第2話 ここはどこですか?

瀬沼ヨウスケ。29歳。

会社にて何者かに殴られました。

頭くそ痛いです。

痛い………ん?


「……ッ!!………痛くない?」


身を起こしながら頭の部分を触る。が、歪んでるどころか傷1つない優良健康児(そんな歳じゃないが)そのものの頭がそこにはあった。


「…ッハァァァ……歪んでない……よかった」


安心を他所に頭の整理すべく、とりあえず周りを見ることにした。その間、何故殴られたのか……いや、てか夢なのか?え?でもあんな生々しい夢あるか?酒飲んで年末年越しハッピーニューイヤーなパーティー開かれなかったっすか?と、思考めぐらせ、て、……み…


「………は?」


思考は止まった。

なぜって?


「……ここどこ…」


周りを見渡して見たここは、会社の作業室でもなんでもない。まるでファンタジー漫画のような、作りの部屋であった。


•••


西洋風のベット。

西洋風の鏡つき机。

俺が今座ってる椅子は木材式で、テーブルも会社のような机ではなかった。そしてそのテーブルには日記(?)的なものと羽根ペンらしきものが置いてある。


そして今更なのだが、俺の容姿は30迎えるおっさんの体つきではなかった。

白のネグリジェを身につけた12歳ほどの体。

机の鏡を見ると、その顔は容姿が整っている美人の童顔。目はぱっちり開き、翡翠に輝く瞳。

髪色は薄いエメラルドグリーンなロングヘア。

ロングヘアは、尻の所まで伸びてる。

……尻とかゆってすんません…


頭を整理するがごとく、両手の人差し指をまるで一休さんがごとくポージングを決める


「……あれか…」


そう、あれだ。


「……これは異世界転生ってやつだな?」


•••


どうやら、俺は死んだらしい。

死んで美人幼女に転生したらしい。

うん、息子は完全にない。

そして貧乳だ。畜生、もっとあってもよかろうて。


そんな一人思考を重ねるうちに、現状把握の為に、まずはここはどこなのか、俺は誰なのか、この世界はどうゆう世界なのか。

理解すべく──────────


「まぁ、見るしかないよな、うん」


そう言って、この体の持ち主が書いたであろう日記(?)を見ることにした。

とりあえず、1ページ目をめくる。



「……ぁ、」



何書いてるか読めなかった。


•••


どうやら今は夜らしく、窓を開くと真っ暗闇の中に虫の音鳴る音が聞こえる。

そして、どうやらここは2階部屋らしい。

外は暗くて何も見えないが、下の部屋の窓から光が漏れていることから2階であることがわかった。


「……下に誰かいるのか、」


きっとこの子の親なのだろう。

いや、実はついてるだけで誰もいない可能性も否定できない。


「1階に行ってみるか……」


俺はとりあえずらこの体の子の親であることを願い、部屋の扉を開けて1階に向かおうとする。すると、バキバキバキドンガラガラッドカーンッッ!!という凄まじい音と振動が下からして、扉を開ける手を止めた。

年甲斐もなく「うわっ!」とびっくりしてひっくり返る。いや、この子の身体だから年甲斐もくそもないのか…?


「……ッ」


やはり危険なのでは?だがこのままでは自分が誰で、ここがなんなのかわからずじまいなのは嫌だと思った。

そんなふうに思ってしまった。

だから、、


「……〜〜〜゛!ええい!ままよっ!」


そう言って扉を開き、目の前の階段に突撃していくのであった。


どうなったって?


案の定、階段を転がりながら下ることになりましたとさ。






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魔力無し吸血鬼の復讐譚 志麻 岬 @kuruoka2410

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