高校生

ねんむいざむらい

第1話 友達100人できるかな?

 この小説を読もうとしてくださってる方々へ。

 読者の中には学生生活真っ只中な人、もう学生生活を終えた人がいるかと思われます。この小説はその学生生活の話です。

 この小説を読むと「いやそんなことはありえない」とか「こんなん現実ではありえへんやろ」とか思うことは色々あると思いますが、それが物語です。いいですね?どうぞ楽しんで下さいな。


 桜の舞う4月。

 家から近い高校に入学して2日目。

 今日は担任が校舎内を回って施設の紹介的なことをしてくれてる。

 ちなみに俺は未だに他のクラスメイトと喋れてない。1を除いて。

「なあ見て、あれ学食やで」

「美味しそう」

「なんなんその薄っぺらい感想」

「八ツ橋よりかは厚いよ」

「バリおもんないやんどしたん病院行く?」

「うるせえ」

あ、俺の名前は千本喆せんぼんてつ。滋賀の街で産まれ育った高校生。自己紹介が遅れてすまない。

俺の隣にいる女の名前は伊川朱里いかわあかり。俺と中学時代を共に闘い抜いた同じ1組の同級生。関西弁。クラスでは勝ち組に入る陽キャ、可愛い、おっぱいはなんでそんなにってくらいでかい。中一からずっと同じクラスで家もめちゃくちゃ近い。仲良く見えるが、悲しいことに仲良しだ。

 一通り回り終わって教室に戻った。

担任が黒板に紙を貼った。今から班わけか。えーと、俺は2班か。

「お、一緒の班やな」

「そんなことある?」

朱里と同じ班だった。まあ何となく予想はしてたがそろそろ別の班でいいだろ神様俺前世になんかした?この班は5人だからあと3人来るのか。どんな人らなんだろう?頼むから俺に優しい人がいいです神様。

「ここが2班か?」

女子が1名

「お、あやねん一緒やーん♡」

いや2名。

「失礼しま〜す」

3名だった。おお...なんというか、スクールカースト上位っぽそうな女子が3人来たぞ。こりゃ俺は取り残され...ちょっと待って。この班は男1:女4なの?え、男俺だけなの?何回紙見ても俺は2班だ。間違ってないっぽい。しかも女4人は普通に喋ってる。陽キャだから。俺は陰キャだから普通に取り残されてる。馴染むの早すぎだろ競馬知らんけどディープインパクトかよ。

「では自己紹介していってください」

担任は普通に進める。ええ...?間違ってないの?恐らくこれは...俺達の学年は女子がめちゃくちゃ多い。男子の方が少ない割合だからこういう班が出来てもおかしいわ普通に。

「名前だけでいいのか?」

「呼び方...あ、中学の時の部活何してたかとかはどうよ?」

「いいなそれ、じゃあアタシから行こうか」

強面の女子から順番に自己紹介することになった。

「えー、はじめまして。アタシは...本町彩音ほんまちあやねと言います。呼び方は好きにしてもらって結構です。中学はバスケで全国2位まで行きました。お願いします」

男勝りな口調の背が高い女の子。少し肌黒。多分ギャル。おっぱい大きい。多分梅干し苦手そう。

「次ウチ?えっと、あやねんと中学一緒やった、七条葵しちじょうあおいって言いま〜す。葵とか好きに呼んでください。中2の時にバドミントン全国1位になりました。よろしくお願いします〜」

朱里と同じ関西弁。黒髪ロングなギャル。おっぱいでかい。多分あと少しすれば髪染めてそう。

「え?次私?えっ、比永城皇女ひえいじょうみこって言います。んー皇女って呼んでさい。中学は東京にいて...空手で中3の時に都大会1位になりましたっ。よろしくお願いします」

お上品なThe清楚。まあギャル。おっぱいは普通。髪の毛に紙やすりでゴシゴシしたんかってくらいツヤがすごい。

「えーと、伊川朱里と言います。朱里とか...なんでもいいです。中学は何もやってませんが、漢検1級持ってます。よろしくお願いしまーす」

そう、朱里は中学何も部活に入っていないというか、美術部の幽霊部員だった。だが、漢字に関しては左右前方上下に出る者はいない。

 そして俺か...。なんかみんなすんごい何かを期待してる目で見てくる。

「えー...千本喆です」

「千本!?それ本名なのか!?」

「しかもてつ!?漢字なんて書くん?」

「鉄道の鉄じゃないのよね?」

「こう書くねん」

朱里が俺の名前を漢字で書いてみんなに見せた。みんなびっくりした顔だ。

「ああすまない、続けてくれ」

「あ、はい。呼び方はなんでも大丈夫です。中学はバドミントンで」

「え!?ウチと一緒やん!」

葵がすごく食らいついてくる。

「い...いいですか?」

「あーごめんごめん、続けて」

「バドミントンで全国1位になりました。よろしくお願い...します」

『おおおお〜!!!!』

なんか拍手し始めた朱里達。そしたら他の班の生徒も俺に拍手し始めた。何このクラス、ノリの良さテキサスじゃん。

「自己紹介終わった班からこの紙に役職書いてってください」

担任から紙が渡された。

「まず班長誰か決めようや」

「喆だろ」

「え?俺?」

「当たり前だろ?」

「え?ダメなの?」

なんか困惑してる女共。いや困惑してるのは俺の方だよ。

「女4人と男1人の班やねんから、喆が班長は妥当やろ?」

「えええ...俺役職ないのが」

「私達こんなか弱いのに...?」

「そ、そうだぞ...アタシじゃ班長は務まらない...」

へたり出した女共。ああもう。

「ああもう分かったよ、班長やるよ」

『っしゃあーー!!!!』

みんなガッツポーズしてる。ま、そんな感じで副班長は彩音、黒板消しは葵、朱里と皇女はフリーターということで決まった。

 そして班ごとに席替えすることになった班長の権利をつかって窓側の1番後ろを陣取ったが、俺の前が皇女、俺の右が葵、俺の右斜め前が彩音、皇女の前が朱里となった。

 知らない間にハーレムみたいになってる。これから学生生活はどうなるのか...?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校生 ねんむいざむらい @gionshijo___

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ