第9話 ゲーム開始 (4日目)続き
授業が終わり、今日も本を読むために図書室に向かおうと思い帰りの支度を始めた。
今日は、掃除当番だったので帰りの支度を始める頃には教室に残っている人は少なかった。
授業中、高橋くんから一言だけだったけど嬉しい手紙をもらうことができた。
大事にとっておくために、さっき手帳に挟めた手紙をもう一度見たいと思い挟んだ場所を見てみた。
しかし、さっき挟んだはずの手紙が無くなっていて違うページも探してみたが見つからなかった。
机の中や身の回り、バッグの中色々探したが全く見つからず焦り始めてきた。
どこを探しても見つからず途方にくれていると、急に笑い声が聞こえてきた。
「あっはっはっはっは調子に乗ってるからよ。ちょっと優しくされたからっていい気にならないでよ」
そう言ってきたのは、私の席から少し離れているところに座っている鈴木佳奈ちゃんだった。
前に睨まれている気がしていたのはやっぱり見間違えではなかったんだとこの時確信した。
私は「いい気になってなんていないし何の事?」と佳奈ちゃんに聞くと、佳奈ちゃんの表情がガラッと変わった。
「とぼけるのもいい加減にして!優斗だってあんたなんかに優しくしたくてしてるんじゃないんだからね。クジで当たってしまったから仕方なくだから!勘違いしないで」
そう言って教室から出ていってしまった。
私はそんな事分かってるよ、と思いながらもさっき言われた言葉を思い出すと心がモヤモヤした。
でもなんでそこまで佳奈ちゃんが怒っているんだろうと思った。
佳奈ちゃんに私なにかしてしまったのかな?と考えたが思い当たる節がなく、考えても答えが出なかった。
結局高橋くんからもらった手紙も無くしてしまったし、佳奈ちゃんからは責められてしまったし何だか今日は小説を読む気にならず、真っ直ぐ家に帰る事にした。
いじめてくる相手と一週間付き合わなければいけなくなった話 金木犀 @drink100
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