朝を潔く認めないと気持ち良い一日を送れないのは自明の理である

 初秋を迎えた最近は、朝の布団から出る瞬間が一日の苦痛のピークになる。

 寒いし惨めだし、エアコンの付いているんだか付いていないんだか分からない温風に願掛けをしないと決意が鈍ってその日一日を無駄にしてしまう。


 仕事の日は義務感で、芋虫のようになりながら布団から奇跡の脱出を果たすことは可能だが、今日のように休みの場合はそうはいかない。

 このようにして書に時間を費やすといっても所詮は趣味の範囲内であるから、その志は布団の魔力の前に無効化されるのがオチなのだ。


 そうして辛い朝を乗り越え、池袋の西口までやってきた次第である。

 誰か俺を褒めてくれ。


 〇


 最近、ようやく以前の感覚を取り戻して掌編をモノにできるようになってきた一方で、以前のような突発的なひらめきを得ることは殆ど無くなっていた。

 ルノアール池袋北口店で、唸りながらアイデアを捻っている今。こうして家以外の場所で書き努めないとインスピレーションが訪れない。困ったものである。


 高円寺駅前のルノアールと違い、池袋北口のルノアールは無言の客が少ない。

 ある客は電話を

 またある客は商談を


 それぞれが思い思いの語りを行う様子を見ていると、そこから着想が得られそうなものであるが、あいにく非現実的、奇々怪々なアイデアを求める私には無理なようである。

 ただ僅かに漏れる会話に耳を傾けながら、こうしてくだらないエッセイにすがる事しかできていない。年を重ねるとは恐ろしいものだ。当方、まだ22歳である。


 毎日12時に更新をしているこのエッセイも今日の昼までに仕上げなければならない。ゆったりとした朝を迎えたように見えて、実は私も急いでいる。

 それに加えて新しい掌編も考えなければならないというのだから、これはもう、モーニングに手を出す暇もない。ハムトーストは美味しかった。


 そもそもの話をしてしまえば、こんな誰が読んでいるかも分からないようなエッセイは別に毎日更新しなくてもいい話である。

 無い頭を捻って自分の身の上話をするよりも、無い頭を捻って突拍子もない話を考える方がよっぽど生産的だと言えそうだ。


 そんなわけで、私はそろそろこれを書くのに飽きてきた。

 どうせ読まれるような作品でもないので、ここらで適当に締めておく。

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読者各位と考える私の徒然日記 北海ハル @hata

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