不覚にも揺さぶられてしまいました。作品で他者の心を掻き乱す、揺さぶるというのは、凄いことです。架空の話がリアルな重みや質感を持つというのは、大変なことです。良作とその生みの親である作者様に拍手。
神の奇跡として扱われる「復活」。人類の夢とも言われる「不老不死」。それを科学的に実現する事が出来ても、果たして人は幸せになれるのだろうか?その答えが、この「箱」の中に詰め込まれているのかもしれません。ロマンと倫理と哲学を感じる、興味深くも面白い作品です。
「生と死」とは。「愛」とは。AIという存在の、是非。そして、警鐘。単純な、死に纏わるお涙頂戴ものではありません。これから間もなく顕在化してくるであろう様々な問題点を、恋人や家族、会社の人間関係など、身近な視点で描いています。箱であるからこそ、見えてくるその問題。AIが自由に動かせる身体を得る前に、もう一度考えてみませんか。