エピローグ

第44話 エピローグ

 F刑務所にて


 二人の刑務官が、話をしていた。


「なあ、今日くる死刑囚の話聞いたか?」

「ああ。でも、なんでうちに死刑囚が来るんだろうな。普通は、東京拘置所に収監されるだろう?」

「それがな……こっちがやられちまってるらしいんだ」


 そう言いながら、男は自分のこめかみに人差し指を当てる。


「ああ、なるほど。そういうことか」

「なんでも、自分の中の鬼の声に従って、人を殺したとか吹聴しているらしいぞ」

「なんだそりゃ? じゃあ、罪を認めてないんだな……。何人やったんだ?」

「ああ?確か……九人とか十人とか聞いたな……」

「うへぇ……そりゃ、鬼だわ。おー怖い怖い。関わりたかねぇわな……」


 男は、身震いする。


「それが、そうでもないかもしれんぞ?」

「なに? どういうことよ?」

「いやな、随分と別嬪なんだとよ。その……」


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