第一部 怪談殺し
プロローグ
第1話 プロローグ
東京郊外K市。
駅前はそれなりに発展しており、都心へのアクセスも良好であるが、まだまだ緑地や小さいながら農地などもあり、駅から少し離れれば閑静な土地が広がる、そんなある町に一軒のBARがある。屋号を「夜行」という。
屋号も変わっているが、この店の主人は、輪をかけて変わっている。夜な夜な怪談を蒐集しているのだ。
この世には怪談師なる職業もあるくらいで、プロ、アマチュア含めれば怪談蒐集家などというものは相当数おり、別に珍しくもないと思われるが、この店の主人である城ヶ崎詩織は、ただ怪談を蒐集しているわけではない。
彼女の興味は、怪談それ自体にはなく、人が恐怖する仕組みにある。怪談とは口伝にて実しやかに囁かれる伝承の類であり、ある種、伝染病のように静かに蔓延していく。彼女は、怪談という伝染病を研究し、恐怖の根源を明らかにする事に無情の悦びを覚えるのだ。
これは、怪談蒐集家の城ヶ崎詩織の怪談研究を短編としてまとめたものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます