夜に想う

ninjin

夜に想う

月に照される波は

戦慄いているのか それとも寂しく歌っているのか


風がすぅと頬を掠め 君の髪が揺れる

昨日まであんなに熱を帯びていた空気も

今はずっと涼しくて 冷たい


「さよなら」を言い出せない二人に射す

白く冷たい月の光を恨む

もっと明るければ良いのに


君の表情が読めない


「さよなら」を言えない僕らは いつまでも

いつまでも

埠頭に留まり続ける


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜に想う ninjin @airumika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説

朝に見る夢

★20 詩・童話・その他 完結済 1話