なんだ」
「ふむふむ、体洗うだけで不潔じゃなくなるけどそれも意味がある物なの?」
地球の普通を伝えるという事で、球太は浴槽の事を説明し始めた。
説明を聞いてもそれが何の役に立つのか、エモリンには今ひとつ分からない。
「お湯に浸かった方が疲れが取れるんだ」
「へぇ〜、そんなすごい効果があったとは。宇宙にも広めたいぐらいだよ!頑張って運動した後とか良さそうだね」
「すごいだろ。地球にもいいところはあるんだ」
疲れが取れるという効果にエモリンはとても感動して、地球の文化を羨ましく素晴らしいと感じた。
その反応を見て今度は球太が自慢気になっていた。
「じゃあそろそろお湯を貯めるから後でお風呂使いな、俺は後でいい」
球太はエモリンに早く地球のお風呂を楽しんでほしく、先に入るように伝えた。
「分かった〜、ありがとう!ちょっと面倒くさそうな体洗いではあるけど、お湯に浸かる素晴らしい文化もあるしとても楽しみ!」
地球のお風呂文化を後でしっかりと味わえる事を考えて、とても気分が高まっていた。
宇宙女&地球男 眠い眠くてしょうがない羊 @nemuinemui103
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